第二幕・日常②
「ふぅ、御馳走様。本当に余計な時間を過ごしましたが、本日も無事に昼食を終えられて幸いでした」
「…なぁ生徒会長よぉ、マジでお前の昼飯の量はもうちょっと如何にかならねぇのか。こちとら見てるだけで食傷気味になっちまうからよぉ」
「何を言うかと思えば今更な。私にとってはこれが普通なのだと、昔から申し上げているでしょう?」
「俺は豚肉の生姜焼きに天ぷらの盛り合わせ、そして大量のサラダと特盛の親子丼を一食分とする女を普通とはどうしても思えねぇんでなぁ」
「否とよ我が友、姫君の旺盛な食糧は日頃からの多忙な活動で帳尻が合い候。何よりも良く食べ、良く動き、良く寝る。此れに勝る健康秘訣はないと心得る」
「おいおい、お前ともあろう者が節穴かよ。どう見たって帳尻が合わなくなってる箇所があるだろうが」
「驚天、動地。是非ともその慧眼を伺いたく候」
「別に慧眼でも何でもねぇだろ。中等部の頃は随分と慎ましかったのが、今じゃあこの有り様なんだからよぉ」
「…何処を見て言ってやがるんですか貴方は?」
「分かってて聞くなよ生徒会長、これまでだってお前は何度もサイズを変えて来たじゃねぇか。確か最初はB65で、今使ってるのは………E70サイズってところか」
「なっ、んで、そこ、まで…」
「正に鵜の目、鷹の目、龍の目………姫君の豊かな成長にも負けず、我が友の眼力も進化を続けて止まない」
「それと生徒会長、お前はスポーツブラ一択みたいなところあるけどよ。俺はやっぱり外しやすそうなフロントホックとかの方が好みだなぁ?」
「…私は貴方の為に、選んでいるのではなぁい!」
恥辱に身を震わせながらも、極真空手は迷わず振るわれる。
今回の技は脾臓打ちと呼ばれる、相手の腰の上の背面を狙う裏拳の一種だった。
ただし人体の性質上、余程の不意打ちでもなければ肝心の脾臓まで威力が届かない。
ましてや座っている状態で放っても、腰が入らないので大した攻撃力が伴わない。
しかし人体の共通点として、脾臓の傍には胃が存在する。
ここが打撃などで揺らされたなら、嘔吐の要因としては十分。
ましてや当の龍は、天ぷら蕎麦で昼食を済ませたばかりだった。
また明日香も、咄嗟の事で少しばかり技の狙いを誤った。
斯くして手心前提の単なる脾臓打ちは、思わぬ形でクリティカルヒットとなる。
これには龍も深く悶絶し、次いで明日香が大いに混乱を来した。
一方で信だけは至って冷静に席を立つと、何処からか生もの用のごみ袋を調達してくるのだった。
「さぁ我が友、遠慮なく。粗方に出し切った後は、当方が責任を持って処分するなれば」
「いや、要らねぇよ………ったく、勘弁しろよな生徒会長。俺はあくまで素人だぞ、何でもかんでもきっちり反応できると思うなって」
「い、いえ………今のは悪気はなかったんですよ、本当に」
「よく言うぜ、こちとら胃の中のモノを全部ぶちまけるかと思ったぞ」
「確かに姫君の行動は段位所持者として大いに難あり。然して我が友もその言動には問題あり。なれば此度の事故発生、姫君の可能な範囲で罪滅ぼしが妥当」
「おっ、だってよぉ生徒会長。あっあー、何だかとっても膝枕して欲しい気分だなぁ。そしたら具合がよくなりそうだなぁ?」
「ちょっとっ、普通に元気なのですがこの人!」
「姫君、観念。当方とて姫君の膝枕を譲歩するは、断腸の思いなれば…」
「さも私の膝枕が当然の権利の様に語らない!」
「んんー?ところでお前、よく見たら尻の方も結構なことになってんな。良いねぇ、こりゃ将来は安産だぜ」
「こ、のっ………破廉恥ぃ!」
顔を真っ赤にしながらも、やはり極真空手に容赦はない。
