な、、ない、だと?
僕は今ドレスティア迷宮の最下層にいる。
そこで195階層で倒した竜の肉を食べている。
`うん、美味しいな竜の肉は´
そんな僕の隣には、楽しそうに会話をしている二人、、いや二頭の竜がいる。
右の背の高い方がリシアで背が低いほうがヤツである。
そんな二頭を見て僕はとてもなんとも言えない気持ちでいた。
楽しそうに会話をしているから邪魔する気にもなれない、しかしいくらなんでも長すぎる。
`なんで3日も話し続けることがあるんだ!?話のネタが尽きたりしないのか?´
そう3日である、その間僕は何もするでもないただ暇だった。
`暇すぎて魔法で服を作ってみたりしたけど結構いいものになったな´
とか考えてみたりするが現状は何も変わらない。
流石に長過ぎると考えた僕は声をかけることにした。
「ねぇ、いつまで話し合ってるの?流石に3日は長すぎると思うんだけど?」
「・・・」
「・・・」
二頭からは反応が無い、会話に夢中過ぎるようだ。
「聞いてる!?流石に長すぎでしょ!?もう3日たったんですけど!?その間とても暇だったんですけど!?」
僕の言葉を聞いてリシアとヤツは
「「最後のは知らん!」」
と、声を合わせて答えた。
「とりあえずこれからのことを考えよう」
僕がそう提案するとヤツが
「そうじゃ!我も外に一緒にいかせてくれんか?ここはとても暇すぎるのじゃ」
そう言ってきた。
「どうやって出すの?確かに人化状態ならいいけど何しでかすかわからないからずっと近くにいなきゃいけなくなる。そういう面ではリシアはいいけどヤツは違うでしょ?」
そう僕が答えると。
「何、我もリシアと同じようになればええんじゃよ」
そう言いながら大きな魔法陣を足元に展開させた。
「よし、今からお主の体に我の魂を入れて一体化できるようにするぞ」
そう言って魔法を発動させようとした。
「ちょっと待ってヤツ!私だけでなく更にヤツの魂も入れたらジュンさん が.......」
そんなリシアの声が聞こえた。
`何か問題になることでもあるのだろうか?´
僕はそう思った。しかし、そんな彼を悲劇が襲うことになる。
そんなこともまだ知らない僕は魔法の発動と共に目を閉じた。
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私はリシアといいます。
今、私はとてもこまっています。
なぜなら既に私の魂が入っているジュンさんの体に、更にヤツさんの魂をいれるための魔法が、私が止めるよりも早くヤツさんが起動させてしまったのです。
いくらジュンさんがハイヒューマンだとしても伝説にも出てくるような竜の魂を二つも体に入れるとどのようなことが起こるかわかりません。
`きっと大丈夫ですよね?´
そう思いながら。魔法の効果によって寝ているジュンさんとヤツが起きるのをまつのである。
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私はアケストリアティ城の自分に割り振られた部屋のベッドに座ってボーっとしていた。
純くんが蜘蛛の注意を引いて逃げたところにあった転移トラップによってもう助かる可能性がゼロに近いと知り、それからずっとこんな感じである。
`『死』か、、怖いな。´
そう思う私、金井 愛璃であるが、勇者として召喚されてしまった以上戦わねばならないのではないかといらんな感情でいっぱいになっていた。
`悩んでても純くんは帰ってこなし報われないかな、とりあえずこの世界で生きていけるぐらいには強くならなきゃ。’
そう思いながら明日に備えて寝るのである。
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「知らない天井、、、ってことはないか」
魔法の効果で眠っていた僕はそんなことを言いながら起き上がった。
`あれ?声が高い気がする?´
そう考えていると。近くにいたのであろうリシアが心配そうに声をかけてきた。
「ジュンさん!大丈夫ですか体に異常は無いですか?」
試しに体を動かしてみる。
「手足に以上は無いけど。なんか声が高くなったかな?後は、、、、、、あぇ?」
「どうしたんですか?何か異常が、、、」
リシアが聞いてくる。
しかし、僕に起きたことは異常なんてものではなかった。
「な、、ない、、、だと?」
「な、、何が無いんですか?」
僕はそんな質問に答える暇も無かった。
ものすごい速度で自分のステータスを開いた。
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ステータス
名前:ジュン・アレスティア
種族:ドラゴン・ハイヒューマン
性別:女
レベル:1538/2000
HP:15369854/15369854
MP:369587325/369587325
能力
【光覚】【縮地】【天歩】【剣術】【斧術】【槍術】【弓術】【魔弾】【魔術】【呪術】【瞑想】【聖技】【神技】【魔眼】【付与】【威嚇】【天雷】【解体】【商業】【隠蔽】【偽装】【挑発】【吸収】【鑑定】【生成】【加工】【召喚】【格闘技】【絶対切断】【危険察知】【明鏡止水】【自然回復】【絶対破壊】
称号
転生者、竜殺し、神剣、大賢者、魔王殺し、限界突破、最強に気に入られし者、人類最強、
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僕はそのまま床に膝に床をついた。
そして、何があったかわからず慌てているリシアと目が覚めたらしいこの状況がわからなそうなヤツにこう言った。
「も、、もうだめだ、、おしまいだ、、僕の人生はここで終わったんだ」
「何があったんですかぁ〜!」
リシアがそんなことを言いながら僕の開いたままのステータスを見て、、
「こ、、これは、、た、確かに今までのジュンさんの人生は終わってしまったかもしれ、ない、、ですね」
そこにヤツが加わった。
「なんと!こんなことが起きることがあるのか。こ、、これはとても済まないことをした」
そう僕の方を二人で見た。
そこには自分の剣の切っ先を首に合わせて今にも突き刺そうとしている僕がいるわけで、、
「「何やってんの!?」」
そう言いながら一瞬で捕まり剣を奪われてしまう。
「離してくれぇ〜!僕はもういきていけないぃ〜!死なせてくれぇ〜」
「だめです!」
「そしたら我らまで死んでしまう!」
ヤツがそんなことを言った。
「「え!?」」
そんなことは知らない僕とリシアがそう反応すると。
「なんじゃ知らんかったのか?魂がジュンの体に入っておるのだから当たり前だろう?」
ヤツがリシアに「そんなことも知らずにやっとのか?」と聞いている。
「じゃあ、ぼ、僕の性別はなぜこうなったの?」
僕は試しに聞いてみる。
「多分だが、我ら竜が人間に魂を入れることは不可能、しかしおぬしはハイヒューマンなのでそれが可能なのじゃ。そして竜の魂を入れるとそれ相応に体に変化が起きる。不老になるのがいい例じゃ。今までリシアだけだったから種族と性別ともに変わらなかったのじゃろうが我が入ったことによって種族と性別が変わってしまったのじゃろう。いまなら竜の姿になれるかもしれんぞ?」
「確かにそれなら説明がつくか、はぁぁ〜、、僕はどうやって生きていけばいいんだ」
どうやら僕はとんでもないことになっているようだ。
男が女になるというのはどれほど衝撃的なのか、味わいたくないです。