ドジだったのか?俺
「見つけた。ようやく・・・」
今俺の前にいるキリッとした感じの女性は誰だ?そもそも見つけたとか言われても困るのだが。何を見つけた?
そう思いながら、後ろを見たり横を見たりする。
「あっ、この苺のことですか?確かに最近あんまり売ってないですよね。不作なんですかね。どきますね、すみません」
多分苺のことを言っているのだと気づいた俺はさささっと、カニ歩きをしながら逃げる。なんか、厄介ごとの匂いがするからね。
「違う。君だ」
そういえば、このスーパーに人がいないような・・・?さっきまでいたよな。なんか、犯罪者を隔離するために、とかか!?
「ま、まさか犯罪者・・・!?」
声が漏れていたらしい。
「いや、違うからっ!あの、精霊ですよね?」
「え?は?いや、え?」
なぜ、バレてる?ちゃんと今の俺の姿は・・・あ
「あ。い、いやぁあはははは、さ、さようなら〜!!」
全速力で逃げ・・・あれ?泣いてる?
「ど、どうされたんですか・・・」
流石に女性が泣いてるのに逃げるのは無理だ。常識的に。でもなぜ、泣いているのだろう。犯罪者扱いしたから?いや、それしかない。それしかないんだが!?
「ご、ごめんなさい。行かないでほしいんです。実は・・・」
何でも、この人。妹さんが治すことのできない病気にかかっているらしい。あなたの魔法で治してほしいとのこと。だけれど。
「それは、できない」
「な、なぜっ!」
「あなたの妹さんを助けたいのはわかってる。だが、だからこそだ。なぜなら、そういう人はたくさんいる。あなたが優遇されたらどうなる?俺に皆が群がるだろう。治してくれ、助けてくれ、とな」
「だ、だが妹がこのままでは」
「そして、俺は知っている。お前、政府関係者だろう?俺は関わりたくないんだ、そういうのには」
久しぶりに異世界にいた頃の調子を取り戻した。こんな感じでバサッと切らないとしつこいからね。特に異世界人はさ。
「な、でも妹は私の唯一の家族なんだよ!」
「・・・そうだな。妹さんはどこにいる?」
もはや、助けるしかあるまい。最初の涙は嘘だとすぐ気づいたが今は本当だ。仕方ないか。




