#5
【作者より】
この作品は実際に出版打診の経験がない作者が書いたものです。
実際の出版打診と全く違いますと思いますので、あらかじめご了承ください。
益子からの電話を終えた日下部氏は更新の確認画面を開く。
「さて、更新するか……」
彼は『いくつになっても恋をしたい』の最新話を更新した。
「さっきの最新話の後書き欄にそのことを書いておけばよかったかな……」
彼はそう言ったが、その後書き欄に「書籍化決定しました!」と書くことに少し抵抗があった模様。
「そうだ。活動報告を使って知らせればいいんだ!」
彼はあれから10分くらい時間をかけてじっくりと活動報告を書き込む。
書き終わったそれも更新し、一旦パソコンの電源を落とした。
*
そのあとはやるべきことをこなし、日下部氏は再度パソコンを電源を入れる。
『小説家になろう』にアクセスし、「小説情報」を開くとブックマークが増えていることに気づいた。
「あれ? ブックマークが増えてる……」
彼は少しだけ唖然としており、「この作品のアクセス解析を見る」と書かれたところをクリックする。
「アクセス数がこんなに伸びてる!」
日下部氏は今まで更新した時のアクセス数の中で今回はいつもより多くのPV数となっていた。
やはり、活動報告で「書籍化決定」と書いたからからだろうかと思い、ユーザホームを見てみる。
そこには「活動報告コメント一覧が更新されました」と「書かれた感想一覧が更新されました」の2つの赤い文字が表示されていた。
その記事に書かれたコメントは……。
「書籍化決定おめでとうございます!」
「おめでとうございます!」
「日下部さん、書籍化決定おめでとうございます。無理せずに頑張ってくださいね!」
などと彼が登録したお気に入りユーザからはもちろんのこと、はじめて見るユーザからもたくさんのコメントが書き込まれている。
感想も数件寄せられていた。
もちろん、「一言」を書く欄には「書籍化おめでとうございます!」を添えて――。
「……ボクの作品……こんなにたくさんの人に読んでくれていたんだ……」
日下部氏は数分間コメント欄を見て感動の余韻に浸り、1人ひとりにコメントの返信と感想の返信をしていった。
*
あれから3日くらい経ったあたりのことである。
益子から彼に「その作品に関する打ち合わせをしたいので、文庫本約1冊分のデータを編集部まで持ってきてほしい」という電話を受けた。
日下部氏は投稿したもののデータをバックアップしていたため、文庫本1冊分に相当する話数まで印刷する。
その日の夕方益子から再度電話が鳴り、地図のFAXが届いた。
翌日、その原稿の入った鞄を持ち、彼は緊張した面持ちで編集部に赴いた。
2016/07/23 本投稿
2017/01/29 大幅改稿に伴い、話数変更




