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2 玉子焼器に落とした溶き卵

濃厚味付けの卵焼き。

 とある一人の男が、ガス・コンロの火で熱した卵焼器の中に、溶き卵を流し落としました。


すると、卵焼き機の中からモクモクと煙が上がり、その中に、白髭の爺さんの姿をした『熱されて出たサラダ油の精霊』が現れました。


精霊は熱さに耐えながら言いました。

「お!・・・おまっ!・・・お前が玉子焼器に落とした溶き卵は!おお!・・・オカズにする為の溶き卵かい!?それともそれとも!オヤツにする為の溶き卵かい!?」


突然の多すぎる情報に驚きながらも、私は心の中身が見た目まで染み出す程の正直者であったので「いえ、私が落とした溶き卵は、酒のツマミにする為の溶き卵です!」と、何かを期待した真っ直ぐな眼差しでもって、精霊に正直に答えました。


すると、なに!?っと驚いた顔をした白髭の精霊は。

「うううううむ!・・・しょっ!正直者ぉ・・の・・お前には『ウシウマ・トロチーズ卵焼』を授けよう!!」


『熱されて出たサラダ油の精霊』は、そう言った直後、私の「有り難う」の「あの字」のお礼の言葉を聞く事も無く「あちい~!」っと叫びながら、キッチンの換気扇へと吸い込まれて行きました・・・。


斯くして私は『ウシウマ・トロチーズ玉子焼』成る物を授かったのでありましたが・・・。

これが、食べてみると、とても美味しいのです!!


「有り難う!泉の精霊・・・。じゃなかった!『熱されて出たサラダ油の精霊よ』!!」

私の、その感謝の叫び声は、ガスコンロの前で立ち食いをして居た私の目の前の換気扇に吸い込まれ辺りに轟き、後日、ご近所の噂話となりました。

「あそこの○○さん・・・。前から噂になってたけど・・・つい来た(キタ)みたいですよ・・・。」・・・と。


 そんな訳で、ここに『ウシウマ・トロチーズ玉子焼』のレシピを、全世界に向けて発信する事に決めた私は、ここにそれを記したいと思う。

誰かが先に考案してたとしても、私としては世界初の発表なのだ!

正確言うと、考案者は私では無いのだが、そうするのだ!



うむ。


では。

用意する1~2人前の食材


玉子 2個


新し(ニ○ウ)・コンビーフの缶詰め2分の1(高価なコンビーフでも可)


とろけたりするチーズ(プロセスでもシュレッドでも可) 適量


和風出汁の素(好みの出汁の素で可。顆粒でも液体でも可) 適量


サラダ油(オリーブ油、米油、大豆油などの方が、より健康的で良い)



手順


1 玉子を混ぜやすい器に割って入れ、出汁の素を適量入れて軽く混ぜ合わせる。


2 卵焼器に油を引き、軽く煙が立ち上るぐらいまで加熱する。(※加熱時に、サラダ油の精霊を出そうとするのは危険なので、お止めください。)


3 温まった卵焼き器に、味付けした溶き卵を全て流し入れ焼き始め、直ぐに とろけたりするチーズ を全体に散らし、続けて 新し・コンビーフ を全体に散らす。


4 卵が程々に焼けたら、丸める!(融けたチーズを上手く包み込んで下さい!)


5 皿に玉子焼き器をひっくり返す様にして、焼いた卵焼きを載せる。


6 お好みで切り分ける。


完成!

仕上げの味付けは、醤油でも、マヨネーズでも、トマト・ケチャップでも合うが、何も無しでも美味しいぞ!

さあ!お熱い内に、どうぞ!!



 正直な所、私は卵焼きを作るのが、あまり上手く無いので、その辺のコツは、自分で調べて頂きたい。

そんな訳で、自分や家族が食べる分には形が多少崩れてても、美味しく食べてるのが現状である。


この、ニ○ウ・コンビーフだが、競馬好きの中には「私は馬に世話になってるので、馬肉は食べない主義ですから、コンビーフは勿論、馬肉の混ぜ込まれた『新しコンビーフ』であっても、絶対に食べません!!」と、言う人が居たりする場合もありますので、他人に提供する時はコンビーフ共々、注意して頂きたい!

下手をすると、思想や宗教問題に近い問題に発展する可能性を秘めてるから要注意である!!

そんな場合の代用としては ツナ缶(の中身) が、相性、コ・ス・パ、共々とても良いので、オススメである。



さてさて。

実際の話し。

この『ウシウマ・トロチーズ卵焼き』だが、今では疎遠に・・・。いや、絶縁となった友人(男性)宅で、中学時代にご馳走になり、それ以来、長年に渡って時々作っては食べてるのである。

酒のツマミと言ったが、実際はご飯のオカズにする事の方が多く、月に一度程度は食べたくなる料理である。


私も今は、こんな人生になってしまったが、彼は今頃はどうしてるのか・・・?と、特にこの卵焼きを作ったり、食べたりしてる時に、たまに思う事もある・・・。


 学生時代とは不思議である。

数年に渡り連日の様に顔を合わせてた連中の多くが、卒業式を最後に、二度と会う事も無いのだから・・・。


そうした友人達とは、絶縁など、してないのにである。


しかし、私が、彼らにとって良い事で有名にでも成れば、その幾人かは、きっと何処からか現れるのだろう。

実際、今の私が偶然でも無く、意図して過去の友人に会ったとしたら、きっと訝しがられるだけだろう。

そして、偶然の出会いでも無ければ・・・詰まり、どうにかして連絡を取って会ったりしても、私から話したい事も特に無いのである・・・。


 人生って素敵で不思議で、そして悲しいものですね・・・。



お試し頂ければ幸いです。

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