よくある七話 十一年前の真犯人と答え会わせ
早くも核心です。
早すぎるかなぁ?
ニュールside
私はニュール・リアス、王族だ。今リアス聖国首都に向かっている。早く首都についてくれ!!
兄妹の内、もう4人が殺害された……。
次は私が殺される番だ……。
まだ死にたくない!!
そう思いながら馬車に乗っていると、ふと自分の左腕がなくなっていた………。
「うっ、うわああああああ!!!!!!」
も、もう犯人がここに来てるのか!?どうやって腕を斬った!?
そう思ってると何かがきた感じが少ししたあと、意識を失った。
このあと、ニュール・リアスが首都郊外の道にて、馬車の中で首と左腕を無くした状態で発見された。
これでリアス聖国王族は現国王とユーライン・リアスだけになってしまった。
sideout
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最初の王族殺害事件からの三日間、俺は首都で情報収集していた。
俺の考えているこの事件の犯人と十一年前の真犯人の裏付けをするためだ。
どうやら間違いないらしい……。
この三日間で、5人殺されている。しかし俺が考えている犯人だったらもう殺害は止まるだろう………。
よし、まずは十一年前の真犯人から行きますか……。
少年移動中……。
いた。アイツで間違いないな…。
よし、いくか………。
「こんにちは、十一年前の『王族大量殺害事件』の真犯人、そして今回の王族殺害事件の実行犯であるカレイ・パリスンさん。」
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カレイside
「ふむ…、なんのことかな、少年?」
「とぼけないでください。カレイ・パリスンさん。それに俺の名前はシン・ジャックルスです。」
ふむ、賢そうなヤツだな…。一応聞いておくか…。
「ではシン君。じゃあ聞くけど僕が十一年前の真犯人と今回の王族殺害事件の実行犯である証拠はあるかのな?」
あるはずがないな…。
「はい、ありますよ。」
なに?
「まずは十一年前の真犯人と言う証拠からです。あの事件の主犯は『最悪の魔女』と呼ばれているシューライン・リアスとされてますよね。」
「はい、まあ私が暴露して解決したんだからね…。」
「ええ、そうですね…。しかしおかしいんですよ。十一年前の事件の主犯『最悪の魔女』である彼女が王を殺害する事を最終目的にすることはどう考えてもあり得ないんですよ。」
「なんですって?」
「理由は明らかです。あの頃の彼女の子どもは全員王族ではなかったからですよ。」
はい?
「どうゆうことですか!?彼女の子どもは全員正真正銘、現国王の子どもなんですよ!!」
そのはずなんですが………。
「そのとおり、彼女の子どもたちは正真正銘、現国王の子どもです。しかしその子どもたちは16歳になり、国家試験でフォードクラスに認定され、王族として認められなければ王になれないんですよ。」
「な…。」
「知っているでしょう。身分は16歳にある国家試験での魔力位で決まるんです。それは王の子どもも例外じゃないでしょ?」
「しかし彼女が女王になり、子どもたちが王族なるまで待てば……。」
「アンタ『最悪の魔女』の親戚だろ?彼女の身分は貴族、女王にゃなれねぇよ。」
「しかしそれは法を変えれば……、」
「身分のことは国際法で定められてる。国際法を変えるには四国の国王の全員が賛同しないといけない。国王がいないのにそんなことできないでしょ?」
「くっ……。」
すごい少年だな……。しかし、
「しかし、それだけでは私が十一年前の真犯人で、今回の王族殺害事件の実行犯とはならないでしょう!?」
「その事なら殺害方法と殺害現場の情報でわかります。十一年前の事件での殺害方法は水の剣で全身をメッタ刺しでしたよね。あなたの魔法属性は確か『光』と『水』ですよね?」
「それが証拠にはなりません!!魔法属性が『水』の人はこの国には沢山います!!」
「そのとうりです、しかし殺害現場には人を見たという情報がまったくないんですよ。」
「それがどうしたんですか!!」
「『光』なら光の屈折を魔法で操って見えなくすること位はできますよね?しかし殺害方法は水の剣、おかしいなぁ?これなら『光』と『水』の二つの魔法属性を持ってる人が犯人になりますよね。ちなみに魔法属性が『光』と『水』なのはこの国であなただけでしたよね?ちゃんと国立図書館で調べましたよ。そして今回の王族殺害事件の殺害方法もメッタ刺しではありませんが水の剣で殺されてます。そして誰も殺害現場に誰もいなかった…。同じですね。十一年前の事件と。そうゆういくつもの証拠からあなたが十一年前の事件の真犯人、そして今回の王族殺害事件の実行犯であるということを結論付けました。大変でしたよ……。ここまで調べるのは……。さあ、言い逃れできるなら言い逃れてみてください、カレイ・パリスンさん。」
