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06 激動の前の日

「ご馳走様でした。」

「ご馳走様でした。」


 私が夕飯に作ったカレーライスを食べ終わり、茉白と一緒に食器を洗う。


 2人で話し合った結果、茉白は、今後人間に扮して生活することになった。そのため私は、茉白に人間の生活リズムを教えている最中である。


「えっと、私は次は何をしたらいいのかな?」


 茉白が塗れた手をハンドタオルで拭きながら私を見る。


 流石にスマホ触りながらソファでゴロゴロしてるなんて言えないな。


「そうだな、風呂……とかかなぁ。」

「それは、何をするんだ?」

「身体を綺麗にする作業……かな。」

「なるほど。では、早速取り掛かろう。まずは……なんだ?」

「風呂場に案内するね。」


 私は、リビングを抜け、廊下を通り、洗面所の引き戸を開ける。


「ここで服を脱いで、浴室に入るんだけど、今茉白が着てるのって服であってる?着脱するタイプ?光の粒子みたいになって消えるタイプ?」

「光の粒子になるタイプだ。」

「じゃあ、私の服を貸すよ。」

「ありがとう。初めてだから勝手が分からないな。」

「…………じゃあ、一緒に入ろっか!」


 このチャンス逃す訳にはいかない!たとえ同性だとしても、こんな美女の裸体を拝むことはこの先無いかもしれない。楽園(エデン)へ、いざ行かん。


「それは助かる。一緒に入ろうか。」

「っしゃぁ!!!」

「え、どうした?」

「あ、気にしないで。」


 危ねぇ、心の声が漏れてた。心頭滅却、心頭滅却。

おっと、ここから先は見せられないよ。


◇◆◇


 正直に言わせてもらうと、最高でした。てか、神々しすぎて直視できませんでした。ドライヤーで茉白の髪を乾かしながら、必死に記憶を反芻させる。


「敵ってどんな奴が来るの?1人だけ?」

「詳しいことは分からないけど、一人ではない……なんなら人でもない。」

「えー、でも、そんなの見たことないけどな。」

「それは透香ちゃんが私の姿を見たことが無いのと一緒だよ。上層部は知ってるんじゃないかな。ただ、戦乙女と同じ扱いをしてるんだろうけど。」

「次にその敵が来るタイミングとかって分かったりするの?」

「魔素が濃い感じがしたら要注意だね。」

「了解しました!」

「なんでかしこまってるの?」


◇◆◇


「茉白ちゃんはこの部屋を使って。」

「いいの?かなり広い部屋だけど。」


 私は両親の使っていた部屋を案内した。茉白ちゃんと同棲するなんて両親に伝えてないけど、大丈夫でしょ。


「お言葉に甘えさせてもらおうかな。じゃ、おやすみ。それとありがとう。」

「うん、おやすみ。また明日ね。」


 感謝してるのは私の方だよ。

 後で茉白ちゃんのネームプレートでも作ろうかな。


◇◆◇


「こんな事になるなんて。」


 今日一日のことを振り返ってそんなことを思う。けど良かった。久し振りに楽しいと思えた。


 明日からは、周りに茉白ちゃんの事がバレないように生活しながら敵の襲撃に備えておかなきゃな。敵の実力が分からない以上油断は出来ない。けど、私に出来ることって何なんだろう。


 これからの激動の日々を想像しながら今日は早めに目を閉じた。

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