00.プロローグ チャンネル④
―――――私は、失敗してしまった。
火刑台の上。
丸太に巻きつけられた私の体。
周りには、斧と剣を持った800人以上の兵士たち。
私の行いは、間違いだったのだろうか。
否、それは違う。
ここにあなたがいないこと、それが全ては正しかったのだと、示している。
間違ってなど、いないのだ。きっと、きっと間違ってなど――――――。
「ああ、苦しい」
どうして、こんなに苦しいのだろう。
天を仰ぎ、胸の前で両手を握りしめた。神に救いを乞うように。
「うっ、ひっ……」
鼻を啜り、涙を流す。私の行いが正しかったというのなら、どうして私はここにいる?
「ああ、悔しい」
こんなことになるのなら、私は復讐などしなかった。私が欲しかったのは、この国ではない。
あなた、だ。
「あなたが隣にいてくれれば、それだけでよかった。あなたと共にある未来が欲しかった。もっと早くに知っていれば、もっと早くに気付いていれば――――――――」
今、ここにあるのは後悔だけ。
「――――、ジャンヌ」
震えた声で、あなたの名前を呼ぶ。呼べば、姿を現すような気がして。
しかし、そんなことはありえない。あなたはすでに、死んでいる。
松明を持った兵士が、言う。
『人々を虐殺し、使役し、恐怖に陥れた異端の女! ジャンヌダルク二世よ! その身を持って、自らの罪を償うがいい!』
ああ、もう時間はない。何もかもが遅すぎた。
だけど。
今なら、素直にいえる気がした。
「私は、あなたを―――――――――」
言葉は、それ以上続かない。何もかもが、もう遅い。
赤い炎が、私を包みこむ。
単なる「ピね!」「○ソ!」等でなければ、アドバイス、応援コメントどっしんどっしんお待ちしております!
初めて書いた小説なので、拙いところもあったと思いますが最後まで読んでいただけたならうれしいです!