よくある百三十一話 他の転生者と死因
シンと設計士の口調がほぼ同じになってしまった……。
俺がジル役をやることになってしまった次の日、教室に入った瞬間、みんなからの呆れたような視線を感じた。
俺なんかしたか?昨日のは自分の思ってることを素直に言っただけなのに……。
「さ、さて今日も完全優勝を目指して頑張りましょう!!」
そんな感じで嫌な空気の中、ユーが聖炎祭の打ち合わせを始めようとしたら、
ドバァン!!
と教室の扉が勢い良く開かれた。
そこにはタンクトップにジーパンを着た可愛さゼロの服なのに美少女のオーラが半端ないほど出てる女の子がいた。
「あっ、あなたが今日来てくれることになっている設計士の人ですか?」
えっ?なにその話?全然知らないんですけど……。
あ、俺が出てった後に決まったのか。
すると設計士の女の子がユーの言葉を無視して、
「なぁ、この中でジェットコースターを考えたって奴は誰だ?」
そう設計士が言うとクラス全員の視線が俺に来た。
「そうか……。」
そう言い俺に目を向けた設計士は俺の方に来て俺の右手を乱暴に掴み、
「ちょっと話がしたい。」
と言って俺を教室の外へ引っ張った。
これはまずいことになったな……。やっぱりジェットコースターは止めた方が良かったかな……。
俺は設計士の女の子に引っ張られながら自分の軽はずみな行動を後悔した。
俺が連れていかれた場所は以前俺がユーと決闘をした場所だった。その場所には誰もいなかった。
「さて、誰もいないな……。」
設計士は周りを警戒しながら見渡した。
さて、何を聞かれるかだな……。恐らくジェットコースターを考え付いた経緯を聞かれるんだろうな……。
俺がそう思ってると設計士は信じられない質問をしてきた。
「なぁ、確認なんだけどお前も転生者なのか?」
「!!?」
俺は思わず掴まれてる右手を振り払い身構えた。
「どうやらその通りらしいな……。」
「お前もと聞く辺り、君も転生者みたいだな……。」
「ああ、その通りだ。私もお前と同じく地球で死んでおじいさんに転生させてもらった転生者だ。」
設計士はあっさり肯定した。
俺はあのイケメンを誘き寄せようとしたのにまさか他の転生者を誘き寄せることになるとはな……。
「そう身構えなくていい。私はただおじいさんの言う通りかどうか確認したかっただけだから。」
「なんだって?」
こいつの言うおじいさんは多分あの神様のことだろう……。
でもおじいさんの言う通りってどうゆう事だ?
あの神様は俺に他の転生者かいるとは一言も言ってないぞ?
「あれ?その顔だとまだおじいさんと再会出来ていないみたいだな。」
「何!?」
あの神様と再会出来ていない!?
「おい!!どうやったら神様と再会出来る!!」
「そう急かさなくても……、確かおじいさんが言うにはワシが言った死因に疑問を少しでも持てばこっちに来るようになっていたと言ってたな……。」
神様が言った死因に疑問を?
確か俺の死因は神様が地球に書類を落としてしまってそれで顔を覆われた俺は人にぶつかってしまって車道に出てしまいそこに来たトラックに跳ねられて死んだんだよな……。
改めて思い出すと馬鹿げた死に方だな……。
これで本当に死んだのかって思うくらいに。
つーかなんで死ぬまでの記憶が無いんだ?
そう思ってると急に目の前が真っ暗になり、俺は意識を失った。
「ふむ、まさかお主が最後とはな……。」
次は神様との再会です。




