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聖女ドラゴンヴァルキリー  作者: BALU-R
第Ⅳ部   復活・ドラゴンヴァルキリーⅠ編
31/41

第三十一話 恐怖のみかん買占め作戦

「みかんはやっぱり、やっぱり、gooスよ!」

「いいや、あんちゃんだよ。」

香矢とルリが言い争いをしている。

「ただい…って何の騒ぎですか?」

買い物から帰ってきた志穂が驚いて聞く。

奥からコーチが出てきて言った。

「一番、美味しいみかんジュースで言い争いしているのさ。くだらないねっ…」

「志穂ちゃんは!?」

「どっち派スか!?」

ルリと香矢が同時に聞いてきた。

志穂はその勢いに押されながら答えた。

「私は…ええと、サッホロ?」

その答えに二人は肩を落とす。

香矢が言った。

「志穂さん、それはビールのメーカースよ…」

ルリも言う。

「志穂ちゃん…渋すぎ…」

志穂は困りながら言った。

「だって私はジュース飲まないですもん…飲み物のメーカーなんてお父さんが飲んでいたビールメーカーぐらいしか…」

コーチがみかんジュースの入ったコップを3っつ持って出てきて言った。

「まぁまぁ、ジュースは自家製が一番…どう一杯?」

3人はコップのジュースを飲み干す。

香矢とルリはジュースを噴き出した。

一人だけ飲み干した志穂が言った。

「…みかんって苦いのですね。」


「ふふふ…うまいうまい。」

女帝がみかんジュースを飲みながら呟いた。

「邪魔者もいなくなったわけだし…これからは自分のしたい事だけをさせてもらうとするかね。」

楽しそうにみかんジュースの缶を開けていく女帝。

やがて全てのジュースを飲み干してしまった。

女帝は言った。

「ふむ、早速良い事を思いついたぞ。みかん魔女!」

「ミー!」

女帝に呼ばれてみかん魔女が姿を現した。

女帝はみかん魔女に命令した。

「日本中のみかんジュースを手に入れてこい。かぼちゃ魔女を使っても構わん。」

「ミー!おマカせを!!」

そう言ってみかん魔女は出て行った。

女帝はジュースの缶の山を蹴り飛ばしてハマキを取り出して吸い始めた。


「最近、自販機からみかんジュースが消えたと思いませんか?」

数日後、ミカが話し始めた。

香矢が言った。

「知らないスか、ミカさん?みかんジュースを運んでいるトラックが強盗に合っているって話…お金じゃなくて中のみかんジュースだけ奪っていくらしいスよ?」

コーチがその話を聞いて言った。

「変な強盗ね…そんなものを集めてどうするのかしら?」

香矢はちっちっちっと指を振り、言った。

「これはきっと魔女の仕業ス!みかんを奪う事で人々の心を荒廃させようとする恐怖の作戦…さぁ、志穂さん!聖女ドラゴンヴァルキリーの出番スよ!!」

ノリノリの香矢を制止してミカが言った。

「しかし、香矢殿。この強盗事件はダイナマイトとか使っての事件ですから魔女とは無関係では?」

香矢はズルっとこけて言った。

「そうなん?ってミカさん、あちきより詳しいじゃないスか…」

ミカは表情を変えずに言った。

「いや、香矢殿の情報収集能力を試そうかと…」

香矢は叫んだ。

「むがー!何の試練スか!やはり忍者には敵わないスか…」

志穂は笑いながら言った。

「まあまあ…でも、魔女の仕業じゃないにしても物騒ですね。香矢さんじゃないですけど私の出番なのかも…」


志穂は香矢と一緒にみかんジュースの工場に来ていた。

香矢が小声で言った。

「トラックを襲いすぎて運ぶの自体やめてしまったスからね…となると次は大元の工場を狙うのがセオリーっス。」

志穂は言った。

「とりあえず、付近に怪しい人物の気配はしませんけど…」

香矢は驚いて言った。

