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19.報告の録音再生(ほぼ雑談)

以下の文章は会話文のみでお送りします


ザザッ……


――……それは録音魔道具ですね


――そうだ。これが一番手っ取り早いんでな


――そうですか……


――んじゃ、はじめよう


――はじめようって、もう録音開始してるじゃないですか


――いいだろー


――もう。じゃあ、始めにこれです


ゴソゴソ


――あー、ダンジョンの素材か?


――はい。と、言っても、倒したのは黒銀さんや白鎧さんですよ。私は回収しただけですので、騎士団の後なので大した物はないんですが……


――それは分かってるとも


――あとは……黒銀さんと白鎧さんの剣ですけど、見ました?


――おう。いいなアレ。俺も欲しい


――あの剣二本と……おそらく、この幼竜()も宝だと思います


――……待て、コイツも宝なのか?


――おそらく、ですよ


――おそらく、な……。でも、お前さんの言い方からすると、確信みたいなものがあるんじゃないのか?


――確信ってほどではないのですけど……。ほら、この幼竜()の額にラピスラズリの宝石が埋まっているの分かります? こういう宝石が埋め込まれている生き物のことをなんて呼ばれているか、ギルド長はご存じで?


――……いや、そこまでは知らんな


――私も本で読んだり文献を見たぐらいで、そこまで詳しいわけではないのですが、このように宝石が体に埋め込まれていて、その宝石と同じような色合いを持つ生き物のことを『宝獣』と呼ぶと書かれてありました


――宝獣? でも、あれって伝説だろ?


――そうなんですけど……伝説って史実なければ作られませんから、もしかすると過去に宝獣はいた可能性はあると思います。ただ、それがダンジョンから生まれたかどうかは分かりませんが……


――幻獣ねぇ……。これはもう冒険者ギルドの案件じゃあねぇな


――ですよね。この幼竜()、獣というより竜の姿をしているので『宝獣』ではなく、『宝竜』って感じがしますけど、私が安易に決めていい事ではないのでどう呼ぶかはお任せします


――そうだな。ま、この後、王城に行くしその辺りも聞いてみるわ


――えっ、……えっ!? この後ですか!? もう夜ですよね……


――おう。呼ばれたの


――……オツカレサマデス。あー……私、報告は明日のほうがよかったでしょうか?


――いや、今でいい。むしろ、行く前でよかったよ


――ならいいんですが……。あ、そういえば、私が魔力枯渇をした後、ダンジョンはどうなりました?


――ダンジョンな……あー、どうなったと思う?


――聞いたの私なんですけど……。んん……、ギルド長の聞き方からして、もしかして消えてしまいましたか?


――当たりだ。ダンジョンが消える瞬間を黒銀と白鎧が見ている。探索も調査もこれからだってときに消えたもんだから、ろくな情報はなくてな。お前さんなりの考えが聞きたい


――私なりの考えですか……


――おう。今回のダンジョンは内装的には古城だろう。で、下層型。ここからは記録魔道具を見た結果から、八階層だと思っていいたが実は十階層で、九階層には連戦に加えてSランクの魔物が出てきた。Aランクだと思われていたダンジョンは実はSランク相当のダンジョンだったというわけだ


――おおむね、その通りですね。ダンジョンに入る前の話は聞きましたか?


――おう、一応な。ダンジョンがその存在を自身で隠蔽するなんて初めて聞いた例だ


――それで疑問に思ったんですけど……あのダンジョンっていつからあったんでしょう?


――いつからって……そりゃお前さん、前のダンジョンが出た時と同じじゃ……


――本当に同じですか?


――……違うと言いたいのか?


――あのダンジョンは強い隠蔽魔法がかけられていました。私も間近で見なければ分からないほど強い隠蔽魔法です。なにせ、スタンピードが起こるまで誰にも気付かれることはありませんでした


――そう……だな


――それを踏まえて聞きます。本当に前のダンジョンと同じ時期に出たと思いますか?


――…………


――人に見つからないように隠蔽魔法でダンジョンを隠していたのです。長いことそこにあっても不思議ではないかと……


――……そうか……そうも考えられるか……ううん


――スタンピードが起きた理由を考えてはいるんですが……推測の域を出ません


――それで構わんから言ってくれるか? おっさんにはそこまで考えが至らんからな


――ふふっ。そうですねぇ……あくまで推測ですよ?


――おう


――まずは……隠蔽魔法は解くことが出来ないからスタンピードを起こし、自身の存在を知らせた。その存在を知らせる理由として挙げられるのは、おそらくこの幼竜()の可能性です


――あー……たしか、死にかけてたな。なるほど、生かすためか


――あくまで、おそらくです。死にかけていた……というか、私が見た時点では魔力反応がなく、生体反応すら感じられませんでしたけど、触れたら魔力が空になるまで持って行かれたことからそうではないかと思っています


――ふむ


――でも、ダンジョンは簡単に最下層の十階層までたどり着けない仕様となっていました


――そうだな。仕掛け満載のダンジョンだったな


――そして九階層は連戦に続き、Sランクの魔物が出ました


――ああ、俺も初めて見る魔物だった


――はい。私も魔物図鑑を見たことがありますが、あの魔物は()ってなかったと思います。この時点ですでに、ダンジョンの最下層にたどり着ける者は限られてくるかと……


――……いや、それより前だろう。八階層で隠し通路を発見できなければ、どちらにせよダンジョンの最奥にはたどり着けんだろう


――……やっぱ、そうです?


