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ありがとうまぁ兄…また逢おうね  作者: REN
第四章 事件
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第二十一話 愛する気持ち


翌朝

恋が目覚めると、まぁやんはいなかった。

「ん、あれ?まぁ兄?」

恋が部屋を出ると、他の5人はみんな起きていた。

「恋、おはよぉ」

「恋ちゃんねぼうー」

「遅いぞ!恋」

「ごめんごめん!ちょっと寝付けなくて。顔洗ってくるね」

恋は顔を洗って身だしなみを整えた。

「お待たせ!」

その後みんなで朝ごはんを食べて、恋以外の5人は龍弥が送ってくれることになった。

(えぇ!龍弥さんと喋れるかも!)

美紀はトキメいた!

「ねぇ、わたし助手席でいい?」

「美紀ぃ~。あんたもしかして…」

「な、なんのことよ!私はただ…」

「おーい!行くぞ~!早くしろぉ~」

龍弥がみんなを呼んでいる。

「後で詳しく聞かせなさいよ」

「う~…」

そう言って美紀は龍弥が運転するワゴン車の助手席に座った。

「ん?後ろじゃなくていいのか?」

龍弥は助手席に座った美紀に問いかけた。

「はい!ここがいいんです!視界が広いし…あと…」

「ふぅ~ん。そっか。まぁいいや」

美紀は運転する龍弥の横顔をマジマジと見てた。

(やっぱりカッコいい!龍弥さん…)

「…なんだよ?何か視線感じるな…」

「あっ…いや…その…龍弥さんって、独身ですか?」

「あぁ。そだよ」

「お仕事って何やられてるんですか?」

「建築士だよ。A市で設計事務所に勤めてるよ」

「そうですかー!カッコいいですね」

「建築士がか?そうなのかな」

(もうやばい!こんな恋したの初めて…)

美紀の頭の中はお花畑になっていた。

「龍弥さん、昨日はほんとありがとうございます。助けに来てくれて嬉しかったです」

「いやいや全然気にするな。それより傷は大丈夫か?」

「大丈夫です」

「これに懲りて、もう悪さするなよ?ちゃんと勉強して、他の奴ら見返してやれよ」

「はい!」

「やっぱり、はいって言ってくれる子は可愛いな」

そう言って龍弥は美紀の頭を撫でた。

その時美紀は…キュン死した…


その頃恋は、康二がくるのを待っていた。

(ちゃんとお兄ちゃんに謝らないと)

関口さんが恋に紅茶を淹れてくれた。

「はい。どうぞ。康二さん遅いね」

「ありがとう。佳奈さん。大丈夫。待ってる」

「ねぇ恋ちゃん。これからの事考えようか」

「これからの事?」

「うん…恋ちゃん今高校2年生でしょ?そろそろ進路というか、将来何になりたいのかを決めないとね」

「進路かぁ」

「あと3年で、恋ちゃんもここを巣立っていくかもしれないんだし。わたしはずっといて欲しいけど、そうもいかないからさ」

「なりたい自分…なんか全然考えていなかった。勉強もしてなかったし、これから行動して間に合うのかな?」

「大丈夫!間に合う!勉強なら任せて!私が教えてあげるから!」

「佳奈さん…勉強できるの?」

「まぁ!失礼ね!こう見えてもわたし、高校の教員免許持ってるんだよ」

「うそー!どうして教師にならなかったの?」

「ちょっと違うの…教師を辞めたの…」

関口さんはちょっと悲しそうな顔をした。それを察した恋は深くまで聞かなかった。

『こんにちは~』

康二が学園に到着した。

「来たよ。恋ちゃん。さぁ!」

恋は関口さんに連れ添ってもらい、康二の元に向かった。

「康二くん…恋ちゃん、無事だったよ」

恋は康二の前に立った。

「お兄ちゃん…ごめんなさい」

『パシーン!』

康二は恋の左頬を張った。

そしてすぐに恋を抱きしめた。

「バカ!お前…何やってたんだ!ほんと…」

康二は恋を抱きしめながら号泣した。

「お兄ちゃん。ごめんなさい!わたし…わたし…」

恋も一緒になって号泣した。

「恋、お前にもしもの事があったら…俺は…」

「もう絶対どこにも行かない!だから…お兄ちゃん…」

その光景を見ていた関口さんも涙が止まらなかった。

(やっぱり兄妹っていいなぁ)


