序章 1話
初投稿です。だらだらと続けていきます。
魔王城〜氷の魔王の間〜
「よく来たな! 人間よ!」
また、はじまるのか……
「あぁ、来てやったさ。氷の魔王フェンリル」
結局は……
「たった一人で此処まで来たことには褒めてやろう。しかし! 独りよがりのお前に倒される程、妾は柔ではない!」
「ひとつ、提案がある」
フェンリルは、怪訝な顔でこちらを見下げる。
「なんだ」
「これから起こる天災を共にまも」
俺は早口でまくし立てる。けれど、
「断る、人間の分際で、我を騙そうとするとは滑稽だな。妾の能力の『危機予知』に
はそのようなこと示しておらん」
「だが、必ず起こる」
「くだらん、ふん! 所詮人間の戯言よ!」
「そうか」
またか、一体どうすればいいんだ。
遠くから大きな地鳴りのような音が鳴り響く。
「なっなんだ!?」
「言ったじゃないか、天災だ」
「どういうこ」
言い終わるまえにフェンリルの首は弾け飛んだ。
「終わりか」
肩が、腕が、指先が震えてくる。
「はあ! はあ! 死にたくない! 死にたくない! 次こそは! くっそおぉおおおおお!」
そして、俺の意識は無様にも消えていく。
これで、記念すべき、十回目の死だ。
はあ、全く笑えねえな。
感想や批判など、大歓迎です。