「………………。」
すごい……。まさかここまでとは……。
「だんまりですか……。では、質問いくつかしますね。あなたが十一年前の事件の真犯人、そして今回の王族殺害事件の実行犯で間違いないですか?」
仕方ない……。言い逃れできそうにないな。
「そうです。私が十一年前の真犯人です。そして今回の王族殺害事件の実行犯です。」
「そうですか……。では次の質問です。なぜシューライン・リアスさんを巻き込んだのですか?」
ほう、私との会話でそこまで気づきますか。
「そこまでわかってたんですね。はい、そのとおりです。彼女は十一年前の事件にはなにも関与してません。」
「そんなことはすぐにわかりました。動機がありませんからね……。質問に答えてください。」
「ほう、動機がないとは?」
「金はもう国王に嫁いで大量に持ってます。子どもに国王を継いでほしいならもっといい方法が沢山ありますからね。権力も同じ理由です。このように動機を見つけられなかったですからね。さあ、質問に答えてください。」
「はい、答えましょう。私に疑惑をかけられたくないからです。そして貶め易かったからです。」
「だから彼女の子どもだけ殺さなかったのか……。」
「そうです。他に質問はありませんか?今回の事件の主犯は誰かなんて聞かないんですか?」
「それはあなたが今回の事件の真犯人で主犯じゃないとわかった時点でわかりました。」
素晴らしい……。子どもなのにここまでしますか……。惜しいですね…。
「では最後の質問です。罪を償う気はありますか?」
そんなものは……
「そんなものはないですよ!!『屈折』!!『水霧』!!『水剣』!!」
そう私が魔法を唱えると手には水の剣、周りには濃い水の霧が出てきた。
「あなたみたいな子どもにはわからないでしょうね!!どれだけ出世するのが大変か!!あの事件のあと、私は英雄として軍総督まで出世しました!!そんな地位を失いたくないんですよ!!あなたみたいな子どもなんかにはね!!」
「あなたの出世の為だけにいままで53人、いや、54人も殺したんですか!?」
「はい、彼等は私の地位の礎になってもらいました。そして今日からあなたもその礎の一つになってもらいましょうか!!」
そう言いながら彼の背中を斬りつけた。そして少し躱されたが右腕に傷を与えた。
「声で避けましたか……。やはり素晴らしい才能ですね……。しかしこの魔法コンボは無敵です!!『水霧』で姿を隠し、見えても『屈折』でその姿は虚像!!君のような子どもには破れません!!」
このコンボは無敵!!いままで誰にも破られてない!!さらに私には切り札の上級魔法が……
「アンタ、どうして俺がこんな人のいない郊外で話そうと思ったか知らないのか?」
「なに?」
「なぜもっと人のいる場所で話さないのか疑問に思わなかったのか?」
そういえば……、
「それがどうした!!」
「アンタがまだ罪を償う気があれば見逃したのになぁ……。」
何をいってるんだコイツ?
「仕方ない……、死ね。『開放』、『堕天使』!!」
そう彼が聞いたことのない魔法を唱えると、霧が一気に晴れて、彼の容姿が……、
「なんだそれは……。なんなんだその魔法はああああああ!!!!!!!!」
「死ね!!『魂の奔流』!!」
sideout
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「ふぅ…、痛ぇな…。しかしやっぱり最高だな、『黒き光』を開放すると、『封印』。」
斬られた腕を見ながら魔力を封印した。
「…………………………………。」
俺は首だけを残した元の原形がわからない肉の塊を一瞥した。
「持っていくか…………。」
そう思って、首を持ち上げ、カバンの中に入れた。血は一滴も流れてなかった。
「よし、腕を治療する前に…。」
終わらせよう…、この事件を……。
「王の城まで行きますか。」
どんなことがあっても、
復讐は復讐しか生まない。
それでも復讐は終わらない。
そろそろクライマックスです。
この話に載っていたカレイの使った魔法を3つ紹介しましょう。
シンの使った『黒き光』の魔法はまだ秘密です。
『屈折』:『光』の中級補助魔法。自分の姿を光を屈折させて自分が本当にいる場所と相手が見えている自分の場所をずらす魔法。補助魔法はランクには関係ないため使える人は少ない。
『水霧』:『水』の中級補助魔法。濃い霧を自分の周りに出す。目眩ましに効果的。
『水剣』:『水』の初級攻撃魔法。水でできた剣を出す。他の魔法属性バージョンもある。




