第九十四話 拒絶する者 ―"It isn't understood."―
『なぜ私の力に頼らなかったの?』
――うるさい。
『私の力を使えば、あんな鉄人形にやられずに済んだはずよね?』
――知らねぇよ。僕は僕の力だけで勝つのさ。
『でも勝てなかったじゃない。あなたの力では不足していたことは、結果が証明してるわ』
――黙れよ、クソ女。お前なんか嫌いだ。
『私は好きなのに。これだけ思ってるのに。だからこそ力を与えようっていうのに』
――うるせえ、お前なんか要らない。お前がいるから、僕は辛くなるんだ。自分が自分じゃなくなるみたいで、怖いんだよ。
『怖くなんかないわ。私に委ねてしまえばいいのよ。そうすれば、怖れなんて麻痺していく……』
「――うるさい、うるさい、うるさいうるさいうるさいッ!! お前なんか――」
がばっと上体を起こし、赤髪の少年は叫んだ。
場所は『学園』の保健室。レイとの試合のあと気を失ってしまった彼はキョウジらの手によってここに運ばれ、それから丸一日寝込んでいたのだ。
「来栖くん!? どうしたの、そんな大声を上げて」
「うるせーババア、水持って来い!」
睨みつけてくるハルの言葉遣いを、養護教諭の沢咲アズサは注意できなかった。
何故なら、少年の目が赤く腫れていたから。
まるで何かに怯えているかのようなその目を見て、アズサは思わず彼の手を取っていた。
「何があったの?」
「何もねえよ。水、早く」
ハルの声は震えていた。
すぐに部屋の隅の冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを持ってきたアズサはそれを手渡し、「他に欲しいものはある?」と訊ねる。
水を一口含み、赤髪の少年は先ほどよりかは落ち着いた声で、ぶっきらぼうに言った。
「……飯。あと、ナツキ呼んでこい」
*
ハルに織部ナツキと一対一で話したいと言われ、他に保健室で預かっている生徒もいなかったアズサは席を外した。
保健室前の自販機でブラックコーヒーを買い、壁にもたれかかってチビチビと飲む。
訓練が終わってまだ時間が経っていないこともあり、すぐ近くの生徒用玄関に人の出入りは少ない。
一人、舌の上に染み渡る苦味を感じながら、彼女は溜め息を吐いた。
【異形】との戦闘で恐怖を感じ、PTSDやそれに準ずる症状が出る生徒はいる。
だが、来栖ハルという少年に関してはそうではないという気がした。軍医時代から今まで傷ついた者の表情を数多く見てきた彼女の経験則からなる直感が、そう訴えている。
「沢咲先生、お疲れ様です」
「あら、矢神先生。お疲れ様です」
担任としてハルの様子を見に来たのだろう、キョウジは保健室の引き戸の覗き窓から中を窺おうとした。
そんな男の腕を引き、アズサは咄嗟に飲みかけのコーヒーを彼に押し付ける。
「さ、沢咲先生?」
「……えっ? あ、あの、これは……も、もし嫌でしたら、すみません」
「いや、構いませんよ。いただきます」
そう言って缶コーヒーに口をつけるキョウジを正面から見られずに、アズサは耳まで真っ赤にして俯いた。
ハルとナツキが話している邪魔をさせないように呼び止めようとしただけで、彼女には別にそういう意図はなかった。それなのに、身体が勝手に動いてしまっていたのだ。
毎日のように職員室でコーヒーの差し入れをしていたのは、ひとえに月居司令や早乙女博士の子息を預かる大役を担う彼を気遣ってのこと。そうであった、はずだった。
「すみません……私なんか、司令と比べたら全然綺麗じゃないし、見た目も年の割に老けてるし、ちょっとお節介なところもありますし……あなたの好みでは、ないですよね」
「そんな言葉、あなたには似合いませんよ」
囁き、少し飲んだコーヒーを返すキョウジ。
アズサは残り半分を切ったそれを一口含み、それからまた彼に手渡す。
「……目覚めた来栖ハルくんの様子は、切羽詰まったような感じで……私、ちょっと気になるんです。戦闘によるPTSD等とは、どうにも思えなくて。矢神先生、彼の中学までのデータ、見せてもらえませんか?」
