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なんか毎日暇だな…
そうぼやいたのは白い髪の男。白くてサラサラの髪が光を反射している。右目は髪で隠れてよく分からないが、左目は水色でタレ目だ。
「同じことの繰り返しで、仕事もろくに与えてくれないなんて人間界以下だな。」
男は立ち上がって大きく伸びをした。
「ふわぁ〜…お前もそう思うだろ?」
その言葉を聞いてゆっくりと振り返ったのは黒い髪の男。黒くてサラサラの髪が光を吸収している。左目は隠れてよく分からないが、右目は赤色で少しツリ目だ。
「俺は結構楽しいよ?ここには峡夜がいるし、蕨だっている。おいしい食べ物もあるし、毎日発見がある。俺はこれで幸せだよ。」
その満面の笑みを見ると峡夜もほっこりして笑いかけそうになり、慌てて気を引き締める。
わん!それに同意するように空羅の愛犬、蕨が吠えた。蕨は少し普通の犬より体が大きい狼のような見た目で、山犬と呼ばれている。
白い毛並みと鋭い爪を光らせて、真っ直ぐと空羅を見つめている。
「ふふ、お前には毎日発見があるのか?なんだよ、聞かせろよ。」
峡夜は、そっと空羅の方へ近付く。
「えっとね〜、昨日は花を一日中見てたよ!」
「一日中!?それで?」
「んとね〜朝に咲いて夜にしぼむことが分かったよ!あとね、歌うと花が元気になるんだ。」
脳内がお花畑なこの男といると調子が狂いそうになるが、どうしてと1人にさせられないと思ってしまう。それが空羅というやつなのだ。




