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救いのないこの異世界で 〜異世界転移した俺は、英雄ではなく奴隷だった〜  作者: 鏡月胡桃
第五章 アラムクラック編

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第三十一話 『ルール』

 「アラムクラック?何言ってんだ悠斗。

  いつものオタク知識かよ」


 にやりと笑う青砥。

 本来であれば、学校であればそれは嘲笑になっていた。

 が、この場面で悠斗はそれを気にしなかった。


 「結構マニアックだからね。

  悠ちゃんイイね!日本戻ったらフレンドね!!」


 「戻れたら、の話ですよね。

  琴音さん、ゲームって、アラムクラックをするんですか?

  本来であれば、これは銃撃戦ゲームです。

  あなたがしたいこととは嚙み合わないように感じますが」


 「まあ、システムとかはほとんどそれだけど、色々と違うところがあるからしっかりと聞いといて!!」


 琴音はゲームの説明を始めた。


 一.ゲーム開始時について

  ゲームが開始されると、四人は半径三百メートル以内に誰もいない地点にバラバラに転送される。

  その時に、戦闘用の剣ともともとそれぞれが所持していた魔法が支給される。また、回復用アイテムもランダムで支給される。


 二.ゲーム内容について

  このゲームは、琴音のチームと悠斗、青砥、アンリスのチームの一対三の試合形式とする。ただし、味方チームに攻撃が当たった場合はその攻撃を有効とする。

  ステージ内には何体が魔獣が配置され、倒されると一定時間後に再び再生される。

  このゲーム内では、現実世界と同様に、痛覚を感じるものとする。

  魔獣を倒したり、相手チームにダメージを与えることによってSP(スキルポイント)が付与される。


 三.SP(スキルポイント)について

  SPが百ポイントたまるとギフトの中から一つを選択し、獲得することができる。ギフト内容は以下に記す。

   ギフト内容

   即時に怪我を完治回復+回復アイテムの獲得

   戦闘向けの魔法を獲得

   サポート、回復向けの魔法を獲得

   チーム内の仲間の復活

   ギフトの専用アイテム、天界の塊を一つ獲得

  SPはチーム内で共有せず、それぞれでしか管理をすることができない。

  また、チーム内の誰かにSPを受け渡すこともできない。


 四.ゲームの勝利条件

  一つのチームに所属しているプレイヤーを全員倒す。

  天界の塊をチーム内で三つ入手する。


 これらが琴音が説明した内容だった。


 「一対三とは随分となめられたものじゃねえか」


 「青ちゃん怒んないで。

  アラムクラック経験者はあたしと悠ちゃんだけだし。

  何より、あたしはあたしだけで楽しみたいからね。

  とりあえず、ルールの再確認だったり、細かいルールの確認、チームで作戦立てると思うから、時間あげるね!」


 琴音はルールが書かれた紙を念じて生成し、悠斗に渡した。


 「ゲームのことは悠ちゃんに聞いてね!

  多分知ってるはずだから!」


 琴音はそう言い、その場から離れた。


 ここにいるのは三人のみ。

 ゲームについての話合いが始まった。


 「ごめんさない悠斗くん。

  さっきから目の左下辺りに、HPとS、MP、SPって書かれた棒?みたいなのがあるんですけど、SPはさっきので分かったとして、HPとS、MPって何なんですか?」


 「ええと、HPっていうのはヒットポイントって言って、自分の残り体力を示しています。攻撃を食らったりするとそのゲージが減っていくんです。自分がピンチなのを視覚的に伝えています。

  あと、多分ですか、HPが最大値の五分の一以下になると、足が遅くなったり、視界がぼやけたりするので管理が必要です。

  Sはシールド。攻撃を受けたときにHPの代わりにそのゲージが減ります。ゲームのステージにシールドを回復するためのアイテムなんかがあるので、それを使ってシールドを獲得して、戦闘を有利にできます。

  最後に、MPはマジックポイント。おそらくですが、魔法を使うと現象していきます。今まで感覚で分かっていた魔力の残量が、数値化されているのだと思います。正直、MPはアラムラックでは他のものを表す数値だったのでおそらくの話です」


 「悠斗くん、ありがとうございます。

  なんとなくですが、わかりました。」


 ゲームという未知に触れながらも、アンリスは一つずつゲームについて知っていく。


 「つーかさ。作戦はどうすんのよ。

  一番勝利しやすいのは天界の塊?ってやつを三つ集めることだろ?

  琴音に会わずに、とにかく魔獣狩りまくって、一人一つ、ギフトでそれを交換すりゃあすぐに勝てるじゃねえか」


 「いや、それだとだめだ。

  俺たちがしなければならないのは、あくまで琴音さんを楽しませること。

  つまり、積極的に琴音さんと戦ったうえで、倒し、勝利することだ」


 「ちっ。めんどくせー。

  とりあえず殺しに行きゃあいいんだろ。

  それ以外の作戦は聞かねえ。

  俺も、俺がしたいようにやる」


 「ま、まあ、別にいいけど......」


 自分勝手な青砥を咎める勇気が悠斗にはなかった。


 「じゃあ、とりあえず、アンリスさん。

  俺たちは魔獣を討伐しつつ、ギフトで魔法を獲得して、最終的に戦う感じで行きましょう」


 「わかりました。悠斗くん」


 三人は足を動かし、琴音のもとへ戻った。


 「おっ!終わった感じかな~!」


 「いつでもいいぞ、かかってこい」


 「いいね青ちゃん。

  でもちょっと待って、説明し忘れてるところがあったから少しだけ。

  このゲームでのダメージは、普通の世界と同じように処理される。ゲームだと、攻撃を受けてもHPが減ったりするだけだけど、今からのゲームは、普通の世界と同じで、右手に攻撃を受けたら、しっかり右手が使えなくなったりするから気を付けて!まあ、回復アイテムとか魔法でそれも治るけどね。

  そんでアイテム。アイテムは一人最大で十個まで持てるよ!入手したアイテムは自動的に収納されるから、使うときはそのアイテムを使うと念じればOK!

  最後に魔法。魔法も、普通の世界と同じように詠唱が必要になるからね!!

  こんなところで説明終わり!!」


 手をパンと叩き、それぞれが準備完了の旨を伝える。


 「じゃあ、ゲームスタート」

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