あのハルの恐れを孕んだ絶叫は、何か強いトラウマがフラッシュバックしてしまったようにアズサには捉えられた。
彼のこれまでの家庭環境や学校を含めた生活の中に、その原因があるのではないか――アズサはそう推測する。
しかし、普段なら生徒についてのデータ共有を快諾してくれるキョウジは、何故だか首を横に振った。
アズサがその理由を訊ねると、彼は大層困りきった口調で頭を掻く。
「それが……『抹消』されているんですよ。彼を含める四人の『使徒』の経歴が。学園のデータベースにアクセスして復元を試みたのですが、ダメでした。どうも、『レジスタンス』のネットワーク管理部の誰かさんに妨害プログラムを組まれてしまったようでね。組織は一体何を考えているんだか……」
「抹消って……でも、戸籍とかは? そこからなら、何か辿れるかも……」
「俺もそう思って、今日授業のない時間を使って役所に足を運んだんですよ。ですが、部外者である俺に戸籍謄本は見せられないの一点張りでしてね。まあそれがルールと言われりゃそれまでなんだが、元『レジスタンス』SAM開発部部長の肩書きを持ち出しても動じない役人たちの頭の硬さには恐れ入った」
溜め息を吐き、キョウジは空になった缶を自販機脇のゴミ箱へ投げ入れる。
狙いが外れて虚しい音を立てて転がる空き缶を見つめながら、男はポケットから煙草とライターを取り出した。
「一服、いいですかな」
「まぁ、構いませんけど……ちゃんと片付けてくださいよ?」
「分かってますって。『立つ鳥跡を濁さず』が俺のモットーなのでね」
キョウジのそんな台詞に「初めて聞きました」と苦笑いし、アズサはその場にしゃがみ込んだ。それから、言う。
「彼、元B組でしたっけ。彼の担任だった湊先生がいないのは、ちょっと痛手かもしれませんね」
「ええ。まあ、頑張ってみますよ。生徒の問題を解決するのも、我々の役割ですからな」
紫煙と一緒にそんな言葉をこぼし、キョウジは口元に薄らと笑みを浮かべた。
まだ教師生活を一年と少ししか過ごしていない自分が、一丁前に教師の在り方というものを語っている。格好つけていても所詮は長年研究室に閉じこもってばかりの、ロボットマニアでしかないのにも拘らず。
「案外、俺も変わっちまったってことかな」
「えっ?」
「いや、独り言ですよ。気にしないで」
小首を傾げるアズサに彼がそう答えたその時、保健室のドアが開けられて背の高い黒髪の少年が現れる。
眼鏡の下から冷ややかな視線を二人に向けるナツキは、玄関へと歩き出そうとして立ち止まった。
それから首だけをキョウジらに向け、彼は乾いた声で言い放つ。
「矢神先生、我々を嗅ぎまわるのは止めておくべきです。あなたはそこの女と呑気に戯れあっていればいい。あなたが『レジスタンス』から『学園』に移された意味、分かっていないわけではないのでしょう?」
「織部くん――俺はただ、君らのことを思って……!」
生徒の目を真っ直ぐ見つめ、男は拳を固く握って訴えた。
その声を聞いた途端、ナツキの顔つきが変化する。心底軽蔑するような暗い眼差しをキョウジへ注ぎ、少年は唾棄するように言った。
「私たちを思うというのなら、放っておいてください。何も知らない部外者が口を挟んできても、迷惑なだけですから」
キョウジの思いを真正面から拒絶し、ナツキはこの場を去っていった。
その背中を見送ることもできず、男は唇を噛んで俯く。
自分の行動は生徒たちの事情に押し入る、傲慢なものなのではないか。そう思わされずには、いられなかった。
*
午前中に座学の授業を受け、午後には夕方までの訓練に取り組む。
月居カナタを一人残して、「いつもの学園生活」という時間は始動していった。
シバマルとイオリ、リサはかつてカナタやマナカと共に行っていた朝のジョギングや勉強会を再開。レイとユイを新たに誘い、精進に励んでいた。
特にレイは引きこもっていた間に落ちた体力を取り戻すべく、誰よりも張り切っていた。
