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プロローグ

「ミリア、これから君の義姉になる人だ」


「よろしくね、ミリアちゃん」


 そう紹介されたはちみつ色の髪の美しい人を見て、わたしは驚愕した。


 王家の血を引く者に多い特別な青の瞳。遠くからでもそれと分かる、強い光の青。


 彼女がその持ち主だからではない。


 初めて会うその人の顔に覚えがあったからだ。






 メリザンド子爵夫人、エルリシア・リア・アスターク。


 それは薄幸の美女として語られている。


 わたしの世界(前世)では。





 アスターク公爵家の嫡男と結婚、その後、子を産まぬまま……いや、はっきり言おう。

 妊娠中、不慮の事故によってお腹の子とともに帰らぬ人となった女性エルリシア。


 彼女を深く愛していた夫、次期公爵であるメリザンド子爵は大いに悲しみ、彼女以外の妻はいらぬと全ての縁談を断り続けた愛の深い男。


 その2人が今、わたしの目の前にいる。

 わたしの兄と兄嫁(現在のところ予定)として。


 マジか。

 マジか。

 マジなのか。


「ミリアの新しいお義姉さま! よろしくお願いします!」


 わたしはにっこり笑って義姉の意味も何も分かってないアフォな5歳児のフリをした。


 うふふ、あはは、と和やかな空気を辺りに作り上げながら、わたしは脳内で転げ回った。


 なんだこれ、なんだこれ、なんだこれ!

 めっちゃ詰むヤツやんか!

 ふざけんなボケ! 責任者出てこい! 説明しろやコラぁ!!












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