よくある四十七話 『覇気装』と格闘少女の本気
決勝戦その二の話です。
「死なないでね?」
どうしよう……。さっきまでの戦いじゃあ付いていくので精一杯だったのに……。本気出させちゃったよ……。
「来ないならこっちから行くよ!!」
「!!!?」
格闘少女はさっきとは比べ物にもならないくらい速いスピードで正拳突きを繰り出した。
「ぐおっ!!」
俺はなんとか両腕でガードした。だが衝撃でちょっと吹き飛んでしまった。
痛ぇ……。『雷氷装』付けてなかったら両腕粉砕骨折だったな……。
けど格闘少女の使ってる魔法……、何かがおかしい……。
「まだまだぁ!!」
俺の予想が正しかったら……、
「ふっ!!」
『おおっーと!?シン選手が跳んだー!?なんの意味があるのか!?』
こうしたらあの魔法は無効化されるはず!!
予想が外れてたら詰むんだけどな……。
「跳んだら避けれると思ってるの!?」
『シャルドネ選手も跳んだー!!空中戦になるのか!?』
思ってねぇよ……。
「食らえー!!」
格闘少女は回し蹴りをしてきた。けどさっきの正拳突きよりも遅く……、
「ぐっ!!」
威力も弱い!!だから受け止められる!!
「!?」
『な、な、なんと!!シン選手、シャルドネ選手の神速の回し蹴りを、受け止めたー!!!!』
威力が低くて受け止めても痛ぇ……。
ともかく受け止められた。こっから……、
「うおりゃあああああああ!!!!」
『そのままぶん投げたー!!!?』
軽いから苦もなく投げれたな。
そして追い討ちの……、
「『雷氷爪』!!」
格闘少女を投げた所に一番の魔法をぶつけた。とてつもない轟音とともに格闘少女を投げた所は弾けとんだ。その少しあとに俺は降り立った。
これでちょっとはダメージを受けてくれよ……。
『こ、これは、シン選手の下克上、大金星か!?』
実況の人うるさい……。
「この程度で倒せたなんて思ってるの?」
俺が『雷氷爪』を打った場所から格闘少女が出てきた。
あまりダメージを受けてないな……。
やっぱり地面に付いてる時には効果を得られるんだな……。
「思ってねぇよ。けどお前の魔法の正体はわかった。」
「?」
「『覇気装』ってネーミング負けしてるぞ。ただの土属性の身体強化魔法、しかも地面に立ってないと無効になる限定魔法じゃねぇか。」
まさかこんな魔法を使ってくるとはな……。
「へぇー。初めてこの魔法の説明を聞いたよ。」
は?
「まさか……、どんな魔法か知らないで使ってたのか?」
「うん。」
マジかよ……。こいつ本当に魔法学園最強なのか?自分の魔法のことを知らないで使ってたなんて……。
ともかくチャンスだ。勝てるかもしれない。あの魔法の欠点をついて空中戦で戦えば……、
「弱点教えてくれてアリガト♪」
え?
格闘少女は俺に凄い速さで突っ込んできた。そしてボディーブローを繰り出した。
俺は対応に遅れて食らってしまった。
「ぐほっ!!」
しまっ……、
「まだ行くよ!!」
続けてさっき受け止めた回し蹴りよりも速く強い回し蹴りを繰り出した。
俺はまた食らってしまった。
「ガハァ!!」
俺は衝撃に負けて吹き飛んでしまった。
そして倒れてしまった。
『おおーっと!!シャルドネ選手の回し蹴りが決まったー!!あれは大きな岩をも砕くと言われるくらいの威力!!さすがにシン選手、倒れたまま動かない!!』
調子に乗ったな……。あのまま気を抜かずにいったら良かったのに……。クソ、やっぱり勝てなかっ「シンさん!!」ユー?
「頼まれてた腕輪です!!受け取って下さい!!」
観客席から腕輪にしたら小さく、指輪にしたら大きすぎる物が飛んできた。
これが『王族の腕輪』?なんか見た目はなんかどこにでも売ってある普通すぎる腕輪なんですけど……。
格闘少女は魔法に関しては疎いんです。
次は決勝戦その三、もとい『王族の腕輪』装着の話です。
そして格闘少女の使った魔法の紹介です。
『覇気装』:『土』の攻撃魔法『土装』の改良、というか劣化魔法。地面に立ってないと無効化される。シャルドネ自身が命名したオリジナル魔法。ルナとジャスリーに手伝ってもらって作ったらしい。この決勝戦で初めて実戦で使ったらしい。