訓練初日の決闘以降、彼らの胸を沸き立たせるようなイベントはなく、平穏な日々が過ぎていく。
もうすぐGWを迎えようという、四月末。
シバマルたちはその日の訓練を終え、早めの夕食を取ろうと食堂へ来ていた。
「レイ先生も大変だよなー、訓練の後すぐ補習って」
「去年引きこもってたぶんの負債が山のように残ってるんだもんな。俺らがサポートできたらいいんだけど、こればっかりはあいつの問題だし……」
引きこもっていて取得できなかった単位を埋め合わせる救済措置としてレイにもたらされたのが、その補習だった。
彼は毎日のようにキョウジや他の座学担当の教諭の監督のもと、ひとり机に齧りついて課題をこなしている。
「レイさんなら一人でも頑張れると思いますよ。彼はとても努力する人だって、カナタさんが言ってました」
食券を買いながら言うユイに、二人は「だよなー」と返す。
それぞれ夕食をカウンターで受け取った三人は、空いている席を探して食堂を歩きながらのんびりと駄弁った。
「なあユイ、今度のGW、どっか遊びにいかね?」
「なんですか、そーいうお誘いですか? わたし、あなたのこと一応振ってるんですけど」
「ち、違うって! みんなで遊ぼうぜって話。レイ先生とかリサリサとかも誘ってさ!」
「わかってますよ、冗談です、じょーだん。場所とかは考えてあるんですか?」
わざとらしく身を引くユイに慌てて手をぶんぶんと胸の前で振るシバマル。
訊かれて行き先候補を列挙していくシバマルを他所に、イオリは一人で座っている金髪の少女が目に入って足を止めた。
『使徒』に選ばれた一人である、最上フユカという少女だ。
窓辺の席でぼんやりと日が沈みゆく空を眺める彼女の様子は、教室にいる時と変わらない。その変わらなさが妙に気になって、イオリは「なあ」と先を歩くシバマルたちを呼び止めた。
「俺、今日は別のやつと食べるよ」
「おっけー。でも珍しいな、いおりんいつもおれらと一緒じゃん」
「どーいう風の吹き飛ばし? ってやつですね」
「それを言うなら吹き回しだな。とにかく、まあそういう気分ってわけだ。じゃな」
ユイの間違いを訂正しつつ、イオリは窓辺のテーブル席にいるフユカのもとへ足を運んだ。
もともと中心的存在だったカナタがマイペースだったせいか、あまり縛られない付き合いが出来るこのグループがイオリは好きだった。
近づきすぎず、遠すぎず。もしかしたらユイがシバマルからの告白を断ったのも、この関係性を崩したくなかったからではないかと彼は思った。
「なあ、隣、いいかな?」
テーブルにハンバーグ定食を載せたトレーを置きながら、イオリは訊く。
びくんと肩を跳ね上げさせる少女は彼へ警戒の目を向けた。
何かを恐れるように顔を引きつらせるフユカに、イオリは努めて穏やかな口調で言った。
「君が嫌なら無理強いはしないけど、俺、君たちのことが気になるんだ。今度の中間試験では一緒に戦うことになるんだし、ちょっとでも親睦を深めといたほうがいいんじゃないかとも思うから。……どうかな?」
「……わから、ない。ナツキに、聞いて」
膝の上で拳を握り、俯くフユカ。
その回答にイオリは戸惑わずにはいられなかった。
自分のことくらい自分で判断したらどうなのか――そういう言葉が喉元まで出かかるが、何とかこらえる。
「ナツキって、織部ナツキのことだよな? あいつ、今どこいるの?」
「……後からわたしの所に来るって、言ってた」
「じゃあ、来るまでここで待ってるよ。飯冷めちゃうし、周りの席も埋まってきたからここで食うけどごめんな」
そう断って、イオリは箸を手に取って和風ハンバーグ定食を食べ始める。
おろしポン酢のソースがかかった柔らかい肉を箸で一口大に切り分け、肉汁の滲む熱々のそれをご飯と一緒に味わった。
それからサラダ、味噌汁と慌ただしく口に運び、訓練の後の空腹を一気に満たそうというイオリ。
お冷のコップだけを前に席に着いているフユカは、そんな少年を見つめて呟いた。
「……早食い、良くないって、ナツキ言ってた」
