第二十三話 友知、最大のピンチ!!帰ってきた志穂
「あー!楽しかった!!」
友知がそう言った。
友知は鳥羽兎のメンバー(香矢、ルリ、マリ、ユリ)とカラオケに来ていた。
ルリが言う。
「でも、ともちゃんって歌うまいんだね!100点連発とか私、びっくりしちゃった!」
友知は得意げに言う。
「へへん!アタシは何をやらせても完璧にこなすのじゃ!」
香矢は呆れながら言う。
「欠点だらけの女が何を言ってるスか…」
キャイキャイ騒ぎながら歩いていると易者がと目があった。
ユリが言った。
「あっ、占い!せっかくだからどう?」
友知が食いつく。
「アタシ!アタシがやる!!」
そう言って易者の前に座った。
友知は目を輝かせながら言った。
「何を占ってもらおうかな?香矢の便秘が後、何日で開通とかは?」
香矢が慌てて言う。
「自分の事を占ってもらうスよ!というか、何であちきの便秘の事、知ってるんスか!?」
易者は友知をマジマジと見て、震えながら言った。
「これは…」
「んー?」
「イカ?あなたは近いうちに、イカに…ああ、恐ろしい。」
易者はガタガタ震えながら店をたたみ始めた。
香矢が言った。
「ちょっと!ちゃんと説明するっスよ!」
易者は最後に言った。
「イカに注意しなさい…イカに再び会う時があなたの死…もっとも、もう手遅れかもしれませんが…」
「ワシー!女医サマ!!」
「ブータ!女医サマ!!」
「ヒョーウウ!女医サマ!!」
黒鷲魔女、黒豚魔女、黒豹魔女の3人が集まっていた。しかし、そこには女医の姿はなかった。
と思うとどこからともなく女医の声がしてきた。
「よく、集まってくれたな…私はこれからあのドラゴンヴァルキリーをも超える魔女の完成に取り掛からなければならぬ…お前達にはその間、聖女の相手をして欲しいのだが、やってくれるな?」
「ワーシ!スベては!」
「ブータ!女医サマの!」
「ヒョーウウ!ために!」
そういって3人の魔女は去って行った。
「くくく…この魔女こそ私の最高傑作になるだろう…だから、ドラゴンヴァルキリーはもういらない!」
次の日、鳥羽兎で友知は考え事をしていた。
「昨日の占いの事、気にしてるんスか?」
香矢が話しかけてきた。
「ただの占いっスよ。そんなに気にする事…」
「そりゃあ、気になるよ。」
友知が香矢の言葉を遮って言った。
「さっき、香矢がトイレにこもった時に無事に開通成功したか気になって気になって…」
「!巨大なお世話っスよ!!」
香矢が怒りながら離れて言った。
友知は笑いながら言った。
「あーあ、プリプリしちゃって…トイレでもプリプリできれば良かったのにね。」
そう言ってTVをつけると目を疑う光景が写った。
リポータが言った。
「皆さま、見えますかこの光景が!豚の化け物が町で暴れているのです!一体、何者なのでしょうか!?都市伝説とされる魔女事件が本物だったのでしょうか!?」
黒豚魔女が町を襲っている光景…
それがTVに映し出されるとは今まででは考えられない事であった。
コーチが店の奥から出てきて言った。
「ねっ、これは誘っているのかもな…夜葉寺院、お前が来るのを…」
友知は言った。
「だったら…望むところだよ!」
友知は鳥羽兎を出ようとした。
その時、ユリが声をかけた。
「あの、夜葉寺院ちゃん…」
友知は振りかえって言った。
「んー?」
ユリは再び声をかける。
「気をつけてね…」
友知は胸をポンと叩いて言った。
「いつもの事だよ!任せておいて!!」
そして出て行った。
香矢がユリに声をかける。
「大丈夫っスよ、ユリリ?友知の言葉を借りるといつも勝って帰ってきたじゃないっスか?」
しかし、ユリの顔は晴れない。
そして言った。
「分かってるんだけど…何かイヤ予感がしてしょうがないの。いつもと違うイヤな感じが…」
「ブータ!ニンゲンはシュクセイ!」