今回は至近距離でこそ効果を発揮する掌底を、顔面から顎に向けて打ち込んだ。
これには193cmの図体さえ座席から投げ出され、食堂のタイル床と深い接吻を交わして倒れた。
以降はうつ伏せのまま全く動かなくなり、食堂内は一時騒然となる。
しかし生徒会長だけは早々と空の食器を片付けると、何事も無かったかのように食堂から立ち去った。
同じく特待生も残っていた食事を済ませると、眼鏡の曇りを直しながら悠々と後に続いた。
この時点で他の生徒達も大体の状況を悟り、休み時間の終了を告げるチャイムと共に総じて解散する。
残るは食堂の片付け係だけとなるが、件のテーブル席における惨状に関してだけは平然と放置されるのだった。
自ずと午後からの授業は学園屈指の問題児が不在となり粛々と進行する。
やがて最後のホームルームの時間を経て、私立ライラック学園は無事に放課後を迎えた。
本日は金曜日、生徒達は休日に向けて普段よりも賑やかな様子を見せている。
一方で学園の生徒会長は、手持ちの資料を纏めるやいち早く教室を後にした。
その小気味に揺れるポニーテールの後背では続々と生徒会の役員が集結し、廊下を歩きながらでも評定が行われる。
其処には文武両道を体現し、高い志を持つ者しか近寄ることが出来ない。
また一方では中等部の女子生徒達が、下校しようとしていた特待生の下へと大挙して押し寄せた。
彼女達は総じて黄色い声援で包囲し、芸能界へと進出している先輩に少しでもお近づきになろうと自己主張する。
其処には一般的な男子生徒達が付け入る余地は残されていない。
例外があるとすれば、それはやはり学園屈指の問題児である。
人知れず復活していた彼は、再び学園の二枚看板の前へ堂々と姿を現した。
その手にはちゃっかりと食堂から掻っ攫った、余り物の菓子パンが連なっている。
「よぉよぉ、毎日お役目ご苦労さんってか。まぁこれでも食えよ、俺も自分のを食い終わるまでは何時もの所に居るからよぉ」
全く同じ要件を二人へ通した龍は、悠然とその場を後にした。
因みにその眼中に二人以外は映っておらず、生徒会の者達と中等部の女子達はその図体に尽く押し退けられていた。
こうした傍若無人が行き着く先と言うのが、私立ライラック学園が所有する運動場である。
其処では既に野球部やサッカー部の者達が部活動に勤しんでいた。
しかし学園屈指の問題児が現れるや、彼等は総じてランニングに出向いた。
何故なら双方の間には以前から約束事がある。
先ず飛来龍が放課後に運動場へと現れた時、運動場を一時間だけ貸し切りとする。
代わりに試合や大会などの時、運動部は助っ人として飛来龍を呼ぶことが出来る。
こうなると学園の問題児も、遺憾なく力を発揮する。
仮に野球部の場合ならエースで四番、サッカー部の場合ならハットトリックを連発するストライカーへと早変わりだ。
他にも身体を動かす系統であれば、基本的に高い能力を発揮するので競技は選ばない。
ただし部活動自体は一切行わないので、チームメンバーとの連携は期待できない。
元より本人はスポーツに興味はなく、気分の赴くままに体を動かせれば良いのだ。
そして本日は幾つにも並べたカラーコーンを的に見立て、野球部のボールを投擲する。
最初は十メートルの距離から始まり、最大で百メートルの距離から行う。
これは命中させるのは当然で、その上で龍の場合はカラーコーンが倒れて漸く成功と呼べる。
因みに掻っ攫ってきた菓子パンを食べながらなので、決して行儀は良くない。
また時には小走りしながら、或いは跳躍しながらと投法を問わない。