「んぐっ……ま、まあそれは分かってるんだけどな。つ、つい……」
食べる手を止めてとりあえず水を飲み、イオリは苦笑する。
フユカは無表情のまま視線を窓の外へ移し、黙り込んだ。
賑わう生徒たちの談笑の声と食器が触れ合うカチャカチャという音だけを聞きながら、少女はただ、暗くなっていく空を見つめていた。
「……空、好きなのか?」
会話の糸口を求め、イオリは最初に思いついた問いを投げかける。
フユカはそこに窓があればいつだって、静かに空を眺めていた。きっと何か思い入れがあるのだろう、そう思って訊ねるイオリに、フユカは顔を向ける。
「……うん、好き。わたしのお友達、あそこから来たの」
常にぼんやりとした無表情だったフユカが、イオリの前では初めて笑みを浮かべた。
目を弓なりに細め、声を弾ませる彼女に、イオリは「そ、そうなのか」と返す。
「そう。空にはお友達がたくさんいるの。あそこが故郷なんだって」
「お友達? ……それって……」
「いつでも会えるわけじゃないけど、そこにいるの。わたしを見守ってくれてるの」
あそこから来た。あそこが故郷。
要領の得ない言葉が幾つかあるが、イオリは彼女の言う「お友達」は天に召された友人なのではないかと推測した。
彼は家族の多くを亡くし、空から――都市の上の地上から――父や兄たちが見守ってくれているのだと信じている。
だから、同じなのではないかと期待した。同じ傷を舐め合える仲間かもしれない人を見つけて、彼は安心した。
これまで気丈に振舞ってきたイオリだが、寮で同室のシバマルが寝静まった後、ひとり涙を流したことは何度もある。同じ『レジスタンス』入隊を目指す者同士でも、家族を殆ど亡くした者はそう多くない。度重なる離別の傷は他の誰とも共有できず、彼は孤独を抱えて生き続けてきた。
「……君も、一人だったのか?」
「ううん。わたしにはナツキがいる。ハルがいる。アキトがいる。だから、お友達に会えなくても寂しくはないの」
「そうか。今いる友達ってほんと、大事だから……大切にしなよ。失ってからでは、何もかも遅いんだ」
日常生活では心の底に押し込めていた傷が、また開いた。
陰りを帯びた少年の顔を見つめ、フユカは首を傾げる。
二人の視線の先は、それぞれ別のところにあった。しかしイオリは気づかない。フユカも彼の言うことがいまいち理解できないまま、ぼうっと話を聞いていた。
と、そこで。
「フユカ、待たせたな。……お前は?」
二人分の弁当を入れたレジ袋を提げてやって来たのは、黒髪に眼鏡の少年。
胡乱げな目で見下ろしてくるナツキに対し、イオリは素直に名乗った。
「七瀬イオリ。お前らと同じ二年A組だよ」
「そうか。失礼、同僚の名前を把握していなかったのは私の落ち度だ」
「いや、別に気にしてないよ。というか、同僚っていうのも堅苦しいしやめようぜ。良かったら仲良くして――」
そこまで言いかけて、イオリは眼鏡の底から射抜いてくる瞳の鋭さに怯んでしまう。
眼光で相手を黙らせたナツキはすぐにその剣呑な光を収め、首を横に振る。
「あくまで我々は同じクラスに割り振られただけの間柄。『使徒』という立場もあり、馴れ合いなどは相応しくないと考えている。お前はもう食事を終えているように見えるが、席を外してはもらえないか?」
「あ、ああ……分かった」
強烈な、拒絶。
その瞳の中に一瞬覗いた感情は、警戒心か、敵意か。
イオリは気圧されて若干背を仰け反らせ、それから不承不承頷いた。
「……また、良かったら話そう」
それでも彼らとの関係を諦めたくなくて、イオリはそう言い残してテーブルを離れた。
イノセンスな笑みを浮かべてナツキと話しているフユカを尻目に、イオリはカナタを思い出す。
彼も似たような顔で笑っていた。フユカもきっと、カナタにとってのマナカや自分たちと同じような相手として、ナツキという少年を認めているのだろう。
だったら、わざわざイオリが口出しする必要もないのかもしれない。
いつもぼうっとしている彼女を気にして声をかけるというのも、単なるエゴからなるお節介?
