序章 2話 後編
魔王城~入口~
「すぅーーはぁーーーー」
レオンハートは大きく深呼吸をして、決意を固める。
「よし、行こう。」
「ここまで来るのに半年もかかるとは思ってなかったな」
レオンハートはニヤりと笑う程度の余裕があった。
ただその笑みは冷たく不気味であった。
レオンハートは歩を進める。
魔王城の内部は厄介なモンスターは数体しかいなかった。
その相手とも大きな傷を負うことなく倒していった。
そして、彼はとうとう氷の魔王の間が目の前まで来た。
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氷の魔王城~魔王の間~
「魔王様!どうやら人間がきたようです!」
氷の魔王フェンリルの側近のニールは跪き、大きな声で言う。
「いちいち大きな声を出すでない。ニールよ。」
「申し訳ありません!魔王様!」
「はぁ……もういい。それで人間は何人で来たのだ?」
「それがどうやらたった一人で来たようなのです!」
「ほおー、随分となめられたものだな。」
「しかし、その人間は異様に強く……」
「妾が負けると?」
フェンリルはイラついた声で言った。
「いっいえ!そういう訳でなく…」
「もうよい、さがれ」
「は!」
ニールはあわてて退室した。
「人間如きが……」
フェンリルはそっとつぶやき臨戦態勢に入る。
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魔王城~魔王の間・渡り廊下~
「この部屋の先に、魔王がいるのか。」
レオンハートは目を閉じ心を落ち着かせ、体から力がすぅっと抜けていくのを感じ
ながら、決意を固める。
「よし、行こう」
レオンハートは規格外に大きなドアをガガガと開けた。
「よく来たな!人間よ!」
レオンハートはそっと目を開け睨みつける。
「さあ、討伐の時間だ!」
しかし、レオンハートはまだ気付いていない。これが悪夢の始まりである
ということを……