――なんだ。気付いてんじゃねぇか


――そんな自信はありませんよ


――その辺りは相変わらずだな


――そこは置いておきましょう。私が思ったのは、これは一種の『試練』ではないかということです。『宝獣』を得るに相応しいか否かのダンジョンだったのではないかと……私の推測は以上です


――一理ありか……


――あくまで推測なので、あてにはしないでください。意見の一つです


――わーたよ。そんなに何度も言わんでいい


――きゅう!


――あ、起きた


――おお、氷華にすげぇ懐いてんな。親と認識しているからか? そういやぁ名前ってあんのか?


――名前は付けてないですよ


――……ソイツすげぇキラキラした目でお前さんを見てるぞ。なんか俺らの会話を理解しているみてぇだな


――賢いんでしょうね


――きゅうぅ


――おー撫でられて嬉しそうにしてんな。にしても分かりやすいな。……で、名前どーすんんだ?


――安易に名付けとか、本当に宝獣だとしたら名付けは主従契約と同じですよ。私の一存で付けるわけにはいきません


――へぇ、そうなんだな……そうなんだろうが、ソイツすげぇ落ち込んでいるぞ


――きゅうぅぅぅ……


――うう……


――俺のほうから陛下に言っとくから名前付けちまえよ。これは氷華から離れんだろ


――うーん……。大丈夫だと思います?


――大丈夫だろ。責任は許可した俺が取るさ


――……分かりました


――きゅっ!


――おっ、元気になった。ゲンキンだなぁ


――名前はルリにします


――きゅう!


――あ、額の宝石が輝いたな。契約完了したのか?


――……の、ようです。魔力の繋がりを感じます


――きゅっ、きゅっ


――むっちゃ喜んでるな。ルリ、よろしくなー


――きゅう!


――もふもふだな。そうだ、ルリはなにを食うんだ? いろいろ食べ物を用意したんだが、なんも食わなくてな


――……うーん、たぶんですけど、そこにある皿を二つほど取ってもらえますか?


――うん? 皿? イデア


――ええ。はい、どうぞ


――ありがとうございます。ちょっと待っててね


――きゅっ!


……カラン、カラン


――氷塊か?


――ルリ、どうぞ


ガリッ、ガリガリ


――氷が主食か?


――あらまあ……


――ちょっと違いますね。二つの氷塊を作りましたが、ルリは迷うことなく魔力が多く含まれているほうの氷塊を食べたので、主食は魔力かと


――魔力か、俺の魔力は食うか?


――きゅーう


――いらんか。氷属性の魔力限定か?


――それだけで決定するのは早計かと思いますけど……


――ま、そりゃそうか


――あの、それでルリなんですけど、どこで世話をするか決まってるんですか?


――あー……それな、任せた


――嘘ですよね?


――ちなみに白鎧は「お世話よろしく」だそうだ


――嘘ですよね!?


――いやいやお前さん、この懐き具合を見て引き剥がせると思ってんの?


――うっ……でも、さすがに四六時中一緒にいるのは無理ですよ


――あー学園か。さすがに連れていけんか……となると


――お留守番ですね


――きゅあっ!?


――効果音つけるとしたら「ガーン」だな


――連れていけると思います?


――無理だな。俺でも連れていかん


――きゅっうっ、きゅっう


――幻獣って泣くんだな……初めて見た


――私もです。でも、この姿で連れていくのは身バレは確実です


――だなぁ。どうするか……


――うーん。ねぇ、ルリ? ルリは姿を隠せる? ダンジョンにかかっていた隠蔽魔法みたいに


――きゅ? ……きゅうぅっ


――おお? なんだなんだ。氷華の腕にしがみついて……


――……すごいねルリ。これは変化かな?


――きゅっ!


――しーっ、腕輪はしゃべらないよ


――きゅっ!


――はー、すげぇな。幻獣ってこんなこともできるんだな。これで離れなくて済むか


――そう……ですね。でも、この変化は魔力を持っていかれるようです


――大丈夫か? どれくらい持ってかれる?


――大丈夫です。持って行かれる魔力も微々たるものですし許容範囲内です。ルリ、もういいよ


――きゅう


――今できる報告はこのくらいでしょうか?


――そうだな、あとは思い出したら報告ってスタイルでいいだろう


――分かりました


――以上で報告は終了とする。ご苦労さん


プツ……


お読みいただき、ありがとうございます

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