ひとしきり泣いたところで、3人は談話スペースで話しをした。

「お兄ちゃん、この間殴られたところは大丈夫?」

「あぁ!大丈夫だ。ほんとはさぁ、あいつらを暴行罪で告訴してやろうと思ったんだが…やめた!」

「どうして?」

「実はな、まぁやんに言われたんだ。あいつらを訴えるのはやめてくれって」

「まぁ兄が?」

「あぁ、あいつ『俺がケリつけるから、お前はひいてくれ』ってな」

「そうだったんだ…」

「それで?恋はこれから先どうするんだ?」

「さっきね、佳奈さんともその話してたの。わたし、勉強頑張る!まだ何になりたいとかは考えられないけど、大学に進学したいと思ってる」

「そっか…こっからやり直すぞ!」

「うん!」

「ところでまぁやん、遅いな…」

「まぁ兄はどこに行ったの?」

「うん…最後のケリつけるからって言って出てったんだ」


まぁやんはあの倉庫跡にいた。

恋たちが監禁されていたところに行くと、城田と澤達がいた。

「よう!お前ら!」

「あ!あなたは…まだ何か用ですか…」

「なーにしょぼくれてんだよ!だらしねーな」

「…」

「城田さんよ…柏木とケリついたから…もうこれで終わりだ。お前らからケジメ取ることは何もない。そうだろ?雷斗?」

まぁやんの後ろから雷斗が姿を現した。

「か…若頭!」

「城田ぁ。おめぇクスリなんかに手を出しやがって」

「……」

「本来なら破門だけどな…今回だけは不問にしてやる」

「え?」

「え?じゃねぇよ!まぁやんに感謝しろよ」

「あ…ありがとうございます!」

「それから!そこにいるガキども!」

『はい!』

「テメェらも、本当ならコンクリ漬けにして海に沈めるところだけどよぉ!二度と弱い立場のやつらに手ェ出さないで、しっかり男を磨くんなら、面倒見てやる!どうするんだ?あぁ!」

『はい!すみませんでした!よろしくお願いします』

「まぁやん、これでいいか?」

「サンキュー!雷斗」

まぁやんは雷斗の肩をポンっと叩いた。

「オメェら!今一度まぁやんに対して、礼をしろ!」

『はい!ありがとうございます!まぁやんさん!」

「やめろよ…雷斗…」

「くくくく…」

「あはははは…」

まぁやんと雷斗は倉庫跡を立ち去った。

「ところで恋ちゃん、大丈夫か?」

「大丈夫!あいつは強いから」

「そっか。よかった」

「それよりもよ、あの時学園にあいつらが来たんだよ。恋を探しに。そん時に苑香さんが助けてくれたんだ」

「苑香が?」

「礼を言っといてくれ」

「わかった!学園まで送るよ。恋ちゃんの顔も久しぶりに見たいし」

「サンキュー」


「ただいまー」

「お邪魔します」

まぁやんと雷斗が学園戻ってきた。

「まぁ兄!おかえりなさい」

「恋、康二とは話済んだか?」

「うん!まぁ兄、一緒にいてやるって言ってたのに」

「あっ!悪い!忘れてた!」

「んもう!」

そして雷斗が恋に頭を下げた。

「恋ちゃん、今回はうちの者が酷いことをして。申し訳ない!」

「雷斗さん!頭あげてください!悪いのはわたしなんですから」

「いや…でも…」

「わたしは大丈夫!いい人生勉強になったと思えば」

「恋ちゃん…強いな…」

「えへへ…」

康二も奥から顔を出した。

「雷斗さん、ほんと大丈夫です。気にしないでください」

「康二さんまで…ありがとう」

「よし!今回の件はこれで終い!」

まぁやんが手を叩いてみんなに言った。

みんなに笑顔が戻った。

「じゃあ俺、帰るわ!俺みたいなのいると、康二さん体裁わるいでしょ?」

「あ…いや…全然」

「はははは!冗談!じゃあまたな!」

「おう!雷斗、元気でな!」

雷斗は車に乗り込み、帰っていった。

「さぁーてっと!俺は寝るかな」

まぁやんはほとんど寝ていなかった。

「じゃあわたしが子守唄歌ってあげる!」

「いらんよ。ガキじゃあるまいし」

「うふふふふ」

「その笑い方気持ち悪いからやめろ」

ちょっとした行き違いから、大きな事件にまで発展した今回の一件。

まぁやんはこれから自分のことだけではなく、家族の事もちゃんと考えていかないとと、改めて思った。

そして恋には、まぁやんに対して特別な感情が生まれた。

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