彼女たちは如何にして暗部の住人となったのか
設定説明回。
前文が長くなったので一話使って投下。
世の中、仮にも人間社会に席を置く以上、金と食い物だけで生きていけないという事は人間ならば分かっていると思う。
この物語は、不意に日本帝国という破綻寸前の貧乏国家に何の因果かやってきてしまった彼女達の地位と名誉をめぐる実に日本人的な話である。
彼女達は竜の召還で不意にやってきたというのにもかかわらず、この貧乏帝国に実に良く尽くした。
その理由は、彼女達が元々住んでいた世界で迫害されており、迫害されずに山野に安住できるという一点に他ならない。
彼女達は、最初に召還された数が千人にも満たないのにかかわらず実に良く働いた。
魔法を使い森を豊かにし、石人形を使って開発をし、夜になったら殿方への奉仕までした。
ここまで尽くしてくれる女がいるのならば、誰だって彼女達を然るべき地位につけ同じ日本の国に住む同胞として迎えるという気にもなろう。
帝国政府は新聞や映画、講談師から漫画まで使って彼女達との友好をうたった。 特に映画では、その気になれば彼女達は変化の魔法を使って純粋な日本人にもなれるのに、妖艶な和服美人から最後に魔法を解き、
「本当の私達の姿でこの国に住みたい」
という長耳族の歌姫ダーナの美貌に見とれる男性が殺到。
夫婦喧嘩の種にもなるという人気ぶりに帝国政府は彼女たちの移住受け入れと保護に自信を深めてゆく。
だが、彼女達には実は重大な問題があった。
彼女達と彼女達を召還した竜を含めて全員が女であるという問題が。
ここから帝国政府の右往左往が始まった。
竜についてはあっさりと片がついた。
何しろ竜なのだ。神様という事で決着した。
下手に地位なんぞ与えて、
「わらわを人間の地位まで貶めるのか!!」
なんて怒られて雷を落とされたらたまったものではない。
問題は竜の眷属としてやってきた黒長耳族の娘さん達だ。
こまった事に全員が女。
日本の貴族階級は基本的に男性家督相続である。
婿養子みたいな形で家を興した場合、その婿側の家の影響力を排除できない。
彼女達、特に長耳族内部の序列の関係からも指導者階級を早急に国家内部に取り組まなければならないのだが、そのシステムが無かった。
更に、黒長耳族内部の特殊問題も露呈した。
「何で、二千六百年も続く帝国なのに、そんなつい最近できた爵位で私達を列するというのですか!!!」
銀幕の中では決して見せない黒長耳族大長ダーナの激昂を政府関係者はまったく理解できなかった。
彼女達黒長耳族は無駄に寿命が長い。
老いがないので、死ぬまで望むならほぼ永遠に生きるこの一族にとって、ほんの半世紀前にできた華族制度なんぞ侮辱の一言だったのだろう。
かくして頭を抱えた帝国政府だが、伊達に自称二千六百年と名乗るだけあって探せばそれなりの回答が出てくるのもこの国だったりする。
宮内省が出してきた位階制度がそれである。
特に、「位階令」(大正十五年勅令第325号)の「国家ニ勲功アリ又ハ表彰スヘキ功績アル者」を使い、国籍を与えた上宮中において変化魔法で日本人に化ける事で、外国人を叙位することはない例外から除外させた。
これの優れた点は、改定前の「叙位条例」(明治二十年勅令第10号)に制定された「位は従四位以上は華族に準じた礼遇を享ける」という記述を使う事で彼女達を華族階級に取り込むという点だった(従一位は公爵、正二位は侯爵、正従三位は伯爵、正従四位は男爵に準じた)。
これにより、長耳族大長であるメイヴとダーナに従三位が与えられた。
