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峡夜と空羅は雲神の宮殿の前に立っていた。相変わらず不気味な空だった。そんな中でも空羅はお気楽なもんで、鼻歌を歌いながらドアに手をかけた。
「お邪魔しまーす!」
勢いよく扉を開けると、昨日とは違って室内が明るかった。昨日は変な音がした扉も、空羅の手にかかれば、バーンと音を立てて一気に開いた。そして空羅は一目散に向かい側の扉に走って行ってしまった。後ろの扉が勢いよく開け過ぎたせいで開けっ放しになっている。仕方なく、扉を閉めて歩き出した。
バーン!という音と共に前の扉も開けられた。空羅は本当に体力だけはあるのだ。蕨もやれやれといった表情で、峡夜の隣を歩いている。峡夜が向こうの扉に着いた時には、雲神は空羅と話をしていた。
「空羅に会うのは久しぶりかな?」
「うん!二ヶ月ぶり!ところで、ねぇ雲神さん!人間界行ってもいい?」
「落ち着いて落ち着いて、向こうで話そうじゃないか。」
そう言って簾の奥に案内した。ちょっと待っててというと、奥に入って行った。その後を蕨が追いかける。少しして、雲神と蕨が二個ずつ座布団を持ってきた。
「はは、蕨君は賢いねぇ。」
そう言って蕨を撫でた。
蕨も嬉しそうに撫でられて、座布団に座った。皆が座布団に座ったのをみて、
「………さて、話をしようか。」
と、雲神がにっこり笑った。
「空羅は人間界に行きたくて、峡夜は行きたくないんだよね?」
「あぁ、そうだ。」
「それは違うよ!峡夜は本当は行きたいんだよ!」
「いやちょっと待てよ、俺は行きたくないんだって。お前の事を守ってやれる自信がないんだよ。」
「大丈夫だよ、峡夜は絶対守ってくれるよ。俺だって気をつけるから!蕨だっているし!」
「俺が無理だといえば無理だ。」
「大丈夫!大丈夫!色々向こうで学びながら暮らしてみようよ!!」
「えっ、ちょっと二人とも待ってくれる?蕨君も行くのかい?」
二人はきょとんとした顔をして顔を見合わせた。




