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聖女ドラゴンヴァルキリー  作者: BALU-R
第Ⅲ部   聖女・ドラゴンヴァルキリーⅡ編
19/41

第十九話 見抜け!本物を!!

ここはある自然公園。

日差しが強い中、一人の女性が日傘をさしながら歩いていた。

その女性を見つめる影があった。

「トカゲ!ニンゲンはシュクセイ!!」

トカゲの姿をした魔女であった。

トカゲ魔女は女性に飛びかかったがその時、

女性の日傘がピカッと光った。

「トカゲ!」

うろたえるトカゲ魔女。

日傘の女性はコーチであった。

コーチは言った。

「ねっ、うまくおびきよせたよ!お前が最近この自然公園で女性を神隠しにしている魔女か!!」

「トカゲ!だったらどうする?」

その時、フルートの音色が鳴り響いた。

驚いて周囲を見渡すトカゲ魔女。

そして友知が歩いてきた。

フルートから口を離して友知は言った。

「どうするかって?こうするんだよ!!」

友知は胸の十字架を握りしめた。

「ドレスアップ!ドラゴンヴァルキリャー!!」

そう言うと胸の二つの十字架を引き千切り、

両手の十字架は柄の宝石が黄と緑のハーフの入った剣になり

服は黄と緑のチェックの短パンになり

胸はペタンコになり

そんな姿に

なった。

「聖女!ドラゴンヴァルキリー!!」

叫んでから剣を相手に向けて言った。

「さてと、ボクのカミナリで痺れるのと植物に締められるどちらが良い?裁かれる方法を選ばせてあげるよ!!」

「トカゲ!」

トカゲ魔女は友知のいるところと反対方向に向けて走り出した。

友知は怒って言った。

「こら、逃げるな!魔女のプライドないのかぁー!!」

雷雲を呼び出し、カミナリを自分の剣に落とし電撃をトカゲ魔女にぶつける。

勝ち誇って友知は剣を下ろして言った。

「楽勝!」

「ねっ、バカよく見ろ!」

コーチが傘で友知の頭をはたいて言った。

電撃をくらったと思ったトカゲ魔女の体がみるみる変化していき尻尾になる。

「ありゃ?」

友知が呆けた声を出す。

「ねっ、ありゃトカゲの尻尾切りだ。逃げられたぞ!!」

そう言ってコーチは、再び友知の頭をポコっと叩いた。


「トカゲ…まさか聖女がアラれるとは…」

逃げ切ったトカゲ魔女は呟いた。

尻尾切りは彼女にとって最後の手段ですでに満身創痍であった。

そこにコツコツと歩く音がする。

女医であった。

女医は満身創痍なトカゲ魔女に優しく話しかけた。

「可哀そうに…さぞ痛かったろうにね…」

「トカゲ!」

「さぞや悔しかろう…」

「トカゲ!」

女医は胸のポケットからスルメを出し、プチリと食い千切って言った。

「聖女に勝てるように、私が再改造してやろう。」


「ねっ、あそこは植物の力で相手を捕まえるべきだったんだよ!」

「だって、そんなの地味だもーん。」

鳥羽兎に帰ってからコーチに友知は説教をされていた。

そんな二人を見ながら香矢が言った。

「ところで友知…その格好は…」

「あっ似合う?子ウサギですピョンピョン。」

「そう言う事じゃなくて、鳥羽兎の制服着てる理由を聞いてるっスよ!」

「だって、アタシは志穂の代わりだもん。それに住んでいるところのお手伝いをするのは当たり前でしょ?」

「住む?ゴローさんとこに帰らないっスか?」

「いやよ。あんな影薄い人のとこ。主人公なのにアタシの影まで薄くなったらどうすんのよ?あっ、香矢が代わりに住んできてもいいよ。」

「よくないっスよ!嫁入り前の娘が男と同棲なぞ…」

「心配いらないと思うけどなぁー?」

「どういう意味っスか!」

ギャーギャーと言い争いをしばらく続けた後に友知が言った。

「あぁ、もう分かったってば!明日、もう一度行ってトカゲ魔女倒してくればいいんでしょ?じゃぁ、ちょっと夜風を浴びてくるねぇー。」

そして鳥羽兎を後にした。

コーチが呆れながら言った。

「ねっ、全く…志穂と比べて心配だよあいつは…」

香矢が意外そうに聞いた。

「それはないんじゃないっスか?友知はバカでアホで間抜けっスけど、志穂さんの力も得てるからかなり強いっスよ?あのバカでアホで間抜けなのはその自信からくるもんだと思うっスけど…」

「ねっ、自信も過ぎると油断だよ…」

コーチは本当に心配そうに言った。


次の日、友知は一人で自然公園に来ていた。

(全くもう、逃げる事しか能のない魔女に何を警戒しているんだか…)

