よくある四十九話 不安とシンの本気
決勝戦その四、もといシンの本気の片鱗が出る話です。
「サイズは変えられますから大丈夫です!!おそらくですけど勝つためには着ける必要があるんでしょう!?早く着けて下さい!!」
いやユー、それが問題じゃないんだ。
俺がなんでこれを着けるのに悩んでいる理由は『これで本当に『黒き光』が制御できるのか』なんだ。この烈火祭が終わってから来るもんだとばっかり思ってからな……。
制御出来なかったら大変なことになる。
おそらくもう平穏無事な生活はできないだろう……。
着けたくねぇ……。
「それはなんなの?それを着けたらボクに勝てるようになるの?だったら早く着けて本気を出してよ。」
……………ひさびさにイラッときたな。ぶっつけ本番で制御出来なかったらお先真っ暗だがあんなこと言われたんだから着けるしかないな!!
俺は立ち上がり腕輪を指輪サイズにして親指に着けた。
すると俺の魔力が思いっきり下がった。
「え?」
あ、ヤベェ、そう言えば封印したまんまだったな……。
格闘少女も呆気にとられてるな……。
「ともかく、立ったんならやる気はあるんだよね?なんで魔力が下がったのかは知らないけど、容赦はしないよ!!」
格闘少女が向かってきたな……。
とっとと開放しようか。
「………『開放』。」
俺の魔力が思いっきり上がった。
え?俺こんなに魔力あったっけ?王様と戦ったときよりも上がってねぇか?
ああ、これが宿泊訓練の成果なのか……。
ともかく、
「ふぅ、こんなに強い魔力が出てるのに『アレ』は出てないみたいだな。」
あ、声に出てた。ま、いっか。どうせ聞こえないだろう……。
「こんなところで本気は出したくはないけど……、」
流れ的に出さないといけない雰囲気だからな……。
「仕方ない、ちょっとくらいならいいか。」
瞬殺すれば大丈夫だろう……。
「ちょっと本気だすから覚悟しろよ格闘少女。」
とっとと片付けるか……。
「!!!?覚悟なら……、とっくに出来てるよ!!」
格闘少女は俺に向かってきた。もう自殺願望者に見えてきたな……。
昔作ったとっておきの身体強化魔法を使うか……。
「『雷宝氷神装』!!」
さっきまで付けていた『雷氷装』とは比べ物にならないほどの雷と氷が俺を纏った。
「!!!?」
「言っとくけどさっきまでのと同じものと考えてたら死ぬぞ。」
俺は音を置き去りにして格闘少女に正拳突きを撃った。格闘少女は反応できずに吹っ飛んだ。声も出さずに。
「「「「………………………。」」」」
『……………………。』
おーい、実況の人、仕事しろー。観客の人、ちょっとは反応しろー。
さすがにこれはやり過ぎたかな……。けど、これが開放状態で一番地味な魔法なんだよな……。
「ぐっ……。」
格闘少女が立ち上がった。あれを食らってまだ立てるのかよ……。
「おーい、格闘少女。お前本当に何者なんだ?」
「それを君が言うの?」
ごもっともだな……。
「君は本当に何者なの?」
何者と言われても……、こう答えるしかないよな……。転生者なんて答えるわけにもいかないし……、
「俺はシン・ジャックルス。普通の平民の出身で普通の男だよ。」
『「「「「「それ、絶対に違うと思う!!」」」」」』
会場全体がハモったな……。なんでだ?
今のシンの本気は強いですよ。おそらく『黒き光』なんて使わなくても世界を滅ぼせます。
チートだった魔力がさらに進化しましたからね……。
次で多分決勝戦が終わります。
シンの使ってた魔法の紹介です。
『雷宝氷神装』:シンの本気の時に使うオリジナル攻撃魔法。『雷氷装』の強化バージョンだが魔法の質は全然違う。名前はシンがテキトーに決めたらしい。シンは『黒き光』に頼らないで戦えられるように模索してるときに初めて作った魔法。