更に、彼女達の魔法について内務省が「神祇院を使ったら」と持ちかけてきた。 皇紀二千六百年記念に際して神社局に代わって作ったはいいが、社寺局で事が足りて使い道が無く困っていた所だった事もあり、彼女達の公的身分保障と魔法管理をする事となった。
同時に、迫害や逃亡によって裸やそれに近い姿で逃れてきた彼女達に巫女服が与えられ、彼女たちの制服となってゆく。
従三位 神祇院 総裁 ダーナ (銀幕更衣)
従三位 神祇院 副総裁 メイヴ (富士御前)
これが宮内省と内務省の政治的策術によって強引に作りあげられた彼女達の公的身分となる。
さて、気付いたと思うが、ダーナとメイヴの後ろに()があるが、これは何かというと日本人に化けた時の二人の名前だったりする。
御前や更衣の文字にピンと来た人は鋭い。
彼女達の夜の奉仕が華族の更に上まで及んでいた証拠でもある。
ところが、これが予想外の方向に転がりだす。
女性参政権である。
女性参政権運動は昭和六年には婦人参政権を条件付で認める法案が衆議院を通過するが、貴族院の猛反対で廃案に追い込まれ戦争の激化で運動そのものも押さえ込まれていた。
ところがこれも竜とその眷属達がやってきた事で激変。
竜の帝国協力と兵士に志願したメイヴ率いる黒長耳族の存在が押さえ込まれていた女性参政権運動に火をつけたのだ。
戦争体制に移行して、軍の影響力が強かった東条内閣が懐柔の為に黒長耳族族長のダーナやメイヴに従三位という官位を与えた事や彼女達専属の官庁である神祇院設立が致命的政治ミスとなった。
「戦争に参加すれば官位(爵位)がもらえる。
官位(爵位)がもらえるという事は自動的に貴族院に帰属できる」
という女性参政権の道が運動を進めていた先進的女性達にそう解釈されてしまった。
これに目をつけたのが、大戦に自陣営に引きずり込みたい独逸と押しとどめたい英国である。
議会政治において新たに参加するであろう女性という強大な票を獲得して自派に取り組めば、軍の影響力が強いとはいえ一応民主主義国である日本議会が強力な味方となる。
議会政治とプロパカンダを理解しすぎていた独逸ゲッベルス宣伝相はメイドSSを流行の尖兵と位置づけして婦人層を取り込み、トルコとタイを使った三画交易を使ってまでメイド服とメイド映画を持ち込んでスカートの短い大陸風フレンチメイドを流行させ、保守的な空気に倦んでいた日本の女性層に一大ブームを巻き起こした。
「どうせ女の遊びだ」
とたかをくくっていた東条内閣は事態を静観するという男らしいミスを重ね、今度は外交と諜報にかけてはろくでもないほどえげつない英国の介入を呼び込んでしまう。
英国情報部の意を受けて大挙来日したヴィクトリアンメイド達が、
「伝統と格式こそ流行の最先端」
を合言葉に、ロングスカートを春の帝都で舞ってみせる姿が、フレンチに恥じらいを覚えた婦人層をひき付ける事に成功したのだ。
この時点において、事態は完全に政府の制御する状態から外れて暴走してゆく。
英独のメイド達は諜報と色事による政府中枢の懐柔を目的としていたから、大量の手駒を得た彼女達は猛然と活動を始め、軍から政治家、官僚に実業家の幅広い男達をオセロゲームのごとく奪い合っていた。
事態は更に悪化する。
そもそも、メイヴ達異世界人が先導して官位や爵位をもらい、国政に関与するのを同じ同姓の女性達の大部分はあまり支持していなかった。
それが表面化しなかったのは、女性参政権という大目標があるのと、表立った場所では変身魔法を使って日本人と同じ外観で動いた黒長耳族の配慮のおかげだったのだ。
だが、英独に踊らされたメイド達が激しく対立しつつ、政府中枢の男達を奪い合っていく様を見て、彼女達は恐怖に駆られかつ怒り狂った。
「天下国家を論ずるのに、諸外国の服装を持って語るなど言語道断!
