男の子のロマン1
今日は安心安全の“しろかえで”です(*^。^*)
ファイナンス学科のその子とは林先生の経営財務論で一緒になった。
1年の時の『経営統計基礎』でのグループワーク以来だ。
向こうもオレの事は覚えていて「あ、本田くんだ! 久しぶり~! また、ヨロ!」なんて言ってきたので「おう!」って感じの差し障りのないレスポンスを返していた。
そのコは水色のロンTの肩にセミロングストレートの黒髪をバサン!と垂らしている感じで……ま、ベージュのチノパンのお尻はちょっとだけカッコよさげだったけど、言ってみれば“どーでもいいカテゴリー”のコだったので、その様に流してしまったのだ。
実は……『苗字』も曖昧にしか覚えていなかったしな!
多分、『浜崎』か『浜口』……だったっけ??
どっちでもいいんだけど下手に会話始めて墓穴を掘るのは厄介だ。
次にカノジョを見掛けたのは6号館地下にある広大な学食の一角。
カノジョはナンとカレーセット、向かい合わせに座っている男はとろとろ半熟オムライスセット、お互いスプーンですくい合ってシェアしていた。
“あんな”コでもリア充で……あの様子じゃヤル事ヤッてるんだろうなあ~
オレは何となく負けた感に襲われて……「鉄鍋チーズ焼き豚スタミナカルビセット」がジュージュー言ってるトレーを手に持ったまま、しばし立ち竦んだんだ。
ところが8月5日の春学期試験最終日
浮かれて校門を出て行くカップルとすれ違ったオレは思わず、後ろを振り返った。
カップルの男の方は“件の”オトコだったけど、女の方は“カノジョ”じゃなかった。
この状況……カノジョがリア充でなくなったと見るのが妥当だろう……
その事に思わずホッとしてしまったオレは、かなり自己嫌悪に陥った。
バイト漬けの夏季休暇を完遂し、“アリとキリギリス”のアリの如く多少の貯えを働き出したオレは9月22日の朝を迎えた。
秋学期授業スタートの一時限目は経営財務論で……
「本田くん! 真っ黒じゃん!! 夏季休暇充実してたんだ!」
背中にカノジョの声がしてオレは
「リア充じゃねえよ! バイト重々って感じだったよ!」って振り返った。
「!!」
目の前で微笑み掛けているカノジョは抜けるような白い肌とつやつやした黒髪のままだったけれどその長さは顎下に切りそろえたおかっぱボブになっていた。
クスッ!と笑って少しだけ伏せたカノジョの顔をサラサラ黒髪が撫でた時、形のいい鼻と白いTシャツをツン!と持ち上げた胸が織りなす見事な黄金比がオレの目に飛び込んで来た!!
ヤバい!!
恋とはこんなに突然落ちるものなのか??!!
とにかく……
まずはどうにかして
名前を聞き出さなければ!!
おしまい
男の子のロマン1としましたが2があるかどうかは全く不明(笑)
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