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初戦、時間停止使い ②

ゲン:

(奴に近づき、「静寂空間」を強制する必要がある…だが、同時に近づきすぎたら計画が台無しだ)


ゲンはゆっくりとウサギに接近した。


ウサギ:

(こっちに来るのか? 意味がわからん…これで俺の主力技『静寂空間』が使えるはずなのに。何を企んでる、ゲン・ゴット!? まあいい…相手になってやる)


ウサギもゆっくりとゲンに近づいた。数歩進み、二人の距離は約10メートルに。


ウサギ:

(あと少し近づけば「静寂空間」が発動できる)


ゲンは右手をポケットに突っ込み、左手を拳にして構えながらウサギに向かって走り出した。


ウサギ:

(はっ!? 何考えてやがる? 意味がまったく分からない…絶対に間違いだぞ!)


ウサギ:

「ゲン…運が悪かったな!『静寂空間』!」


黒い球体が二人を包み込み、時間が止まった。ゲンはウサギに接近したが、攻撃せず、右手はポケットから出さない。


ウサギ:

「残念だったなゲン。『K』は7秒かかるから5秒間は使えねえ…代わりに…『反転K』!」


ウサギは逆ピストルの形を作り、球体をゲンの体に撃ち込んだ。


ウサギ:

「解除」


ゲンの体が勢いよく吹き飛んだ。ウサギは自分を見下ろして考えた。


(これで終わりか? いや…違う。待て…え!? な、なぜ動けない!?)


ウサギは硬直した。「静寂空間」を使われたかのように身動きが取れない。


ゲン:

「ラッキーだな」


ウサギが視線を向けると、球体の端っこにゲンが立っていた――球体がないのに。


ゲン:

「お前が最初に『静寂空間』を使った時、俺は気づいた。球体が消えるのも現れるのも同じ5秒だ。そして…球体には厚みがある。完全に物理的なモノだ」


ウサギ:

(吹き飛ばされながらそこまで観察したのか!? だがそれが何の…! なぜ動けん!?)


ゲン:

「だから推測した――切り裂けるってな。不壊のナイフを右ポケットに隠し、普通のパンチのふりをして接近した。お前が『反転K』で俺を球体に引き寄せた時、ナイフで切り裂いた。結果は予想外だったが…効果がお前に跳ね返ったらしい」


ウサギ:

(クソ…俺の能力、全部見抜かれちまった! 今度こそ殺される…いや、5秒でここまで来られるわけねえ…)


ゲン:

「5秒では間に合わない…なら」


ゲンは一目散に建物の中へ駆け込んだ。


ウサギ:

(逃げた!? 何を考えてるんだ…意味がまったくわからん!)


5秒経過。ゲンの姿は完全に見えなくなっている。


ウサギ:

「ゲン…今度は俺が狩る側だ」


ウサギはゆっくりと建物へ歩き始めた――

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