ひたすらに異なるやり方を繰り返し、与えられている貸し切り時間を黙々と過ごす。
そうして一時間の制限が迫る頃合いとなるが、其処へいち早く姿を現したのは黒縁眼鏡を掛けたプラチナブロンドの青年だった。
その両手には二缶の珈琲が携えられており、その片割れは汗を握る武骨な手の方へと渡される。
間も無く運動部の者達もランニングから帰参し、運動場では元通りの部活動が再開した。
「盛況裡、何より。然して本日はベースボールか、はたまたハンドボールの大会に向けし備えか我が友よ」
「おいおい、俺がそんな殊勝な訳ねぇだろ。本当ならそこら辺に落ちてる石ころを使いてぇんだが、それだと先公に見つかった時に煩いからよぉ」
「成程、カラーコーンは即ち人柱。此れは複数の人物に対し、投石する場面を想定した一連の動作と?」
「こうやって常にイメージを蓄えとかねぇと、いざって時に動けねぇからなぁ。喧嘩で卑怯なんて言葉、通用しねぇからよぉ」
「くっくっくっ、素敵に候。正しく臨機応変、常在戦場の精神………当方も見習わねばなるまい」
「世辞は止せよ、相棒。お前からしたらもう、このシマから見習うモノなんてねぇ。何時でも世界に羽ばたいていい筈だ、そうだろう未来のグレートブリテン?」
「これは、手厳しい意見。確かに野望を募らせて置きながら、未だ風雲を掴むこと叶わず………不明を問われば是非も無し」
「まぁ、俺としてはそのままの方が楽しいんだけどよぉ。ところで近くのボウリング場が割引してるらしいんだが、どうだよこの後の予定は?」
「生憎、今宵しかと済まさねばならぬ所用有り」
「何だよ此処まで来て連れねぇな。また仕様もねぇ取材か、それともお偉いさんの相手か?」
「否、此度の儀は酔狂の域を出ず。さりとて街中の預言者なる噂、我が友の耳にも届いてると見込むが如何?」
「確か………そいつに占ってもらったら、絶対にその占いの通りの未来が訪れるってぇ話だったか?」
「所詮は何処にでも聞き及ぶ都市伝説の類。然れども随分と話題性が根強く、故に先日から噂の真偽を正そうと思い立った次第」
「相変わらず変な所に喰いつくなぁお前は。そんな存在自体が胡散臭い占い師を探して、何か得でもあんのかよ?」
「愚問だ、我が友よ。好奇心、好奇心こそ人の原動力なれば当方も例に漏れず」
「くっはっはっはっ、そう言う所は芸能界向きだと褒めてやるぜ」
「恐悦、至極。来週には学園にて成果をご覧じ候」
「おう、大して期待せずに待っててやるよ」
極東の地平が黄昏時を迎える頃、二人の青年が運動場で別れる。
片や都市伝説を明るみにしようと、夕日を背に街並みへと繰り出して行く。
片や一人でボウリングの気分とはいかず、夕日に向かって街並みから外れて行く。
そして後者はそのままの足取りで毅然と佇む漆喰の長屋門を通り抜けた。
更に其処から赤砂で出来た見事な枯山水の庭を越え、立派な豪邸へと辿り着く。
何れも飛来家が旧き時代から、名門と呼ぶに相応しい格式を得ていた証である。
自ずと防犯機能も充実しており、長屋門を潜った時点で彼方此方から防犯カメラが目を光らせている。
当然ながら飛来家の一員である龍は全て素通り可能だ。
最後の砦となるオートロックの玄関に対しても、専用のカードキーを使って帰宅を果たした。
同時に家の奥からウェーブヘアーの茶髪が特徴的な、ワンピース姿の女性が飛び込んで来る。
更に自身よりも遥かに図体の大きい龍を全身で抱き締めたまま、一向に離れようとしない。
彼女は夏季という名前で、歳が四つ離れた龍の実姉に当たる。
明朗な性格で体付きも良く、かつては私立ライラック学園においてアイドル的な存在だった。
