右半身はヒロインだけど左半身は悪役令嬢⁉️
悪魔アモンを怒らせたら魔法を受けて、右半身はヒロインだけど左半身は悪役令嬢⁉️
これ!どうすんの?
ここはヨーロッパ系の国シティ王国。
ここに住む小さい領主の令嬢でヒロインの14歳のエリカは金髪の美少女で心優しい。正しく中身は聖女と呼ぶに相応しい。利き手は右利きである。
そんなエリカは領主の娘だが、上役の伯爵令嬢つまり一般的に言われます悪役令嬢の同じく14歳のマリアの世話役を任されている。
このマリアはまあ、見た目ロングヘアーの黒髪で美しさと名前のマリアとは逆にどうにも傲慢で気性が荒くエリカとは正反対の性格である。
そんなマリアの趣味はコイントス。銀色のコインにナイフで傷を付けたほうを裏面として何かある時は右利きだが左手でコイントスをして占う。
今日は園遊会の日。
「はぁ、最近は退屈してるわ。」
刺激を求めたマリアは検討に検討を重ねました所ですねコイントスをする事にした。
「コインが表ならあの森に入る。コインが裏なら入らない」
コインは表だった。
侍女と兵士らが騒々しい。
「どうかなされました?」世話役のエリカが問う
「それが、エリカ様がどこにもおられないのです」
侍女が答える。皆で探せど名前を呼べどマリアの姿は無い。
「多分、悪魔の森に行かれたのかと❗」
「あの森の沼には悪魔が出ると言うぞ」
「(悪魔アモン様?)では私が言って参ります。私、この森の事は熟知しておりますので」誰止めるのも待たずエリカは森に入っていった。
「醜い化け物、あっち行きなさい❗」
「醜い化け物?あなた失礼な人だな。私はただ水を飲んでいただけだけど」
沼では恐慌状態のマリアが四つ足に尻尾のメガネザルとも言うべき悪魔アモンを怒らせていた。
「お助けください。アモン様」エリカが駆け付け仲裁する。何とかこの場を仲裁せねば。
小さい頃に母親から聞いた話ではアモンは怒らせなければ温厚でさらに見た目を褒めれば願いを一つ叶えてくれるとも言う伝承を聞いていたからだ。
「ご令嬢それは難しい、それは難しい。そちらのご令嬢は私を侮辱した。何か制裁したい」
「では、私に出来る事なら何でも致します」
「あんた、何言ってんの早く逃げるわよ」
エリカが口を挟む。
「ふむ。そちらのお嬢様はあなたから学ぶ必要があるね。そしてお嬢様、あなたは出来る事ならなんでもすると言った。じゃあこうしよう」
アモンの目が黄緑色に光る。
「半年後にこの沼にお出で。都合で遅れてもいいから。あなた方が約束を守るなら私も約束は必ず守る」
そう言い残すとアモンは歩いて森の奥へと去って言った。
残されたエリカ&マリアは一つのため息をつく。
その姿は右半身がエリカで左半身がマリアという二人で1人の令嬢になっていた・・・。