よくある百三十三話 エリスと目
イライラしたまま意識の戻るシン。
目が覚めたら俺は保健室のベットに寝ていた。
「あ、目が覚めた?ってなんでそんなに不機嫌なんだ?」
そこには俺と同じ転生者の設計士が椅子に座っていた。
他の奴らはいないみたいだな……。
一応聞いてみるか……。
「おい、えーと……、」
そう言えば名前を聞いてねぇな。
「エリス、エリス・イリシアだ。」
そう思ってると設計士が自己紹介をした。
「俺はシン・ジャックルスだ。それでエリス、お前の前世での死に方はなんだったんだ?」
俺は自己紹介して直ぐにいきなり質問した。
「唐突になに聞いてんだよ……。まぁ私の死に方は癌で病死だ。おじいさんからは癌が治って退院した次の日に食べ物を喉に詰まらせて窒息死だったぜ。」
エリスは一瞬嫌な顔をしたが、直ぐに答えてくれた。
え~……、そりゃ疑問を感じるよおい……。
退院した次の日に食べ物を喉に詰まらせて窒息死って……。
もしそんなやついたら馬鹿にもほどがあるだろ……。
「それでシンはどうだったんだ?」
今度はエリスが質問してきた。
エリスも自分のことを言ったんだ、俺も言うか……。
「俺はな……、刺殺だった。殺されたんだよ、誰かにな。」
「は……?」
一気にエリスの顔が驚愕に変わった。
まぁそうだろうな……。
「神様は犯人を教えなかった。だからこんなにイライラしてんだよ!!」
俺は保健室の壁を思いっきり殴った。少しだけ壁にヒビが入った。
「う~ん……。」
エリスはうなりながら何かを思い出そうとしていた。
「あ、思い出したぜ。」
「何をだ?」
「おじいさんが言ってたんだよ。転生者の一人は殺人者だってな。」
俺はエリスのその言葉を聞くとベットから勢い良く立ち上がりエリスを両肩を力強く掴んだ。
「そいつは今どこにいる!!答えろ!!」
可能性はかなり低いがそいつが俺を殺した奴かもしれない!!
俺は必死だった、かなり必死だった。
「落ち着け!!私はそいつが誰か、どこにいるかなんて知らない!!ただおじいさんに転生者の一人は殺人者だって聞かされただけだ!!だから離れろ!!」
「うおっ!?」
「うわっ!?」
エリスが叫びながら掴まれている俺の両手を振り払った。
しかしその反動で、
「「え…………………?」」
俺はベットから床に倒れてしまい、エリスが俺の押し倒して乗っかってるみたいになってしまった。
そして俺とエリスの顔が凄く近づいた。エリスがする息の生暖かさが分かるくらいに。
って離れないと……。
「シンさん~、大丈夫です……か……?」
しかし運悪くリンが保健室に入ってきた。
リンの目線から見た今の俺達は、エリスが俺をベットから床に無理矢理押し倒し、俺にキスをしようとしてるように見えないこともない。
「し、失礼しましたー……、ごゆっくりどうぞー……。」
リンは笑顔で開けた扉をゆっくり閉めた。
って絶対俺が思った通りに思ってるよ!!
「ちょっと待てえええええええええ!!!!誤解だああああああああ!!!!」
俺は乗っかってるエリスを退けて直ぐにリンを追いかけるために保健室から出た。
ああもう!!色々あって頭がごっちゃだよ!!
「フフフ……、私はあなたのことをずっとずっとずーっと見てるよ♪」
俺はその時気づかなかった。
保健室の天井にくっついているむき出しの目に。
テンプレを使い過ぎました……。
後悔はしていません。




