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さて、なにをしよう。試作

特に深い意味は無いですね。

これはそこらの一般民が書く小説と呼ぶにもおこがましい陳列された文字だ。

健全な人間の静かな妄想劇によければお付き合い下さい。

さて、そこに美しい鳥がいたとしよう。

この世に二羽いるかいないかの美しさだとして、あなたならその鳥をどうしたいと思うか。

写真におさめるか。鳥かごに捕らえるか。はたまた、ついてまわるか。

ある男は思った。

この鳥が余りの美しさ、珍しさから体、さらに言えば命を狙われたらどうしよう。

男は餌を与えてみることにした。

男が手のひらから与えても鳥は見向きもしない、男はどこかほっとした。

そこで男は餌を近くに置いておくことにした。

それでも、鳥は見向きもしない、男はがっかりした。

その様子を見て、男は思った。

素晴らしい笛の演奏家が鳥に一曲披露したら、きっと鳥は餌など無くともその音色を追ってしまうだろう。

男はただ、辛かった。

男は少し離れたところで声を出した。

男の声は美しい声とは程遠いものだった。

男は消えてしまいたくなった。

さらに男は自分の服を見た。

お金に余裕はなく、薄汚れた服だった。

男は自身の存在を忘れたくなった。

男は悩んだ。

これでは、鳥に振り向いてなど貰えない、仮に振り向いたとしても私がそれを許さない。

綺麗なものの隣をこのような者が並んでは、鳥も空を飛べなくなってしまう。

男は諦めることだけを考えた。

男の心にはぽっかりと穴が空いていた。

男は家でも、鳥の美しい羽を忘れられずにいた。

羽と同じ色の家具を見つけては数分と、鳥を思った。

男は考えるのをやめた。

また、鳥を見に行った。鳥はいなかった。男はがっかりして家に帰ろうとしたが、

そこに、一羽の鳥が姿を現した。

あの鳥だ。男は一目で体を持ち上げ、置いていかれそうな体が転げ落ちそうになった。

鳥を見る度に男は苦しくなった。しかし、その美しさからは目を離せない。

男は辛かった。苦しかった。

自分がもっと素晴らしければ、どんなによかっただろう。

いつもそこに鎮座している鳥に眠れない夜の布団のような眼差しをおくり、小一時間眺めていた。

限りある時間の中でその美しさに出会えた、出会ってしまった男。

彼は、幸せだろうか。

寝る。

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