卒業してからは著名なキャバクラで働いており、夜は艶やかなドレス姿で数々の男を魅了して止まない。
ただし彼女がこの道を選んだのは相応の理由がある。
今より四年前、巷でも名門として知れ渡っていた飛来家は交通事故により当主とその妻を亡くした。
即ち龍と夏季、二人の父と母が突如として他界したのだ。
しかも三十代半ばでの思いがけない横死である為、子供達に対して多くを残せなかった。
当時までは何人か居た使用人も、結局は暇を出さざるを得なくなった。
故に年長である夏季は当面の生活費、そして弟の学費を稼ぐ為に水商売という茨の道を行くと決めた。
やがて業界でもトップの地位を確固たる物にし、現在も唯一となった肉親の為に文字通り一肌を脱いでいるのである。
「ああっ、あー………このゴツゴツした筋肉、程好い汗の臭い。ほんま堪らんわぁ、アタシの弟は」
「…なぁ姉貴よぉ、そろそろ勘弁してくれよ。俺は抱き枕じゃねぇんだぜ」
「そないせっしょーなこと言わんといて。世界に星の数の男が居れど、お姉ちゃんはアンタが一番なんやからぁ」
「おいおい、ちょっと前までは九州訛りしてたのが今度は京風の女ってか。金儲けの為とは言え毎度よくやるぜ、相手の出身地に合わせていくそのスタイルよぉ」
「当然やないの、キャバ嬢にとって男は所詮は日替わりや。でも平等にお客様なんやから、それくらいのサービス精神は見せんとな」
「…まぁ、感謝はしてるぜ。今の俺はその姉貴のサービス精神に、頼りっぱなしな訳だからよぉ」
「ふふーん、何を今更に言うてんの水臭い。あの時からアタシはアンタのことを、死ぬまで面倒を見てあげるつもりなんやからな~」
「…別に俺はそこまでしてもらうつもりは…」
「あっ、あかんもうこんな時間や。残念やけど愛しのお姉ちゃんは仕事に行って来るから、後の戸締りとか宜しゅうな。なんや春先とか秋って、空き巣とか多いらしいから」
「いや、オートロックだろうがウチは。窓だって全部強化ガラスだし、監視カメラも今は幾つになってんだよ。寧ろ空き巣がワンチャンスを期待する程度の余地は残してやれと思うぜ」
「いけずやわーほんま。そんな甘いこと言うて、もしもお姉ちゃんが暴漢に寝込みを襲われたらどうするん?」
「よく言うぜ、何時も何時も俺の寝込みを襲っておいてよ………ってか仕事あるんだろ姉貴、このまま話し込んでて良いのかよ?」
「おーっとと、そうやった。でもその前にもう一つ、今日は何時もみたいに外食とかはせんといてな。夕飯はリビングのレンジに作り置きしとるから」
「姉貴が作り置きって………ああ、酒のつまみか。ちょっとは腹の足しになりそうだなぁ」
「あれあれー、ちょっとお姉ちゃんの女子力に対する評価低すぎとちゃう?」
「そんな事より仕事だろ仕事、名残惜しいからってこれ以上引き延ばしてんじゃねぇぞ」
「あぁんっ、そんなごむたいな~。もうちょっと、もうちょっとだけやから~ん」
夏季は弟に身を寄せると、宛らおもちゃを取り上げられそうな子供の様に駄々を捏ね始める。
対する龍は無言で姉を抱え上げるや、そのまま長屋門の外まで強制連行する。
この際にお姫様抱っこ状態となっていた事で、姉の方は気分よく仕事へ向かうのだった。
一方で弟の方は盛大なため息を一つ吐くと、オートロックの音を尻目にリビングへと落ち着いた。
其処はキッチンとダイニングも兼ねており、60インチの壁掛けテレビが堂々と存在する。
また大容量のパントリー、高性能のワインセラーが当たり前の様に鎮座する。
他にも冷暖房の完備、ソファーに関してもわざわざ高級品が選ばれている。
全ては両親を失って以降、飛来家の長女が愛する弟の為に湯水のごとく注ぎ込んで来た結果だ。
