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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

乙女ゲームみたい(笑)

乙女ゲームみたい(笑)

作者: いさか花優

ギャグで描きました。

乙女ゲームあまり詳しくないです。すみません。

ふとした時思ったのだ。まるで乙女ゲームのようだと。


 会沢ひまりは、転生なるものをした。

 転生する前は、単なる会社員だった。

普通の女だった。

ちなみに今も相も変わらず、転生してもそれは変わらず、普通の女子高生だ。顔も不細工ではないが美人でもない。

至って普通だ。

 だから、転生したからと言って、自分のスペックが高スペックに進化したかと言ったらそれはNOだ。

 だから、何をするわけではなく、普通に人生を歩んでいるそんな人間だった。

 いや、これからもそういう人間だ。

 まあ、あれと言ったらなんだが、趣味がゲームや漫画、アニメといったオタクだったことが、ちょっと加わるが、それも、まあ、普通よりちょっと変態よりかもしれないが、まあ、普通だろう。

 転生する前もまた、オタクだった。

今よりも重度の。

けれど、乙女ゲームなる物はあまりしていたわけではない。

だから、だろうか? ここがそうだと気づかなかったのは。

まあ、気づいていたらあのような発言は控えていただろう。

 そして、今生で乙女ゲームなる物に手を出したのが運のつきだったのかもしれない。

 自分ははまりやすい人間だろう。

のめりこむタイプだ。

 まあ、だからと言ってTPOはわきまえる方だ。

 けれど、その時は、徹夜で乙女ゲームをしていて、テンションがほんの少しおかしくて、ほんの少し声が大きかったのかもしれないが、そうではないのかもしれないが、聞こえてしまっていたのならいたしかないのかもしれないのであきらめることにする。


 事の始まりは、転校生が来たという事。

しかも美少女。

それは大いにテンションが上がったのは言うまでもない。

ちなみに、男性陣含み。

けれど、性格がいただけなかった。

ななめ上の性格だった。

良く言えば天然。

悪く言えば人の話なんて聞いちゃいない。

 話がかみ合わないのだ。

実は宇宙人だったのかもしれないが、そんなことはどうでもいい。

自分の人生に一mも関わらない人間なので。

 この学校はいいとこの進学校だ。

 結構有名だ。

そして、生徒会も有名だ。

何がって?顔が。

 地域近辺に知れ渡るほどの美形ぞろいだったりする。

 まあ、これもよく考えれば、まるで乙女ゲームのようだと誰しもわかるのかもしれない。

 生徒会は親衛隊ができるほどのアイドル顔負けの美形ぞろい。

 生徒会長は俺様美形。

 副会長はメガネの似合う笑顔が素敵な腹黒美形。

 会計はちゃらいが話やすいちゃらい美形。 

 書記はかわいい系双子の美少年系。 

 そんなのも見ると乙女ゲームを知る物なら誰しも思うのではないだろうか?

 

