よくある八十六話 ドレスと公私混同
ユー視点から始まります。
ユーラインside
「公務ってこんなに疲れるものなの……?」
私は座っている椅子にもたれかかりながら言った。
「直に慣れますよ。」
そう返答したのはこの前まで父上の執事をしていたショーン。今は私の執事だ。
「さてユーライン様、このあとは財務大臣との会合です。」
「はぁ……、私あの男が嫌いなんですよね……。」
いつも私をいやらしい目で見るんですよね……。あの男って確か50歳越えていましたよね?
「そんなこと言わずに、あなたはこの国の女王になるんですよ。公私混同はしないでください。」
「そんなこと分かっているわ……。」
はぁ……、王様ってこんなに大変なんですね……。
「失礼します!!」
そう思っていると城の兵士が入ってきた。
「なんですか?」
「実は正門でユーライン様にお会いしたいと言っている者がいるんですがどうしましょう?」
誰ですか……。
「帰ってもらいましょうかユーライン様?」
「そうですわねショーン。」
さて、あの変態男に会いに行くためのドレスを選ばないと……。
「あの、その会いに来ている男はシン・ジャックルスと言う名前なんですが……。」
「え!?」
え、し、シンさんが会いに来た!?ちょ、長期休暇が始まってまだ数日しか経ってないのに会いに来てくれた!?
「あのユーライン様……、どうかなさいましたか?」
「兵士の人、下がってください。」
「はい!!」
そう言って兵士の人は下がっていった。
「ショーン、」
「はい。」
「シンさんを城の中に案内してください。そして最大級のおもてなしをしてください。無礼があっては絶対いけませんわ。」
「かしこまりました。しかし財務大臣との会合はどうするのですか?」
あ、そんなこともありましたわね……。
「財務大臣には悪いですがキャンセルしてください。」
「はい!?しかしもう財務大臣は準備をしているのですが……、」
「そんなことどうでもいいですわ。それよりも私はシンさんに会うためのドレスに着替えますから出ていってください。」
城に帰ってきてすぐにシンさんに会うためのドレスを選んでいてよかったですわ。
「ユーライン様!!先ほど公私混同をしないでくださいと私は申したはずです!!」
「ショーン、シンさんは私の友人です。わざわざ会いに来てくれたのですから会いに行かないのは王族の威厳に関わります。それに財務大臣はいつでも会えるでしょう?」
本当は友人ではなく命の恩人なんですけどね。
「そ、それはそうですが……、」
「早くシンさんを城の中へ案内してください。待たせてはいけませんわ。」
「かしこまりました……。」
さて、お化粧もしないといけませんね……。シンさんに会うんですからしっかりとしないと!!
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う~ん……、やっぱり鎧は置いて来た方がよかったかな……?
「あなたがシン様ですね?」
門からいかにも執事みたいな老人が出てきた。もしかして名前も……、
「私はユーライン様の執事をしているショーンと申します。」
違った……。
「城の中へご案内します。さあ、こちらへ……。」
よかった……、ユーに俺が来たことが伝わったらしいな。
「その鎧もお持ちします。」
「あ、よろしくお願いします。」
「しかし変わった鎧ですね。見たことありません。」
やっぱりこの鎧は他の国の物か……。この国の王族の執事が見たことがないんだ。ようやく確信がもてたな。
「ではこの部屋でお待ちください。」
案内された部屋は俺がかつて王様を殺した王の間だった。王様と俺との戦いで壊れたところは全て直っていた。
さて、どうなることやら……。
執事の名前、セバスチャンかショーンで迷いました……。