そう言いながら黒豚魔女はうろうろと歩き回った。
TVに写ったせいかもう近隣の住人は避難を終えていて誰もいなかった。
「ブータ!デでこーい!」
その時、フルートの音色が鳴り響いた。
友知が現れ、言った。
「出てきーた。あっ、TVカメラが転がってる!ピースピース!」
Vサインをした後に気を取り直して友知は言った。
「さてと、アタシが来たからには…」
「ヒョーウウ!」
黒豹魔女がどこからともなく走ってきて友知の体を掴み引きづり文房具店に投げ込む。
文房具に埋もれながら友知は言った。
「不意打ちとはさすが魔女、きたない。そして1対2?」
「ワーシ!まだいるぞ!」
黒鷲魔女が空から急降下してきて、友知の体を掴み天高く跳び上がる。
ある程度上がったとところで友知の体を地面に投げつけた。
友知はアスファルトに埋まりながら言った。
「また出てきた?いくら一人では敵わないからって…おっと、これ以上喋ってまた出てこられても困るわね。」
そう言って胸の十字架を握りしめた。
友知は胸の十字架を握りしめた。
「ドレスアップ!ドラゴンヴァルキリャー!!」
そう叫ぶと胸の二つの十字架を引き千切り、
両手の十字架は柄の宝石が赤と黄のハーフの入った剣になり
服は赤と黄のチェックのマキシスカートになり
胸は中ぐらいになり
そんな姿に
なった。
「聖女!ドラゴンヴァルキリー!!ダブルドレス!!!」
そう叫んだ後にキョロキョロと回りを見渡し友知は言った。
「もう、これ以上増えないですわよね…」
「ヒョーウウ!キサマゴトきにヒツヨウない!」
その言葉に呆れ気味に友知が言った。
「3対1で何を格好つけてますの…」
「ブ-タ!黒魔女合体魔法!ブラックトルネード!!」
そう叫ぶと黒豹魔女が友知の周囲を高速で走り回り竜巻を生み出し、友知の体を空に打ち上げた。
打ち上げられた友知を黒鷲魔女が蹴り落とし、
地面に落ちてきた友知に黒豚魔女が頭突きをし友知を吹き飛ばした。
「ブータ!ミたか、ワレらの合体魔法!!」
友知は起き上がり言った。
「合体魔法って黒豹魔女ばかり活躍してるじゃありませんの!」
「ブータ!だまれ!もうイチド合体魔法イくぞ!」
再び黒豹魔女が友知の周囲を回り始めたが、回っている途中に友知の剣が黒豹魔女を切り裂いた。
「ヒョーウウ!?」
続けて雷雲を呼び出し、カミナリを剣ではなく黒鷲魔女に直接落とした。
「ワーシ!?」
そしておろおろする黒豚魔女に炎をぶつけた。
「ブータ!」
「ブラックトルネード破れたり…とでも言っておきますわ。」
「ワーシ!まだだ!!」
3人とも致命傷はさけられたようだ。
友知は言った。
「さすがに3人もいると決め手にかけますわね…あれを使いますわ。」
そう言って剣をクロスさせて空にかかげた。
雷雲が再び呼び出され…しかし、落ちてきたのはカミナリではなく火柱であった。
火柱が周囲を焼き尽くす。
「ブータ!女医サマの!!」
「ワーシ!ショウリを!!」
「ヒョーウウ!ネガッております!!」
3人の魔女は倒れた。
友知は言った。
「敵が多い時はMAP兵器…戦略の基本ですわ!」
自分の勝利を確認してから変身を解こうとした瞬間、
「ゲッーソ!ミゴトだな。まぁこのテイドはヨソウドオりだが…」
後ろから声をかけられた。
友知は後ろを振り返って言った。
「ふぅん、やっぱり3人じゃなかったんですわね。さすが魔女。不意打ちも嘘もお手の物ですわね?」
「ゲッーソ!ワタシはイカ魔女…女医の最高傑作の魔女だ!!」
「へぇー最高傑作はワタクシだと思ってましたけど?」
友知は剣を構えた。
同じ頃、鳥羽兎に一人の少女が帰って来ていた。
それはもう一人の聖女・ドラゴンヴァルキリー…
「雲行きが怪しくなってきたね…」
志穂であった。
「ワタクシはいつでも皆さんとご一緒ですわ…またお会いしましょう…」
次回 第二十四話 「女医の正体は?星になる友知」