表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
救いのないこの異世界で 〜異世界転移した俺は、英雄ではなく奴隷だった〜  作者: 鏡月胡桃
第四章 教会襲撃編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/42

第二十三話 『大広間で』

 「教会を襲撃って、どういうことですか?」


 「言葉通りだよ。シファ―軍の勢力を用いて制裁を下す」


 俺たちを、この世界に召喚した元凶。

 そんなレギぺギドに復讐するチャンスがやってきた。


 「こちらとしても、それは思ってもみないことです。

  ぜひ、その襲撃について聞かせてください」


 俺が悩んでいる内に、悠斗はそう言った。


 「まあ、詳しい内容は次の機会に話そう。

  それに、久しぶりの再会が待っているかもしれないぞ」


 そんな悠斗の言葉に対し、アミキシファはそう言って笑った。


 久しい再会?それはいったいどういうことなんだろう。

 そんな疑問を抱えつつ、俺たちは基地を離れ、アミキシファの連絡を待った。



 ――――



 数日後。

 アミキシファから手紙が送られてきたため、俺たちは基地へと向かった。


 「これは、すごい数だな」


 基地の大広間にはかなりの人数がいた。


 「シファ―軍のほとんどの部隊が集められてるんじゃないか?」


 「戦争でもするんですか?」


 レニアさんとアンリスさんは不安げに話す。


 「あれー、もしかして二人とも、徹と悠斗?」


 背後から聞き覚えのある声が聞こえた。


 「まさか、この声、風雅か?」


 「せいかーい」


 振り返えると、そこには山口やまぐち風雅ふうがが立っていた。

 彼だけではない、岸田きしだ里香りかもいた。


 最後に会ったのはレギぺギドの教会の牢屋だった。

 確か、牢屋の男女同室の件で話していたな。

 成績トップカップルの二人がまさか生きているなんて。


 まあ、俺が生きているんだし、この二人が生きているのは当然か。


 「急にいなくなってなんだよ、風雅。

  おっ、陰キャじゃん。生きてたんだ」


 そう下に見ながらいう男。


 「半田......」


 半田はんだ青砥あおと

 俺がクラスで一番嫌っている男だ。

 山口に比べて成績も何も劣っているくせに、俺みたいなヤツを見下す男。

 コイツまで、生きているなんて。


 すこし気分の悪くなる自分自身にいら立った。


 「皆の者、聞け」


 そんな時だった、大広間を一望できる場所から、アミキシファが登場した。

 その時、空気が一気に重くなり、周囲が一斉に静かになる。


 「これから、教会襲撃について話す。

  決行は明後日、ここにいるすべての部隊がそれぞれの教会に赴く。

  片方はレギぺギドが所有する教会へ。

  もう片方はグラデュウスが所有する教会へ赴き、襲撃をする」


 グラデュウスの教会。

 確か、空が召喚されたところだ。


 「この二つの教会は、我々シファ―軍に加入しているのにも関わらず、奴隷を非人道的に扱うことを何度もしている。それも、忠告を無視してな。

  そのため、我々は武力で制裁を下す。

  異論のある者はいるか」


 言葉を発するものは誰もいない。


 「では、それぞれの部隊に後日、どちらを襲撃するか連絡させてもらう。

  それから、第一部隊はグラデュウスの教会。

  第百六部隊はレギぺギドの教会で全部隊を指揮してもらう。

  あとで私のもとへ来い。

  これにて解散」


 「あー、俺たち第一部隊だから行かなきゃ―」


 山口は軽くそう言った。


 「じゃーねー、悠斗と徹。

  生きてまた会おうねー」


 「ああ、そっちも、な」


 悠斗がそう言ったあと、山口たちはアミキシファのもとへと向かった。


 あいつら三人が第一部隊。

 召喚されてから、そんな長いこと経ってるわけじゃない。

 ということは、実力で、この軍のトップに上り詰めたということ。


 恐ろしいな。


 「さっ、私たちも行くか」


 少し時間が経った後、レニアさんがそう言い、俺たちはアミキシファのもとへと向い、部屋に入った。


 「さあ、話をしよう。

  レギぺギドの教会を襲撃する部隊の中で、指揮をとるのだ。

  しっかりと、聞いておけ」


 アミキシファは、なんだか楽しそうに微笑みながらそう言った。


 「あの一つ質問があるんですが」


 「こらっ、ユウト!」


 悠斗の発言に対し、まるで失礼を働いたかのようにいなすレニアさん。


 「よいよい、聞こう」


 強者の余裕という奴だろうか。

 一切揺らぐことなくアミキシファはそう言った。


 「ありがとうございます。

  疑問なのですが、なぜ一人の人間に対し、ここまでの勢力をかけるのですか。

  それも、指揮をとる部隊を決めるほど」


 「簡単な話。それほど強者なのだよ。召喚魔法を使う者は。

  お前らが召喚されたときには、既にレギぺギドらが裏切っていたのはわかっていた。

  だが、すぐに動けなかった。それこそ、ここまでの勢力をかき集め、総力戦を仕掛けなければならなかったのだ」


 だからあの時、精神世界に言ったときに俺に「申し訳ない」と。


 「召喚魔法は魔獣らを召喚する魔法。それこそ、上級ましてや神級の魔獣を何体も召喚してくることが可能な魔法だ。

  私としても厄介な相手だと思っている。

  本来であれば、私が現地に赴き指揮をとるべきなのだがな。

  私はこの戦いでは無力だ。なんせ私の魔法、神級魔法、【我儘な世界(シファー・ワールド)】は人間にしか効力がない。

  だからこそ、魔獣と対等に渡り合えるお前らに指揮をとってもらいたいのだ」


 「はい、もちろんでございます!」


 レニアさんは大きくそう言った。


 「まあ、指揮をとるといっても、大将として最前線で戦うくらいのことだ。

  教会に赴くのであれば、そこの二人も有利であろうよ。

  では、頼むぞ」


 そこで話は終わった。


 明後日、襲撃を。

 レギぺギドに復讐を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