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16/19

#15

「他に意見や質問はないかな?」


 益子は編集者達の顔を見回す。

 彼らの反応はなかったため、「ないみたいだから、次に行こう」と次の編集者に話を振った。


「ハイ。よろしくお願いします!」

「2番目は新垣さんが選んだ作品だね」

「ええ。わたしが選んだ作品は『華燐のほのぼの日常日記』を紹介したいと思います」


 新垣が椅子から立ち上がると、一斉に資料(レジュメ)を捲る音がする。

 栗林も他の編集者達に習い、資料(それ)を捲った。


「その作品、実は俺が狙ってた作品!」

「あたしも狙ってました!」

「僕も!」


 あちこちから飛び出す「狙っていた」という言葉。

 新垣は特に回りを気にせずに自分が選んだ作品が他にも候補に入れたいという編集者が多くいたことが明らかになった。


「もう……いいです」


 彼女は自分に向けての非難だと思い、その場にいづらくなり、会議室から出て行こうとドアノブに手をかけている。


「おい! 待て!」


 早見は椅子から立ちあがり、新垣のところに行こうとしたが、その頃には彼女の姿は会議室(そこ)にはなかった。



 *



 新垣が選んだ作品に関して騒がしくなってきた会議室。

 それに対して少し苛立ちを覚えた早見は益子に一言「ちょっと出てきます」と言い、席を離れようとしていた。


「みなさんは新垣さんのことを非難してないと思いますが、俺はこれから一緒に頑張ろうとしている仲間を手放しなくないんっすよねー。なので、俺は彼女のことを探しに行ってきます」


 彼は他の編集者達にこういい残すと急いで新垣の行きそうな場所を探し、回り始めるのであった。

2017/11/08 本投稿

2017/12/31 誤字修正

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