よくある百十八話 魔王と石柱
最初に言います。
なぜこうなった。
な、なぜ父さんがここに!?
「な……なんで……ゴボッ!!」
俺が喋ろうとしたら血を吐いてしまった。
「喋るな、そこでじっとしてろ。」
父さんが俺を上から心配そうに見ながらそう言った。
でも大丈夫なのか?あのイケメンは『黒き光』を開放した状態の俺を一方的に倒したんだぞ。
……………………なんか大丈夫って気がするな。
根拠はないけど……。
「さてと、」
父さんはイケメンの方を向きこう言った。
「君、死にたくなかったら早く逃げろ。」
「は………………?」
俺は呆然とした。
なにそれ?どうゆうこと?
「なんだと……、どう言うことだ?」
イケメンも同意見のようだ。
「いや、言葉通りだ。死にたくなかったら早く逃げろ。だって……、」
父さんは今度は上を見た。
上に何かあるのか?
そして溜めてこう言った。
「アレはもう誰にも止められないからね。」
父さんがそう言った瞬間、
イケメンの頭上にとてつもなくデカイ石柱が降ってきた。
「はい!?」
その衝撃はとてつもなくデカく、俺は吹っ飛ばされそうになったが父さんが支えてくれた。
イケメンは避けたみたいだか驚きを隠せていなかった。
石柱の上をよく見ると誰かが立っていた。
そこには、
「よくも私のシン君に傷をつけてくれたわね……。」
母さんが、いや、アレは本当に母さんなのか?
髪が逆立ってるし、目も何かおかしい。オーラも何か何時もに増して禍々しい。
本当にアレは母さんなのか?
「気持ちは分かるぞシン。だがアレは母さんだ。」
父さんが俺を支えて何かに絶望したような顔をしながらそう言った。
そうなんですか……。アレが母さんの本当の姿なのか……。恐えぇよおい……。
「………………。」
イケメンも少し母さんに恐怖をしているのか顔が何か青ざめている。
「さあ、覚悟なさい……、この世のものとは思えないほどの苦しみを味あわせた後、殺してあげるわ……。」
本当恐いよ母さん……。
もう何か魔王って感じがするよ……。
「くっ……、」
イケメンが両手を合わせると一瞬にしてイケメンがその場から消えた。
「「「なっ……。」」」
俺達はいきなりの出来事に驚いた。
しかし今イケメンはどんな魔法を使った?
この世界に転移魔法なんてものはないはずだ!!
何処の魔導書にも書いてなかったはずだ!!
そんなことを考えていると母さんがオーラを消して俺の方に近づいて来て、
「シイイイイイインくううううううん!!!!」
「グボベラッ!?」
俺に思いっきり抱きついてきた。俺の怪我を全く気にせずに。
「おい……、シンが白目向いてるんだが……、」
「うううううう……、」
「クフッ……。」
母さんは父さんの言葉を聞かずに力強く俺を抱き締めながら思いっきり泣いていた。
俺は怪我と母さんの抱き締めの痛みで俺は意識を失った。
なにこの気の失い方……。
ミラ強し。