(……俺は、どうしたい? 何を求めて……)
何も考えずに、悩まずに生きていけるほどイオリは子供ではない。
無邪気さも幼さも全て、死別の悲しみが流し去った。残ったのは闘志と、理想だけ――そう思いたかった。
なのに――。
(瀬那……お前のように誰にでもストレートに思いを伝えられたら、俺はもう少し楽になれるのかな)
食堂を出て、自室に戻らずに玄関へ向かう。
夜の涼しい風に前髪を揺らしながら、少年はその群青色の世界へ身体を溶け込ませた。
誰を伴うこともなく、一人で人気のない歩道をあてもなく進んでいく。
彼にとって友達は心の支えではあるが、それは外側を補強するパーツに過ぎない。本当に必要なのは、内側を貫く支柱だ。
月居カナタにとっての瀬那マナカ、早乙女・アレックス・レイにとっての月居カナタ、犬塚シバマルにとっての刘雨萓……そういった存在が彼にはない。
そして先ほど喋った最上フユカという少女も、その関係にはなりえない気がした。
あの金色の髪や青い瞳、そしてあどけない笑顔は可愛いと彼は思う。彼女の手を取って、抱きしめて、口付けする――思いを告げて、孤独を分かち合い、傷を慰めながら愛に溺れることが出来れば、きっと楽になるのだろう。
だが、そんなものはフユカの意思を無視した、都合のいい願望でしかない。
フユカという一個人にイオリは本心から興味を抱いていないのだ。ナツキたち以外と全く交流していない彼女が可哀想だと見下して、優しく手を差し伸べて、自分の世界に引き込もうとしているだけ。同じような境遇の相手ならば、誰だって構わなかった。
「瀬那も、早乙女も、俺が気になったやつは皆、他に好きなやつがいるんだもんなぁ……つくづく、ついてないや」
立ち止まり、見上げた星空は奇妙にぼやけている。
それで初めて、自分が泣いているのだとイオリは気づいた。
「……お、君は……王子様やお嬢ちゃんと同じクラスだった、イケメンくんじゃない」
と、前方から歩いてくる少女に声を掛けられ、イオリは前を向いた。
黒髪ポニーテールに、赤縁眼鏡をかけた少女。『福岡プラント奪還作戦』の前、見送りに来たA組のメンバーとカナタらとの集合写真を撮ってくれた、一つ上の学年の少女だ。
「えっと、あなたは確か……」
「不破ミユキ。あんた泣いてたみたいだけど、なんかあった?」
キョウジとアズサとの会話シーンに出てきた「PTSD」とは、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder)のことです。
以下、ウィキペディアより引用
心的外傷後ストレス障害 は、命の安全が脅かされるような出来事(戦争、天災、事故、犯罪、虐待など)によって強い精神的衝撃を受けることが原因で、著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害である。症状がまだ1か月を経ていないものは急性ストレス障害といって区別する。