「分かるスか?」

志穂は軽く答えた。

「えぇ。人間とかの気配なら何とか。でも、魔女は気配を隠しているから分からな…」

その時、爆音が響いた。

志穂は言った。

「行ってみましょう!」

香矢が呟いた。

「魔女以外の気配が分かる志穂さんがいるのに事件が起きたって事は…」

「ミー!かぼちゃ魔女どもよ、ハタラけ!!」

爆発のあったところではみかん魔女とかぼちゃ魔女がみかんジュースを集めていた。

そこに志穂と香矢が駆け付ける。

香矢が言った。

「のわー!?みかんがみかんを奪ってる!?」

みかん魔女は怒鳴った。

「ミー!何やつだ!?」

志穂は胸の十字架を握りながら言った。

「魔女の仕業と分かれば…もはや手加減の必要はないわね!!」

そして叫んだ。

「ドラゴンヴァルキリー!ドレスアップ!!」

十字架をもぎ取り黄と緑の姿に変身し、叫んだ。

「聖女!ドラゴンヴァルキリー!!ダブルドレス!!!」

「ミー!かかれぇ!!」

みかん魔女はかぼちゃ魔女達に命令した。

香矢が言った。

「うわー…自分で戦わない典型的な悪役スか…」

「パンプキン!」

かぼちゃ魔女は志穂に飛びかかったが次々と志穂に切り捨てられていく。

みかん魔女は怒鳴った。

「ミー!ナニをしている、セントウノウリョクがヒクいのだから聖女にチカづいてジバクせんか!!」

かぼちゃ魔女を全て切り捨ててから志穂は言った。

「無理よ。私は雷と草の戦士。電気の力で近づいてきたかぼちゃ魔女の自爆の制御装置を狂わせているんだから。」

志穂は剣をみかん魔女に向けて構えた。

みかん魔女は叫んだ。

「ミー!こうなればオクのテだ…みかん魔法!メツブし!!」

みかん魔女の頭が割れ、中から飛沫が飛び出し志穂と香矢の目にかかった。

「ぐっ!」

「わー!前が見えないっスよ!」

みかん魔女は勝ち誇って言った。

「ミー!これでワタシのスガタはミえまい…おまけにワタシのケハイをサグることもフカノウ!シねい、聖女!!」

みかん魔女は志穂に向かって殴りかかった。

志穂の体に触れる直前にピタリと止まった。

志穂の袖から草が伸び、みかん魔女の体を縛ったのであった。

みかん魔女は驚いて言う。

「ミー!ワタシのバショはワからないのにナゼだ!!」

志穂は目を閉じたまま言った。

「確かに目は見えなくなった…魔女の気配を探る事もできない…でも、音は聞こえるのよ!あんたのうるさい足音が!!」

みかん魔女を縛っていた草が緑色から黄色に変化する。

そしてみかん魔女の体がバリバリと音を立てて光り出す。

電流を流されているのだ。

「ミー!女帝様―!」

みかん魔女は黒焦げになった。


「結局、何がしたかったんスかね、あの魔女は?」

鳥羽兎に戻って目薬をさしながら香矢が言った。

志穂は首を横に振りながら言う。

「さぁ?魔女の考え…女帝の考えは分かりません…」

ミカが横から口を挟む。

「みかんを奪って人々の心を荒廃させたかったのでは?」

香矢が頬を膨らませて言った。

「その話は忘れて欲しいスよ…その場のノリで言った言葉をほじくり返される程、恥ずかしい事はないっスよ…」

その時、コーチが買い物から帰ってきた。

「おーい、みかんジュースが再販されてたよ!思わず、買占めしちゃったねっ!」

その手には大量のみかんジュースが入った紙袋があった。

香矢はげんなりとして言った。

「もう、みかんはこりごりスよ…」



女帝との最後の決戦が始まる…

果たして志穂は勝つことができるのか?

志穂のピンチに友知がかけつける…!


次回 第三十二話 「人にもなれず魔女にもなれず」

志穂は、友知は、それでも戦い続ける!

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