よくある百五十五話 聖炎祭一日目その十二と早とちり
その十二。
俺はエリスとミーシャと立ち話をしていた。
「そうだ、今から校舎の方に行かないか?あそこなら誰も居ないだろうし色々と話したいこともあるしな。」
「いいわね、たーくんはどうする?」
エリスがそう提案しミーシャもそれに賛成した。
「ああ、それじゃあさっさと……、」
俺も賛同しようとしたら、
「フフフフフ、何してるのかなシーンちゃん?」
修羅……、いや母さんが立っていた。
母さんの顔は笑顔だが目が笑ってない。そして物凄いオーラをこれでもかと言うくらいに放ってる。
俺を見てるエリスとミーシャは気づいていない。
「フフフ、シンちゃんに何をしようとしてるんでしょうねそこのどぶねずみは。」
俺は一瞬でさっきのエリスの言葉を客観的に整理した。
………………………まずいな……。
あの母さんならエリスを殺そうとするな。
エリスがチート持ちの転生者だとしても相手はあの母さんだ。
確実に殺されるな……。
よし!!逃げるか!!
「おい二人とも!!逃げ」
「何処へ行こうとしてるのシンちゃん?」
しかしまわりこまれてしまった!!
「誰だ貴様!!敵か!?」
「下がってたーくん!!」
二人は戦闘態勢に入った。
「あら、命知らずなどぶねずみとミニチュアですね。」
母さんも戦闘態勢に入った。
まずい!!母さんと転生者の二人が戦ったらこの学園が焼け野原になる!!
「三人ともやめろ!!」
「「「!!」」」
三人とも俺の一喝で戦闘態勢を緩めた。
「エリス、ミーシャ、この人は俺の母さんだ。敵じゃないから。」
「えっ!?この人がたーくんのお母さん!?」
「確かに強そうだが……。」
「母さんも、この二人は俺の友達でエリスもやましい気持ちであんなこと言ったわけじゃないから。」
「あら、そうなの。あらやだ早とちりだったのね。」
三人とも落ち着いたらしい。母さんからもとてつもないオーラを感じなくなった。
よかった~、知り合いが暴れて聖炎祭が中止になるってなったら申し訳ないもんな……。
「それなら二人とゆっくりとお話ししたいな~。」
「えっ?」
母さんはエリスを右手でミーシャを左手で二人の頭を掴んだ。
「あなたには聞きたいことがあるのよ。なんでシンちゃんをたーくんと呼んだの?」
そして二人をズルズルと何処かに連れていった。
ミーシャがこれを機に俺のことをたーくんと呼ばなくなるかな?
「お兄様♪」
母さんたちを見送り、一人でブラブラしようとしたら後ろから誰かが抱きついてきた。
まぁ大体分かるけどな……。
「セリル……。」
「会いたかったですよお兄様♪」
そう、元王族で今は俺の義妹のセリルだ。
「恥ずかしいから離れろセリル。」
「嫌ですわよお兄様♪」
セリルは俺の言葉を聞かない。
つーか……、キャラ変わってないか?
「ちくしょー!!今度は誰よ!!私のシンに抱きつきやがってー!!」
「もう私帰っていいか……?」
キャラ崩壊が多いのがこの小説クオリティ。