大和撫子は大和撫子らしい気品を持って、女性参政権を勝ち取るべし!!」
かくして、大正デモクラティックな袴姿女学生派まで出てきてサイレントマジョリティが軒並み追随してしまう。
政府が規制に乗り出そうとしても、大陸の戦争が終わったことによる開放感が空気として流れており、反対の男性政治家の嫁・娘までがメイド服、異世界から来た妾が巫女服を着て、祖母は袴をたたんでいたという笑えない話まで出る始末。
衆議院に「兵士等国家組織に貢献する者に限って、退役後の恩典として」という条件付女性参政権法案が提出されて信じられないスピードで可決すると、貴族院も黒長耳族がらみで圧力をかけざるをえない軍の意向に沿って反対できずに可決という日本議会史上に残るスピード可決で女性参政権は認められてしまった。
そして、この騒ぎで漁夫の利を得たのがナース達である。
白衣の天使こそ、ナイチンゲールから始まる歴史と伝統から国家組織に貢献すると認められ、彼女達のバックについていた日本赤十字社の総裁は皇后陛下である。
この波に乗り遅れる事無く権益を確保し、特権階級よろしく誇らしくナース姿で街を闊歩しだすという笑えない事態になっていた事に気づいたのは法案が成立してからという間抜けさ加減。
そして、全てが決まってから東条内閣はその事態の全容を把握して真っ青になった。
外国勢力の意を受けて国政に参与する議員の誕生など許せるわけがない。
かといって、自らがまいた種で急激に膨れ上がった女性参政権運動を軍事力で潰したら、どのような状況になるか分からない。
霞ヶ関で交わされた冗談に、
「メイド達の清教徒革命かぁ」
「メイド達のミュンヘン一揆だろ」
「女学生の昭和維新かも」
「ほら見ろよ。ナース様のお通りだ」
という本気で笑えない冗談が残っているあたり、男たちの意気喪失ぶりを現している。
大陸足抜け後しばらく経って、
「役割を終えた」
と東条内閣が総辞職した理由の一つが、この女性参政権問題であると今でも一部の学説に記載されてるのはこんな背景がある。
で、政府は全てを諦めきった段階で、同じ女である神祇院に下駄を預ける事にした。
彼女達もメイド工作を防ぐ為に文字とおり体を張っていたが、圧倒的に数が足りず、事態の全容を聞かされて呆れ怒り狂ったがそこは同じ女。
無力感漂う政府を言葉巧みに騙くらかして、
「神祇院所属女性にも参政権を与える。
なお政府職員は巫女服着用」
という一文を付帯条項に入れさせようとしてこれにナース派が猛反発。
激しい暗闘の結果、
「神祇院巫女局と看護婦局を設立。
看護婦局職員はナース着用」
という政治的妥協が成立して、神祇院は職員大量募集をかけたのである。
その結果が、大陸足抜け後に帝都に広がるメイド・巫女・女学生にナース天国なのである。
街を行きかうモダンガール達がまるで大正浪漫なはいから女学生と、19世紀末期のロンドンか近くに神社があるのかと疑いたくなるようなメイド服と巫女服との群れ・群れ・群れ。
さり気にレアらしくナースが闊歩しているのも、その白衣の天使姿からかえって存在感が出ている。
こんな成り行き任せと急場しのぎで作られた組織が、戦後日本の暗部とまで呼ばれる諜報機関に成りおおせたのかというと、当時権力の絶頂にあった軍部を容赦なく凹ませたからに他ならない。
きっかけは人で込み合う昼食時、子供が食事中にカレーを飛ばし、隣の陸軍参謀の服にカレーをつけてしまったという些細なことである。
