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麻美姉の心情の変化

『土曜日デート宜しくね』


(デートねぇ。一体何するのやら)

 僕は風呂に入りながら考えた。部屋に戻るとまだ由美がいた。


「由美もう21時回っているぞ。早く帰らないと」

「泊まるってパパに言っちゃった」

「え!?」

「もうパジャマも持ってきたから風呂に入ってくるね」


(あのクソ親父……)

 僕は困ってため息を吐きながらベッドに横たわり、しばらく漫画を読んでいると、下から自転車の音が聞こえた。

 なんだと思った時には、下からピンポーンとなった。

 下からがやがやと声が聞こえてきて、階段を駆け上がる音がする。

 ドアをノックもせず美海と麻美姉が入ってきた。


「ちょっとどういうことよ?」

「そうよ要ちゃん。一体どういうこと?」

「な、なんでお前達まで?」

「由美は、由美はどこにいるの!?」

「今風呂だが」

「ちっ、準備万端ね」

「おいおい一体何の話……」

「由美がここに泊まるという話よ」

「あぁ、そのことか」

「どうして許したのよ!?」

「そうよ。由美だけ要ちゃんと一緒に寝てズルイじゃない」

「いやいや、勝手に菊地の親父さんに連絡してたみたいだから知らなかったんだって!!」

「もう」

「困った妹ね」


 二人はそう言いながら憤慨していた。

 そう話をしていると、気持ちよさそうな顔で部屋に入ってきた。


「気持ちよか……お姉ちゃん達来てたの?? どうしたの?」

「どうしたもこうしたもないわ! ほら帰りましょう」

「やだ。もうパジャマに着替えちゃった」

「そ。そういう手段に出るんだったらこっちにも考えがあるわ」

「何よ?」

「私達も泊まるわ!!」

「えっ、ちょっとパパに言ったの!?」

「良いって言ったわ」


(全くあの親父は……。少しは僕のこと考えてくれ)

 そして二人もサッサと風呂に入り部屋に来た。


「ちよっと姉さん! それネグリジェじゃない!」

「そうよ悪い?」


(エロッ!)

 僕はかなり興奮した。

(けどこのベッドに4人寝れるかな? まだ4月だ。まだ夜は少し肌寒い)


 ぎゅうぎゅうにして3人がやっと横になれる状態だ。

(狭い当たる狭い当たる狭い当たるーっ)


「ちょっと、何硬くしてんのよ変態!」

「仕方ないだろ? 生理現象だ!」


 やはり無理と分かったのでベッドの横に布団を用意し、グーとパーで分かれた。

 そしたら麻美姉と寝ることになり、美海と由美は不満そうな顔をしていた。

 麻美姉と布団を被って寝るも、三人の中で一番大きい体だからベッドから落ちないように密着度が増える。一応身長は僕の方が少し大きいくらいである。

 薄い布を着ているから直接彼女の熱が伝わって来る。

(柔らかい体だ)

 手を動かすと彼女の体に触ってしまう。


「ふふ。くすぐったいわ要ちゃん」


 彼女の息遣い、体温が伝わり、ムチムチッとした体にかなり興奮する。

(眠れね~)


「あら、こんなに大きくして駄目じゃない」


 麻美姉はにやにやしながら言う。

(大人だ。大人の余裕を感じる)

 僕はドギマギしながら、これじゃあ寝れないと思ってスマホで気分転換をした。


 翌朝。変な声が聞こえて、7:00に目が覚めた。

なかなか寝付けれなかったのに、早く起きてしまったせいで寝不足だ。

(こんなの毎日続いたら体が持たないな)

 手や脚を動かす事にむにむにする感触がある。

(ん? なんだ?)

 触るごとにふー、ふーと生暖かい空気の流れを胸元から感じる。


「……ん」


(何か荒いな)

 下を見ると、麻美姉が僕の胸の辺りに頭を寄せていた。

 手や脚が彼女に当たっているいることが分かり離した。


「あ、ごめん。麻美姉大丈夫か?」


 彼女の顔は赤く染め上げ、息を荒立て、目はうるうるしていた。


「えっ、どうした??」


 彼女は小さい声で大丈夫と言った後、体を反対側に向けた。

(なんだ?)

 僕はもう寝付けれなかったので、スマホをいじり、皆が目を覚ますのを待った。


「おはよ……」

「おはよー」


 美海はぶすっと起き、由美はいつものように吞気に起きた。


「麻美姉朝だぞ」

「うん……、起きる……から先に行ってて……」


 僕達は首を傾げながら、そのままダイニングに向かった。

 しばらくして制服に着替えて麻美姉が降りてきた。顔は無の表情になっていた。

 そして皆でご飯を食べ登校する。


「行ってきまーす」

「はいはい」

「いってらっしゃい……」


 由美は中学校へ僕達は高校へと向かった。

 麻美姉がやけに静かだ。いつものようにグイグイ来ない。

 というか歩き方が変だ。かなり内股で足を地面に擦りながら歩いている。


「麻美姉?」


 彼女はかなり体をビクつかして反応した。


「大丈夫?」

「う、うん大丈夫……」


(どうかしたのかな?)

 彼女の様子がおかしい、というかなんか艶めかしい。


「あんた何かしたんじゃないの?」


 不機嫌な感じで美海は僕をじろじろと見てくる。


「まさか、普通に寝ただけだよ」

「……そうよ。要ちゃんは駄目なことはしてないわ。そう何も……」


 何か意味深な物言いをする麻美姉。

 そして動かす仕草一つ一つがエロい。


「本当に? けど朝から姉さん変じゃなかった?」

「熱でもあるんじゃないのか?」


 僕は彼女の額に手をやると、頬をさらに赤く染め上げる。


(なんだなんだ?? まぁ、熱はないようだけど……。何か様子がおかしい)


「だ、大丈夫よ! 心配はしないで」

「本当?」

「ええ、本当よ」


 とは言っても口に指を押さえ、なんかモゾモゾして歩く麻美姉。

 ふん! と言って顔をぷいっとする美海。

(女心はよく分からんな……) 

最後まで読んで頂きありがとう御座います。

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