楽しいダンジョン攻略
`今日は楽しいダンジョン攻略、100年以上たってるから魔物も変わってるかもね´
『そうですねぇ〜』
ダンジョン入り口前でそんな会話をしていると
「純くん!ちゃんと危ないと思ったら逃げてね!」
そんな金井さんの声が聞こえてきた。
`アケストリアティ城からドレスティア城までの馬車で3時間の間に景色を見る暇も無いくらいずっと言ってたのにまだ言うとは´
『相当心配なんですねぇ〜、私としては金井さんのほうが心配なんですがねぇ〜』
`まあ勇者は教会とかで蘇るかもしれないしね´
『それは無いと思いますよ』
`夢が無いね´
『それが現実です』
なんやかんやでダンジョンに入る時間になった。
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ダンジョンに入ってから約半日、僕たちは現在三十階層に来ている。
`なんで四十階層まではこんなに弱いんだろうね´
『それなのに唐突に四十一階層で強くなるのでたちが悪いですよねぇ〜』
`そういえば四十階層より下にとばす転移魔法のトラップってこの階層だったっけ?´
『たしかそうですねぇ〜』
`この階層に来てから後ろの騎士たちがなんか話し合ってるってことは僕をこのトラップでとばす気なのかな?´
『そうだと思いますねぇ〜』
`そうすれば穀潰し状態の僕を確実に排除できるし、金井さんへ死というものを明確に教えられる。都合がとてもいいのは確かだね´
『そうですねぇ〜』
`まあそこには僕がドレスティアを踏破できなければというのが入るけどね´
『私達が帰ってきて本当のステータスを見せて「ホントは偽装で作ったステータスで召喚されたときからこんなに強かったんです。テヘペロッ」ってしたら王様たちなんて思うでしょうかねぇ〜』
`まあ面白ければいいでしょ、そうこうしている間にそのトラップの近くに来たね’
そしてそこには三匹のウルフがいた。
`なんか禍々しいオーラを放つウルフだね、召喚獣に近いかな?´
『多分後ろの騎士の中の誰かの召喚獣でしょうね』
`これで僕をトラップに誘導してとばすってことかな?´
『そうですねぇ〜』
`間違っても金井さんがとばされないようにしなきゃね´
そんなことを話しているとウルフとの戦闘が始まった。
ウルフの一体が金井さんに飛び込んで行く。
鑑定の能力を持っていない金井さんは普通のウルフと思っていたが、振り下ろした剣があまり斬れなかったことで驚愕しながら、ウルフの突進を受けて壁際に飛ばされた。
「このウルフ普通のウルフじゃない、全然刃が通らなかった!」
`そりゃねぇ〜金井さんレベル50だけどそいつ軽く100はあるからねぇ〜、あたりまえだね´
心ん中で思わずそんなことを言ってみる。
`これはきつそうだな、ちょっと【挑発】の能力でヘイトを僕に向けて逃げ回って拡散させるか。´
【挑発】を使うと、ウルフ達が一斉に僕を見た。
`おうおう、そんな見つめられたら恥ずかしいじゃないか´
『気持ち悪いですよ』
`冗談だよ冗談´
リシアと会話をしながら追ってくるウルフから逃げていると。
金井さんが最後尾のウルフを倒し、二体目も倒し、最後の三体目も倒し終わった。
`状況に応じて戦えるのはさすがだね´
『あなたが心配でとにかく追ってるウルフを倒したって感じでしたが.....』
`そうかもね´
このとき急に地面が大きく揺れた。
そして金井さんの近くの壁からそれは唐突に現れた。
`なんで三十階層にこんなやつがいるんだ?おかしいでしょ´
そう、それはレベル100など余裕にこえた蜘蛛......ジャイアントスパイダーなのである。
`よりによってなんで蜘蛛!?´
これは流石にまずいかもしれない
`どうすればいいと思う?´
『私に聞かないで下さい』
`ど、どうしよう。今の金井さんじゃ倒せないだろうし僕が倒すと後々面倒そうだし転移トラップに僕が行けない。
ド、ドウシヨ?´
考えている内に蜘蛛が金井さんに突進を始めた。
`まってって、まってって、ちょいまちなさい...........
挑発でおびき寄せてさもたまたまなように転移トラップで蜘蛛ごとサラバ!
これ良くない?´
僕は【光覚】を使って知覚速度を上げた状態で考えた、。
『それが最善ですかねぇ〜』
`よし、そうとなれば実行だな!´
金井さんが蜘蛛の突進を受けてすっ飛んだところで蜘蛛に向かって僕は自分の剣をぶん投げた。
蜘蛛に剣が突き刺さった。
`あれ?ちょっと力んでたかな?´
蜘蛛が突進をしてきたところで転移トラップに向けて走る。
金井さんの声が聞こえたので心の中で謝りながらジャンプで転移トラップへ
このときみんなからは蜘蛛と発動した転移トラップだけが見えただろう。
そんな中僕は
`あぁ〜、非日常っていいなぁ〜´
とか考えている。
ダンジョンはええぞ