帰宅
「ただいま帰ったのぜー!」
「「「おとーしゃん!おきゃえりなしゃい!」」」
「まりさ!おかえりなさい!」
日も高くなった頃。
れいむと子ゆっくり達は父まりさの帰宅に声を弾ませる。
「今日は沢山ごはんさんがとれたのぜ!」
木の実さんや虫さんやキノコさん。どれもゆっくりにとってはご馳走だらけだ。
「すごいよ!さすがれいむのまりさだよ!さっそくごはんさんにするね!」
「今日は天気もいいし、お外で食べるのぜ!」
確かに今日は天気もいい。ちょっとしたピクニック気分を味わえそうだ。
れいむは保存食として木の実やキノコの一部を巣穴に入れると、残りを外に並べた。
「まりさの!」「れいむの!」「「まりちゃの!」」「れいみゅの!」
「「「「すーぱーむーしゃむーしゃたいむ!はっじまっるよー!」」」」
「まりちゃいもむちしゃんたべりゅー!」
「まりちゃもいもむちしゃん!」
久しぶりのご馳走にがっつく子ゆっくり達。
「「「むーちゃむーちゃ・・ちあわちぇぇぇぇ!!」」」
その様子を眺めながら、母れいむはゆっくりと笑う。
隣を見ると、父まりさもおちびちゃん達を眺めていた。
「まりさ?たべないの?」
「ゆっ。まりさは草さんを食べたのぜ。おちびちゃん達。まりさの分もあげるのぜ。」
「「「おとーしゃん!ゆっくりありがちょう!」」」
「まりさ・・・。」
いつも一家を支えてくれたまりさ。
無事に越冬できたのも、このまりさがいてくれたおかげだ。
「なんだかきょうはまりさがすっごくおおきくみえるよ!」
「ぶっ!?そっ!そうかなのぜ!」
父まりさが視線をそらす。照れているのだろうか。そんな父まりさを見て、れいむもゆふふと笑う。
「はーしかしあれだな。そろそろ限界だ。」
父まりさはそう呟くと、まだごはんを食べている兄まりさを掴んで。
「ゆ!おしょらをとんでるみたい!」
そのまま握り潰した。
断末魔の悲鳴もなくただ餡子をぶちまける兄まりさ。
「ゆぇ・・・?」
何が起こったのかわからない。
まりさが・・・おちびちゃんを・・・?
「ゆっゆわあぁぁぁぁああ!なにやってるのおおおお!おちっおちびちゃぁぁああん!」
まりさが?なんで?なんで?なんで!!
「どうじでごんなごどずるのおおおお!!」
「このまりさはゲスなのぜ。だから制っ裁したのぜ。」
「ゲスなんかじゃないでしょぉぉおお!!まりさとれいむのおちびちゃんなんだよぉぉお!!」
声の限りに叫ぶ母れいむ。
一方妹れいむは茫然と、まりさだった餡子の塊を眺めている。
「おにい・・・ちゃん・・・?」
目の前の出来事がまだ信じられないと言った様子で。
「まってちぇね!まりちゃがぺーりょぺーりょしてあげりゅからにぇ!」
意外にもすぐ反応を示せたのは弟まりさ。ゆっくり最高峰の治療法「ぺーろぺーろ」をしようと兄まりさに近づく。
が、その前に父まりさに蹴飛ばされてしまう。
「ダメだよーおちびちゃん。餡子なんて舐めしあわせーになっちゃうからねー。」
木の幹に当たった弟まりさは、そのままただのシミ汚れになった。
「あ・・・あ・・・」
茫然と立ち尽くす妹れいむ。
「ごみぇん・・・なしゃい・・・」
「おちょーしゃん!ごみぇんなしゃい!れいみゅたちなにかわりゅいことしちゃんでしょ?」
「だかりゃごみぇんなしゃい!ごみぇんなしゃい!いちゅものおちょーしゃんにもどっちぇ!」
妹れいむの悲痛な叫び。
母れいむは目の前の現状に餡子がおいついていなかった。
おちびちゃんが悪い子?そうなのだろうか?
もしかしたら自ゆんの知らないところで、何かあったのかもしれない。
そうだ。そうでなければあのまりさが、意味なくおちびちゃんに酷いことをするわけがない。
きっと何か理由が・・・。
「ん?おちびちゃんは何も悪いことしていないよ?」
「え・・・?じゃあ・・・なんれ・・・?」
「お父さんはね、本当はれいむのことも、おちびちゃんのことも大嫌いなのさ。だから潰して殺す。それだけだよ。」
「ぇ・・・・」
「でももう飽きちゃったなー。俺はもう帰るから、あとは君たち2ゆんでがんばって生きるんだよー!」
そう言って歩いていく父まりさ。
その姿を、2ゆんのれいむは見つめていた。
いつまでも、いつまでも。
ただ、じっと見つめていた。