そして本日はそんな留まらない愛情表現が、最新式の電子レンジの中へと込められている。
因みにメニューに関しては単純なオムライスで、度が過ぎるほどの山盛りである。
何個も費やしたであろう卵の部分には、大量のケチャップで大きなハートマークが描かれている。
更に卵で隠れているチキンライスの方も、五合は下らない分量である事が伺い知れる。
その威容は大皿一杯の上で今にも溢れんばかりであり、歴戦の大食い自慢を唸らせるであろう確かな圧が備わる。
少なくともソレを目の当たりにした龍は軽く吐き気を催した。
それでも姉への体裁から食べないという選択肢は有り得ない。
斯くして電子レンジ特有の仕上り音を合図に、スプーンを片手にした龍は目前の大皿へと挑み掛かった。
幸い制限時間などは設けられていない為、最終的に完食という決着は揺るがない。
また肝心の味に関しても、当初の予想に反して上出来だった。
問題は満腹を通り越したことによる反動から、昼間に続いて胃袋からの逆流を堪える必要性が生じる。
これで暫くは何も手を付けられず、リビングで空しく過ごす羽目になった。
やがて日付が変わる頃、熱いシャワーを浴びて漸く人心地が付く。
後は自室にある用具で筋トレを行い、そのまま就寝となる。
しかし微睡みも束の間、三白眼の瞳は眩い光に見開かれる事になる。
「…おいおい、どうなってんだ。何で俺はこんな所に居るんだよ?」
其処は灼熱の太陽が照り付ける広大な砂漠だった。
酷く乾燥した大気は猛威を振るい、あらゆる生命を脅かさんと吹き荒れている。
更に深く積み上がった砂地は果てが見通せず、脱するには多くの苦行が約束されている。
正しく大自然の片鱗であり、人間が独りで立ち向かうには余りに強大な光景だ。
しかし私立ライラック学園屈指の問題児は、この現状を受け止めるや鼻で笑って見せた。
そして何処までも続くかのように思える地平線に向かって動き出した。
目標は砂漠にも存在するだろうオアシスを見つけ出す事である。
例えソレが那由多の彼方に在ろうとも、可能性への足取りに迷いはない。
仮に途中で力尽きて息が絶えようとも、最後まで大自然を相手に喧嘩を売り続ける方針に変わりはんいのだ。
或いは砂漠に強大な怪物が潜んでいるとしても、その傍若無人な行進を止める理由としては余りに弱いだろう。
「…誰だ?」
砂漠すらも悠々と独壇場としていた問題児の前に、突如として阻む者が現れる。
その正体は漆黒の衣を纏い、漆黒の馬に跨る謎の人物だった。
顔に関しても漆黒の仮面で覆われており、年齢性別も定かではない。
ただその手に携えた真紅の大身槍を、飛来龍に向けて突き付けていることだけは確かである。
対する龍は間も無く十数年の人生において初めての選択を取る。
元より出会った瞬間から、全身に砂漠の熱さを忘れるほどの悪寒を覚えているのだ。
人間の五感では説明できない所から、脳内に何度も警告が聞こえているのだ。
分厚い自尊心をかなぐり捨て、この場から全力で逃げ出す事に躊躇いなどなかった。
しかし仮に光速で動けたのだとしても、相手の射程圏内から離れる為には遥かに遅かったのである。
間も無く謎の人物の手元から、真紅の大身槍が投擲という形で離れる。
鋭い穂先の対象は心臓、途上で螺旋を描きながら翔け抜ける。
閃光をも凌駕するソレは回避と防御を許さず、やがて誰にも明白で凄惨な結末を突き付けるのだった。
此処まで読んでいただき感謝<(_ _)>
拙いですが、もし少しでも楽しんでいただけなら幸いです。
良ければ次回以降も拝読して頂ければ幸い。