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偽善者の語り部  作者: テト
8/26

一人の女の子はドラゴンと友達になる(後編)

物語2

今回はちょっと長めです。


この世界においてドラゴンはルーファスを除くと

既に絶滅していました。その理由はドラゴンから

採れる素材はどれもが強力な武器や防具、道具になり人間達がこの世界のドラゴンを狩り尽くしたからでした。そしてそんな中で冒険者達にある噂が流れていました。今いる町の西の方の奥地にあるといわれる人知れずの森にこの世界で最後の一匹のドラゴンがいるという噂が・・・・・・




****




一人と一匹が出会ってから五日は経とうとしていました。

そんな二人は今現在激しい熱戦を繰り広げていました。




「・・・・」



『・・・・』



余りにも熱中して二人がやっている事それは・・・

棒倒しである。棒倒しと言っても某大学がやる

体育会系のアレではなく、砂山に棒をして互いに砂を

少しづつ削っていき棒を倒した方が負けという

別名山崩しという遊びである。



ルウは意外にも砂山の砂をガツンとと削っていくスタイルらしくルウのターンになると砂山の砂は無残にも消え去る・・・



逆にルーファスは前足の指の爪先の爪で慎重に慎重に削っていくスタイルである。



お互いが頬に一筋の汗を流し余りにも白熱している

今試合現在20ターンを既に超過しているにかかわらずまだ、終わらない。

削るに削られ見るも無残な姿になった砂山は例えるならリンゴを種だけを残して丸齧りしたような虫食い状態であった。



そして数えるのもやめたルウのターンルウが少し砂山を削ると・・・



「あ」



『あ』




ポト



『うおしゃっっっーーー!!!!勝ったー!!!』


長い戦いを制したのはルーファスだった。

ルーファスの叫びながら激戦を繰り広げた末の

勝利に浸っていた、その姿はとてもドラゴンには見えなかった・・・いや、まあドラゴンだけど・・・



「うー、負けた!!!」



と負けたにもかかわらずルウはとても笑顔だった。



「ねえ?ルーファス?次は何して遊ぶ?」


未だ、自分が勝ったことで大はしゃぎなルーファスに向けて、ルウは次は何をするの?とルーファスに

語りかけた。



『ふむ・・・そうだなぁ・・・次は・・・』


次は何して遊ぶか深く考えていたルーファスはふと

ある者たちが自分の領域に入ってくる事に気がついた



『ん?何だ?』


ルーファスは感じた、自分の領域内複数の人間が入ってくるのを、そしてどの人間から尋常じゃないほどの殺気が溢れている事にも・・・




****



ルーファスとルウのが激しい?戦いをしている中複数の人間・・・約30人くらいからなる凄腕の冒険者たちがルーファスの領域内の側まで来ていた。



「・・・ここだ、ドラゴン特有の結界が張ってある、

恐らく侵入者を感知する者だろう・・・」



冒険者の中で一つ飛び抜けた力を持っていた男、

コトは言った。



ここにいる者たちは噂を聞きつけ30人くらいからなる大規模のパーティを組んで絶滅されたと思われていたドラゴンを狩りに来たのである、半ば噂なため信じる者は居らず今までずっと人知らずの森を探索しようとする冒険者はいなかったがコトは己の長年のカンが

訴えていた、この森にドラゴンがいると・・・

そして仲間を集め、ここまでたどり着いたというわけだ。



「さあ・・・入るぞ」


コトがそう言うと冒険者たちは一人とまた一人と

ルーファスの領域内のに入っていた。



****



『・・・隠れろ・・ルウ』


「ど、どうしたの?」


ルウは突然のルーファスの豹変ぶりに驚きを隠せなかった。その変わり方は初めて会った時と似ていた。

だか今回の変わり方は前の時とは真逆だった。



『早く!!早く隠れるんだ!!!』


ルーファスは慌てていた、今直ぐそこまで来ている人間たちは明らかに以上な程の殺気と欲望が溢れているのに気付いたからである。



「う、うん?わかった」


そう言うととルウはルーファスより少し遠くにある

茂みまで走っていきその中に隠れた。


『来たか・・・』


ルーファスがそう言うと森の中から何人もの冒険者が現れた。


「おお!!本当にいやがった!!」


「こりゃうまくやりゃ今後の人生安泰だぜ!!!」



冒険者たちそれぞれがドラゴンが本当にいた事に

一瞬動揺したかのような動きをしたがまた一人

また一人と己の欲望口ずさんでいた。


「さあ、お前ら・・・狩りの時間だ・・・」


冒険者たちのリーダー、コトがそう言うと冒険者たちが武器構えルーファスを襲い始めた・・・


****



そこからは何人もの人間が死んでいくそれは誰もが

分かっているはずだった。だが、いざ戦いの火蓋を

切りもう既に10分は戦っているだろう、なのに冒険者側誰一人死者は出ていない、確かに冒険者達は凄腕揃いだ。だが、流石に犠牲者が出ているのが普通だと思えるぐらいの時間は既に過ぎている。リーダー、コトはこの状況に少しおかしいと感じたが構わず戦い

続けた。




ルーファスは力を出せずにいた、何故なら彼らを

誰一人殺したくなかったからである。ルーファスは

あの男と出会い、もう二度と無意味な殺し合いをしたくないと思っていたからだ。だが人間達はそんな

ルーファスの思いをつゆ知らずルーファスを攻撃し続けた・・・



そして・・・



ズシン・・・



とうとうルーファスは倒れ込んでしまった。


おお!!というどよめきが冒険者達から起こった後はトドメを刺すだけだという状況になり、コトが一人でルーファスの顔近くまで歩いてきた。それはまるで

死神が死の宣告を渡すかのように・・・


「さあ、終わりだ・・・」


そう言うとコトは自分の武器を振り上げルーファスにトドメを刺そうとした。だが・・・



「やめてぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」



ルウがコトとルーファスの間に割り込みルーファスを庇うようにコトの前に立っていた。


「・・・退け、小娘・・・」


コトは殺気を放ちながらルウに言った。



「・・・い、嫌、絶対どかない!!!」


身体中の震えが止まらない中、ルウは叫んだ。


「そうか・・・」







ドス







「・・・え?」


咄嗟に目をつむってしまい、ゆっくりと目を開けると自分の武器を地面にねじ込ませて立っていたコトがいた。




何が起きたかよくわからず混乱しているルウにコトは

言った。


「今回は見逃してやる、だからそこのドラゴンと一緒にどっかいきな。」


そう言いつつコトは振り返り来た道を引き返すかのように歩いて行った。



「ええ、いんですかリーダーあんな大物を!!」


「今ならやれるやっちまおうぜ!!」


冒険者達がそんな事を言っているとコトは言った。



「貴様ら・・・鬼にでもなるつもりか・・・」


そう言うと一人コトは去っていた。


コトの言った意味を半ば理解した冒険者達はバツが

悪そうな顔をし一人また一人と去っていた。



残された一人と一匹は状況をよく理解しておらず、

呆然と見ていたが、ルウがハッとした様子を見せるとルーファスに向かって言った。



「大丈夫!!!ルーブァズゥゥゥ!!」


泣きながら自分の事を案じてくれているルウを見て

ルーファス笑った、そしてルーファスは決心した。

昔あの男には言えなかった事を言おうと

思ったからだ。それは・・・




『なあ、ルウ・・・我と友達なってくれるか?』


と・・・・

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