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#7

【作者より】


この作品は実際に出版打診の経験がない作者が書いたものです。

実際の出版打診と全く違いますと思いますので、あらかじめご了承ください。

 数分後……。

 益子が編集部からブースに戻ってきた。

 彼の手にはスケジュール帳や筆記用具などを持っている。


「日下部先生、お待たせして申し訳ありませんでした」

「いえいえ。とんでもございません!」

「では、打ち合わせを始めましょう」


 益子はスケジュール帳を日下部氏はメモ帳を開く。


「今は10月だから……一応、余裕を見て、半年後の来年の4月の15日に第1巻を出せるようにしましょう」

「分かりました」


 日下部氏はメモ帳に発売日をメモに取る。

 益子は彼がコピーしてきた原稿が視界に入った。

 その原稿は赤ペンで「誤字!→○○」とかの書き込まれている。


「これですか? 待ってる時に少し読んでみておかしいところは直してました」

「そうでしたかぁ……。1回読ませていただいてもよろしいですか?」

「どうぞ。気になったところはたくさん書き込んでも構いませんので!」

「すみません。失礼します」


 益子は青ペンを持ち、日下部氏の原稿を受け取り読んでみる。


 キャラクターの名前に線を引き、「この人物は初登場のため、読み仮名を」と書き込み、ある一部分を○で囲み、「もう少し会話があるといい」、「もう少し描写がほしいかな」などと書き込みをしていく。

 その時は日下部氏は読み進めながら手早く原稿にダメ出しを書き込んでいる益子の姿を緊張しながらじっと見ていた。



 *



「読み終わりました……」

「お、お疲れ様でした」


 益子は青ペンを置き、その原稿を日下部氏を返した。


「一応、気になったところは書き込みを入れましたので、詳しく説明しますね」

「ハイ。お願いします!」

「まずは第1話の登場人物の――」


 彼は青ペンで書き込んだところを指を指し、詳しく説明する。

 一方の日下部氏はメモ帳に益子からの指摘を大まかにメモしていた。


「――――以上ですね」

「きめ細かく説明していただき、ありがとうございます! ボクがや読者さんが気づかなかったところがたくさんあったので、驚いています」

「自分も読んでいましたので、たくさん突っ込んでしまいましたが、参考にしていただけると幸いです」



 *



 あれから、何度か打ち合わせを行った。

 今現在、日下部氏の原稿は校閲担当者に渡っている。


 イラストレーターからラフ画をいただいたりしている間に、校閲担当者からの原稿が届き、再度見直し、第1巻分の作業が終わった。



 *



 そして、発売日の1週間くらい前に『いくつになっても恋をしたい』の第1巻の製本されたものが日下部氏の家に届いた。


「ついに、ボクが書いてきた作品が本屋さんに並ぶんだなぁ……」


 彼は仕事をしながら書籍化作業を行ってきた。

 「なろうブックス」の編集者によって拾い上げられたこの作品。

 最初は趣味で『小説家になろう』で書き始めたが、まさか拾い上げで書籍化するとは思ってなかった。


「たくさんの人に愛されるといいな」


 日下部氏はその製本を携帯電話で撮影し、待ち受け画面に設定した。



 *



 そして、迎えた発売日である4月15日……。


 彼は仕事を終え、近場の本屋をいくつか回った。

 それらの本屋には彼の本が並べられている。


「あっ、並んでる。こっそり立ち読みしたり買ってるところを見守ってみよう」


 日下部氏はそっとその様子を見守った。

 その本を手に取って立ち読みをしているところを見てとても嬉しくなった。

2016/07/24 本投稿

2017/01/29 大幅改稿に伴い、話数変更

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