 その時ひまりは普通に廊下を歩きながら、仲の良い少し控えめな?友達たちとゲームや漫画の話をしながら、歩いていた。

 先の方では、生徒会の美形と転校生。

他の美形。

そしてそれを見ているファンや野次馬ETC・・・。

 そんな様子にやっぱり、野次馬根性が働く。

控えめグループだけど実態はそうではない私たち。

「何々?何やっての?」

 そう、控えめに、近くにいる人に伺う。

「ああ、なんか転校生がまたらしいぞ?」

 眉宇を潜めて

「また?」

「ああ、そうらしいな」

 苦笑いをしながらその生徒は、肩をすくめた。

「よくもまあ、毎回毎回あきないねえー」

「そうだな」

 同意するように頭を縦に振る、近くの生徒達。

『みんな、喧嘩しないで! 愛は一人しかいのよ! 誰か一人だけと仲良くなんてできない! みんなが仲良くしてくれないなら嫌いになるもん!』 

 そんな声が聞こえてきた。

 そんな転校生の言葉にあせったように、周りの美形たちが

『そんなこと言わないで愛ちゃん! 僕たち愛ちゃんの事が大好きなんだ! だから、他の男と一緒の所を見たくなかったんだ! 嫌いにならないで!』

 そう、すがるように転校生の腕を握ってうるうる泣きそうになるふたご。

『ふん! お前は俺とだけ仲良くしていればいい!』

 そう言って、強引に転校生の体ごと自分の方に近づける俺様会長。

『そうですね。あなたは私だけを見てくれればそれでいいのです』

 そう、言って、にっこりと胡散臭い笑いを転校生に向ける副会長。

『ははは! あーいちゃーん! そんな奴らどうでもいから、俺と今からカラオケ行ってーその後いいことしない?』

 そう、おもしろそうに転校生の肩を抱いて耳元でささやいてくるチャラ男会計。

 そのた美形etc.・・・。


 そんな様子に、周りはざわめき、時には嫉妬を向け。時にはドン引きする。

 ひまりは思う。

心底思った。

周りの友達も内心思っているのだろう。

「私思うんだけどさあー」

 友達にいつもよりちょっと大きい声を出していった事に今のひまりは気づいていなかった。

 ちょうどその時、周りのざわめきが偶然に止んでいたことにも気づかなかった。

「これ、乙女ゲームみたいじゃない?」

「ああ、よく考えたらそうだね」

「ああ、そっかー、なんか既視感があるっておもってたわ」

「やっぱりそう思う? しかもよく使い古された設定! 生徒会の人たちまさか、まさかな出会いだったのかも! 乙女ゲームにあるように、転校生に笑顔が胡散臭いなんて言われる副会長だったりー、俺様会長に意見を言って気に入られたりー、双子の書記にどっちがどっちってあててー、チャラ男会計に○フレはダメ―とか言って、寂しいなら自分が一緒にいるーなんて言われたりしてー、まさに乙女ゲームの定番だったりしてー!」

 まさか、そんな話はないでしょうと、オタクグループはけらけらと笑う。

 実はその話を、生徒会達が聞いていて、肩を震わせながら大いに動揺していようとも、周り中が聞いていようともそんなことは思わずに・・・。

「だがしかし、残念なのは転校生が男ではなかったことだねー。BLゲーム展開の方がはるかに萌えることに私は気づいた! 近頃、乙女ゲームばかりしていたが、そろそろ飽きて来たので、BLゲームの方に戻ろうと思うよ!」

「お帰りー!それ、わかるー」

「でしょ? でしょ? BL展開でもよくある設定だしに、まさに王道! ああ、そっちの方が萌えるー!」

「けど、転校生(男)がいなくてもBL展開だったら別に大丈夫じゃない? 会長×副会長と考えるか、副会長×会長と考えるか、チャラ男会計×会長とか大穴かも!」

「まあ、色々美形そろっているし、萌えは提供してもらえることには変わりないしー」

「まあ、この調子で、萌えを提供してもらえれば、いいけど、転校生とゆかいな仲間たち(笑)が逆ハーエンドで終わる展開じゃない事を祈るだけだねー。そうしないと、ある意味、本気で愉快な仲間たち(笑)を好きな子たちがあまりにもかわいそうだしねー。それに、はるかに愉快な仲間たちも幸せなんだけどねー。だって、よく考えてみ? 一人の女の子を取り合ったっていいことないし、最後は誰か一人にしぼられるしね。まあ、全員と付き合うっていうならしらないけどねー」

「乙女ゲームならまだしも、現実はないでしょう? 一夫一妻だし?」

「いやいや、結婚ならそれはだめだけど、付き合うんだったら、本人たちいいならいいんじゃないの?」

「まあ、後々厄介だけどねー」

「そうね、いずれ、お腹の子は誰の子だー! なんて昼どら? 男バージョンとか?」

 けらけら笑いながらいう内容は、何とも言えない内容だったりする。

 そんな内容に、生徒達は食い入るように耳を傾ける。何故か、気になるし、聞き逃してはダメなようなきがしていた。

「うわー、何それ修羅場じゃん」

「誰がかわいそうかって、子供がかわいそうだよね」

「まあねー」

「けど、そこまで飛躍して考えなくても、ね」

「いや、いやいや、その油断が命取りだよ! 『あ、やべ、やっちゃたって』的展開だよ!」

 最後はなんだか、高校生らしくない話になり、ちょうど予鈴がなったので、生徒は自分のクラスに帰って行った。もちろんひまり達も。

さっきの話はそこにいた生徒達がほぼ聞いていた。が、あまりにも人数が多かったために誰が話しているのかは分からなかった。

 そして、廊下には転校生と愉快な仲間(笑)たちだけが残ったのだった。

 それぞれに、愉快な仲間たちは思うところがあるのか一向に話す気配はない。

 ふと、人は気づくのだ。

 自分の現状を。

 そして、思案するのだ。

 先ほどの女の子達の声がこだまする。

 まるで、中二病がふと我に返って自分の言動に思わず大声を出して、しまうように。


 そして、会沢ひまりは思う。

「本当に乙女ゲームみたいな世界」

 ちなみに、この世界はひまりが知らないだけで、本当に乙女ゲームの世界だったのかもしれない。

 転生前は乙女ゲームには手を出さなかった。だから、気づかなかった。

 ただ、それだけの世界。

 知らなければそれは、普通の世界。

 普通の現実の生きている世界。

 今日も今日とて、オタクな生活を前世も今生も変わることなく会沢ひまりは続けて生きている。

 たとえ、ひまりたちの言葉で、ふと我に返った愉快な仲間たち(笑)がいたとしても。

 

   


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[良い点] 面白すぎです♪ [気になる点] 何度も読んでしまったりする所!! [一言] 初めまして。 「乙女ゲー」シリーズ、楽しく拝見させて頂いております。 何度読んでも、面白いですねぇ〜♪…
[良い点] ひまりGJ! [一言] 逆ハーに対して言いたいことを言ってくれた・・・!
[良い点] 読後感が爽やか。 [気になる点] 脱字が多い。
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