周りに人がいない事を確認して叫んだ。

「おーい、魔女さーん。出ておいでー。」

「ゲゲー!デてきたぞ!」

トカゲ魔女が出てきた。

しかし、何かおかしい。

友知は言った。

「意外といさぎよいね…あれ、昨日と鳴き声が違うね?それにその尻尾…昨日、切り捨てたから無理やり他の動物のを移植したの?」

見ると、トカゲ魔女の尻尾だけが赤い色になっていて、アンバランスな姿になっていた。

「ゲゲー!女医サマにサイカイゾウしてイタダいたのだ!キサマをタオすためにな!」

友知は言った。

「へー、それは楽しみ…じゃあ、リベンジのために昨日と同じ男の娘モードで行こうか?」

そして胸の十字架を握り

「ドレスアップ!ドラゴンヴァルキリャー!」

と叫び、昨日と同じ黄と緑の姿になった。

「聖女!ドラゴンヴァルキリー!!ダブルドレス!!!」

決めゼリフを言ってから友知は聞いた。

「それで?今度はボクにどんな逃げ方を見せてくれるのかな?」

「ゲゲー!ニげるヒツヨウはない!おマエがシぬんだからな!!」

そう言うとトカゲ魔女は自分の尻尾をぶち抜いた。

「ゲゲー!トカゲ魔法!ブンシンサッポウ!!」

トカゲ魔女の姿が2つ、4つ、8つ…と増えて行く。

友知が思わず叫ぶ。

「それは魔法じゃなくて忍法でしょうが!」

「ゲゲー!どれがホンモノかワかるかな?」

「そんなのカンよ!ていっ!!」

友知が適当に手前のトカゲ魔女を切る。

切ったトカゲ魔女は爆発して友知の体を吹き飛ばした。

「ゲゲー!ブーハズれ!!」

友知はいらいらしながら髪をクシャクシャと掻いて言った。

「あーもう!だったら全部吹っ飛ばす!!」

友知はカミナリを剣先に落とし電撃を全てのトカゲ魔女にぶつける…はずであった。

1体目に電撃が通った瞬間に爆発し友知を動けなくするので連続して攻撃するのが不可能であった。

「ゲゲー!ずるはダメだぞ!」

「ああ、もう!」

友知は再びいらいらし始めた。

「ねっ、落ちつけ夜葉寺院!」

そこでコーチの声が後ろから聞こえてきた。

驚く友知が言った。

「コーチ!危ないですよ!!」

「ねっ、危ないのはお前だろう!それよりも相手をよく見ろ!!こういう時は影がないのが分身だ!!」

友知はそのコーチの言葉を受けて相手をよく見てから言った。

「駄目ですコーチ!全部影がありません!!」

「ならば見るな!目を閉じて気配を感じるねっ!!」

友知は静かに目を閉じた。

「ゲゲー!そんなマンガみたいなコトがデキるわけないだろう!!」

笑うトカゲ魔女を無視して、友知は一番奥にいるトカゲ魔女の目の前に移動した。

そして剣を

地面に刺した。

「ゲゲー!?」

地面の中からトカゲ魔女が飛び出してくる。

友知は目を開けて言った。

「大したインチキゲームだったね…目を閉じたらよーく聞こえてきたよ。アンタが地面を這う音が!!」

トカゲ魔女が再び逃げようとした。

友知はカミナリを剣先に落とし、トカゲ魔女に電撃をぶつける。

「ゲゲー!フタタびシッポギリでニげてくれるわぁ!」

その言葉に友知はふっと笑いながら言った。

「あっごめん。この姿だと植物をカミナリに擬態させる事ができるんだ。だからそれはね…」

ぶつけられたカミナリ…だと思われた黄色い植物がトカゲ魔女を締めあげる。

「ゲゲー!」

締めあげられ、トカゲ魔女は爆散した。

友知は変身を解き、コーチのところに駆け寄って言った。

「どうですか、コーチ!今度は逃がしませんでしたよ!!しかも植物を擬態させたこの戦略…」

コーチは目をそらしながら言った。

「ねっ、言いにくいんだがな夜葉寺院…」

「?」

「もう、あいつ尻尾ないからあの魔法使えなかったんじゃないか?別に普通の電撃でも…」

「!ぶー!!」

ふくれっ面をする友知をハハハと笑いながら頭を撫でるコーチであった。



ゴリラ魔女に呼び出された友知。

ドラゴンヴァルキリーにドレスアップして戦うが突然頭を抱えて倒れこむ。

あの、メロディは何なのか?


「そうだ!今こそ私の最高傑作、魔女ドラゴンヴァルキリーの復活だぁ!」



次回 第二十話  「地獄から響く曲」


見よ、新たなる聖女の戦いを!!

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