この銀座にあるカレー屋は、大陸戦争終結の開放感の空気に乗って少しずつ店の営業を広げていった。
国家統制色が薄まって、女性参政権が認められた事による女性の地位の向上が、彼女たちの消費を引き出したからだ。
国家総動員法を無視するかのように、ドイツ占領下のフランスやイタリアから輸入された衣服に始まり、鞄、靴、香水、宝石、化粧品などの消費拡大が景気牽引の一翼を担うようになると、今までの恨みとばかり女性達が表に次々と出てきたのである。
その主体となったのは既に社会的に認められていたナース達だった。
彼女達はそのまま神祇院に組み込まれ、神祇院看護局としてその政治的地位を確立した。
街を威風堂々と闊歩するナース達は社会の最先端となり、その権利拡大は政府から軍に至るまで急速に広がっていった。
これに面白くないのが軍、特に今まで我が世の春を謳歌していた陸軍参謀本部主流派である。
別に彼らの権力が落ちたわけではないのだが、大陸の戦争終結で相対的に軍の影響力が衰えつつある現在、この勢いある新興勢力を叩いてしまわないとという危機意識は末端にまでいきわたっていた。
もちろん。事件の当事者の一人であるこの参謀殿にも。
で、もう片方の当事者であるこのナース女子もまた資本家を父に持ち、看護学校を卒業して帝都の病院で働くだけあって頭も切れ、そして現場なれしていた。
双方十分に敵意あり。
かくて、陸軍参謀本部と神祇院看護局という官僚の戦いはこうして始まった。
「貴様ら女にはわからんだろうが、天皇陛下より与えられし軍服に無礼を働くという事は、本来万死に値するのだ。
その事をその餓鬼に教育する行為を邪魔するというのは、天皇陛下に逆らうことになるのだぞ!」
「なるほど。
その事を天皇陛下がご許可なされたというのなら、その法律・条項・条例、何でもよろしいですわ。
どうかこの学の無い私にお教え願いませんか?」
今まで全てこの一言で押し通してきた彼にとって、その行為の正当性を真っ向から提示しろと言ってきた事自体が衝撃だったので、参謀は声に詰まった。
「な、こ、根拠など……」
「どうしたのですか?
貴方は、天皇陛下の名の下に子供を殴るという事をしようとするのでしょう?
ですから、どういう根拠でその行為を正当化するのかおっしゃってくださいませ」
挑発的に返されて、参謀も怒鳴り返す。
「やまかしい!
統帥権によるものに決まっているだろうが!」
この時、参謀は勝利を確信していた。
ここ数年は戦争により軍の影響力は極限化しており、どのような事も統帥権で押し通してきたのだった。
「統帥権ですか?
つまり、陛下に聞けと?」
にこやかな笑みを浮かべる彼女に対して、参謀はやせ我慢でしかないと勘違いしていた。
「そうだ。きさまら女には国政の崇高な所は分からんだろう!
おとなしく、家で裁縫でもしているのだな!」
あからさまな侮蔑の笑みをナースに投げつけるが、彼女の笑みも崩れる事はなかった。
「分かりました。
では、陛下に聞いてみます」
「は?」
ナースが発した言葉を最初参謀は理解できなかった。
そして、その言葉が理解した瞬間に参謀は豪快に笑い出した。
「わはははははは……
何を言っている?
貴様ごときが陛下に尋ねるだと?
思い上がりも大概にしろ!」
怒鳴りつけながらも、参謀の頭の中に不安感がよぎった。
怒鳴っても、脅しても、嘲笑しても彼女は微笑んでいる。
その不気味さに参謀も引いた。
「ふん。
貴様の大言壮語に免じて今日は引いてやる。
だが、忘れるな!
