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#2

【作者より】

大幅改稿に伴い、書き忘れてしまったエピソードを2話分挿入させていただきました。(今回はそのうちの2ページ目です)


ブックマークのしおりがおかしくなっていると思いますので、ご了承ください。

 はじめての顔合わせから数時間が経過した。

 編集者たちはブルーライト対策のため、専用の眼鏡を装着し、自席のデスクに向かっている。


 今、彼らが見ている画面は小説投稿サイトの『小説家になろう』に投稿されている作品。

 読んでいるジャンルは編集者によってばらつきがある。


「うーん……」


 一人の女性が首を傾げながらなにやら悩んでいるようだ。


「栗林さん」

「はい。益子編集長、どうされましたか?」


 栗林と呼ばれた女性は編集長の益子に声をかけられ、疑問に思った彼女は彼に問いかける。


「えっ、作業は順調かなぁと思って……」

「全っ然、順調じゃないですよ! ねぇ、新垣さん、早見さん!」


 栗林が益子に少し怒ったような口調で答えると、彼女の右隣のデスクの早見と正面のデスクの新垣にも話題を振られた。


「実はわたしも順調じゃないです」

「俺も……」


 彼女らもげんなりしながら答え、栗林と同様に順調ではない様子。

 それを聞いた他の編集者たちも目を(こす)ったりして順調ではないと訴えているようだ。


「みなさんも順調ではなさそうですよ? それに、今月はこの「なろう文庫」の立ち上げに伴い、ほぼ全ジャンルから書籍化の打診ですよね!? しかも、一人四作品選ばなければならないので、かなり大変です!」

「書籍化する作品を選ぶ大変さは僕にも分かるよ? ところで、三人は候補とかはあるのかな?」


 益子は彼女らに問いかける。


「そう言われてみると、俺はあるかもしれないっす」

「わたしもあるかも……」


 早見と新垣が指を折りながら数え始めた。

 彼女らは担当編集者の経験があるため、候補は十以上はある模様。


「栗林さんは?」

「一応、気になる作者さんは何人かいますが……」


 一方、担当編集者の経験がない栗林は少し戸惑いながら彼の質問に答えた。


「そういえば、栗林さんは出版打診をするのははじめて?」

「はい。今までは先ほども言った通り、「電子書籍編集部」にいましたので……」

「そうだったね……そこはすでに製本された(もの)の電子書籍化が仕事だったもんね……僕も「なろうブックス」の編集者だった頃は今の栗林さんみたいに、はじめて出版打診をした時は大変だったなぁ……」


 益子がしみじみと過去を振り返っているような口調で話す。

 彼女は「そうだったんですか!?」と驚きを隠せないようで、彼は相槌(あいづち)を打った。


「あ、あの……」

「その話、聞かせてもらってもいいですか?」

「編集長、俺も聞きたいっす!」

「私も!」

「僕も!」


 栗林が言おうとしていたことを新垣が先に口走る。

 そのことは彼女らはもちろんのこと、他の編集者たちも益子の過去話に興味を示したようだ。


「みんなして……僕の話が参考になるか分からないけど、気になる人がいるようだから、会議室で話させていただくよ。それが終わったら、仕事に戻ってくれよ」

「「はい!」」

「「分かりました!」」


 益子はおそらく会議室に数人くらいしかこないだろうと思いながら編集部から出て行く。

 ところが、編集者たちは彼の話に興味があるため、全員で会議室(そこ)に向かった。

2017/01/29 本投稿

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