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プロローグ 『虚無の目覚め』

――ここはどこ?


16歳の少年が文字通り「何もない」場所で目を覚ました。周りは真っ暗で、なぜか地面に縛りつけられている。


「ああ、やっと目を覚ましたか、ゲン・ゴット」


全身を黒いマントで覆った人物が立っていた。顔は隠れているが、赤い瞳だけが不気味に光っている。


「俺はマグバル……死の神だ」


ゲン:

「ああ……思い出した。家で自殺したんだった……」


マグバルは軽く笑う。

「そうだ……理由は覚えているか?」


ゲン:

「は? まあ、人生がクソだったから……それだけさ」


マグバルは再び笑った。

「ふむ……なるほど。いいだろう。ここは『虚無』……生死の狭間だ。そのまま死んでもいいが、話を聞く気があるなら、提案がある」


ゲン:

「なんだ?……」


マグバル:

「手伝ってほしい……トーナメントに出てもらいたい」


ゲン:

「トーナメント?」


マグバル:

「説明しよう。簡単に言えば、1000年に一度、神が主要な神々に命じ、選ばれた者同士で戦わせる。『神々のトーナメント』だ。勝者は神と対面し、どんな願いも叶えられる。通常、超能力を持つ者を選ぶ。ああ、そういう人間は実在するんだ。だが今回は、お前を選んだ」


少し間を置き、マグバルは続ける。

「今回はお前を選んだ。質問は?」


ゲン:

「……なぜ俺だ?」


マグバル:

「これまでのトーナメントでは、勝者がいなかった。皆、死を恐れ、エゴが邪魔をした。そこで思いついた――『失うものがない者』を選べばいい。超能力もない、肉体も弱くない……つまり、お前だ」


ゲンは情報を冷静に飲み込んだが、ふと驚いた様子で言う。

「待て……それじゃあ……神は実在するのか?」


マグバル:

「ああ。さて、ゲン……受けるか?」


ゲン:

「ああ! で、相手は誰だ?」


マグバル:

「よし! これを見ろ」


一枚の紙を取り出し、指さす。

「ご覧の通り、ここはラウンド16、クラシコ……お前の最初の相手は、ウサギ!」


ゲン:

「誰?」


マグバル:

「詳しくは知らんが、彼の『極大能力』は『静寂空間』。5秒間、自分だけが動ける球体を作り出す。その後、球体は消滅する」


ゲン:

「チートっぽいな……だが、方法はある。いつ戦う?」


マグバル:

「時間はこちらの都合で調整できる。戦場は神が決めるが、希望は聞いてくれる」


ゲン:

「ルールは?」


マグバル:

「一つ。『神の決定』が全てだ」


ゲン:

「わかった……武器が欲しい」


マグバルはナイフを手渡す。

「不壊のナイフだ。お前にぴったりだろう」


ゲンがそれを握ると、なぜか懐かしさを覚えた。

「……これ、触ったことあるような……」


マグバル:

「いや、今作ったものだ」


(奇妙だ……)


マグバルは心の中で笑う。

(記憶を消したのに、魂の奥で感じるか……果たして計画はうまくいくのか? ケケケ)

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