我々皇軍将兵は天皇陛下の命によって動いており、その行動を阻害する者は誰もいないとな!!」
虚勢を張ってカレー屋から出てゆく参謀などもう見ていないナースは、子供の頭をなでながらぽつりと呟いた。
「だから尋ねると言っているのにね」
参謀は知らなかった。
女とは、敵に対して上下関係など気にせずに容赦なく敵を殲滅する生き物である事を。
数日後、参謀本部に激震が走った。
神祇院看護局の正規スポンサーである日本赤十字社から届いた抗議文の名前に、赤十字社総裁である皇后陛下の名前が書かれていたのだから。
もちろん、皇后陛下は政治的主張についてはまったくと言っていいほど言質を与えなかった。
銀座のレストランで起こった最初のきっかけ、陸軍参謀が子供がつけたカレーを天皇の名前を出して殴ろうとしたについては、
「皇軍将兵としていかがなものか」
という懸念を文章で伝えたに過ぎない。
だが、効果は絶大だった。
神祇院は統帥権唯一の弱点である天皇決済という行為ができるというのを、陸軍にまざまざと見せ付けたのだから。
この抗議文に参謀総長が真っ青になり、参内して陳謝する始末。
これに対抗しようがない参謀本部が取れる選択肢は敗北しかなかった。
かくして、面前で乱基地騒ぎの果てに統帥権まで持ち出したこの参謀は、その総帥権によって千島最北端に飛ばされる事となった。
で、官僚的には丸く収まったはずなのに、これを新聞社が嗅ぎつけて大々的に取材しだして事態は思わぬ方向に向う。
仕掛けたのは親独系の多い陸軍主流派を失脚させたい英国情報部。
彼らは、ナース達の情報提供と女性参政権がらみで手に入れた大量のヴィクトリアンメイド達によってこの騒動の一部始終を掴み、それを同じ女性参政権運動で動いていた主流派の女学生達に垂れこんだのだった。
こういう時の女の団結力は怖い。
彼女達が騒ぎ、それを新聞社が掴み、さも被害者顔をしてナース達が陸軍の非道を訴える展開に、統帥権を封じられた陸軍は何もできなかった。
そしてこの騒ぎは当事者達の遥かに想像以上の影響力を持つ事になる。
統帥権で我が世を謳歌していた陸軍主流派が、新興勢力たる神祇院にその統帥権で敗北する。
陸軍は大陸、竜とその眷族保護とことごとく海軍に得点された矢先で、この大失点に主流派の怒りが爆発したが対ソ戦準備でそれでころではなく、散々振りかざしてきた統帥権が神祇院にまったくきかない事実を無視せざるをえなかった。
そして、それをみて陸軍に煮え湯を飲まされてきた神祇院の監督官庁である内務省を中心とした勢力が、次々と神祇院に協力しだしたのだ。
神祇院付きの女性職員が次々と各省庁に対軍交渉用に登用されていった。
軍が省庁に文句を言っても、彼女達の
「では、聞いてみましょうか?」
の一言に沈黙せざるをえなかった。
軍は、
「陛下をそんな世事に関わらせるな!」
というロジックで神祇院を封じ込めようとしたが、再三再四陛下を持ち出して暴走していた軍が言った所で、
「お前が言うな」
と周りから笑われる始末。
結果、神祇院権力確立の第一歩となり、内務省対軍の主導権争いと対外路線対立から来たクーデター未遂において、軍が決定的な敗北を行うきっかけとなるこの事件の事を『銀座カリー事件』と呼ぶ事となる。
さて、神祇院の表向き部署が看護局ならば、裏の部署は巫女局でここが帝国最大の諜報機関となったのは、神祇院の成立が戦前時の動乱期で、設立当初から独逸と英国の諜報機関に晒されていたからである。
そして、迫害されていたので、体を売るしかなかっただけでなく、それで情報を買わねば命すら危なかったという異世界事情があるが、何よりも異世界からやってきた竜とその眷属が色事大好きだったというのも大きい。
つまり、世界最古の職業といわれる娼婦とスパイは物凄く相性が良かったという一例だろう。
神祇院巫女局が持つ女を武器にした諜報力は当時の帝国には無くてはならぬものであり、戦時下の強制力が及んでいる間に彼女達は体で稼いだ金で反対派を買収・篭絡していったのである。
その金で運用された外郭団体の一つが、神祇院開発公社娼婦部。
後に民営化され帝国娼婦販売株式会社、通称帝娼と呼ばれる総資産約10兆、年間総売上約2兆5000億、全種族全人種の娼婦を取り揃える世界最大規模のポルノ企業である。
――帝娼の歴史 その誕生より抜粋――
萌えスレ投下時にこのあたりの話はえらく受けが良かったので再編集して投稿。
コメントの指摘による、女性参政権法案がらみを修正。
神祇院がらみの役職を変更。