本音
ショートストーリーを書こうと思ったら詩みたいなエッセイになってしまいました。
こうなりたい、そんな想いで書き連ねました
人生の師匠を見つけた
私にはない。
他人から見たら非常識・無遠慮の塊みたいな人間。
私も最初は同じ感想を抱いていた。
「何を考えてるか分からない」
「同じ人間とは思えない」
「あんな風にならないよう頑張ろう」
これが世間一般。
これが普通。
これが当たり前。
居心地の良いように感じた。
大多数。
過半数。
民主的。
皆が味方。
ルール秩序公平マナー。
誰かを批判。私たちが常識。
一人を貶めるたびに皆の仲間になれた気がした。
そんなときにある一人の男に出会った。
最初はいつものように皆で蔑んでいた。
「カッコ悪い」「意味がない」「恥ずかしくないのか」「恥をしれ」
男はただ笑った。
周りの視線批判など知ったこっちゃない、とでも言うように。
私は胸にトゲが刺さったような気がした、
痛くはない、
ただ私の心に小さな隙間が生まれたような気がした、
なぜ私はこの男を批判しているのだろうか、
したいことをしてるだけのをなぜさげすんでいるのだろうか、
ひはんできるほどのにんげんなのか、わたしは、
私は二人きりになったとき男に聞いた、
なぜ止めないのか、
周りがこんなに批難しているのに、なぜやるのか
男は笑いながら言う
本当にやりたいことを見つけたから
心配されようが批判してこようが、俺は止めるつもりはない
そんなんで止めてしまう事なら、俺にとってのそれは大したことないこと
またチクリと刺さった、
男が言った言葉にも、
(お前はやりたいことがないのか)
と自分の心が囁いてきたような言葉にも、
皆のもとに戻った。
あの男を批判していた。
いつものように。変わらず。
私は戻りきれてなかったみたいだ、
男を批判できずにいるどころか、皆の言うことに納得できずにいた、
初めてのことだ、
情けなく見えた
皆にも、自分にも
一本抜けた気がした
私は聞いてみた
わたしはなにをしたい
私は答えた
自信を持ちたい
皆のもとにいるという安心・自信ではなく
確固とした自信を
誇りを見つけたかった
あくびをした
籠もった空気が
わだかまりのような重い空気が
膨らんだ風船に爪楊枝を刺して抜いたみたいにゆっくりと抜けていくのを感じた
皆は周りは私を非常識扱いするようになった
壊れた 前からそんな気はしてた 意味が分からない
私はすぐに非常識な人になった
ずっとそうであったかのように
だけど私は清々しかった
膨らんでいた重々しい風船も今では小さくなっていたが、確かに私の風船だった
私はもうあの男に会うことはなかった
会っても言うことはなかった
私の風船の中には今でもこれからもあの男がいるだろう
絶対に
句読点などトゲを意識して書いてみました
しがらみという名のトゲが徐々に抜けきっていく私を感じ取ってもらえたらとても嬉しいです