小さな覚悟
少年はまだ覚悟が出来ていなかった
思い出すのは村で遊んでいた記憶と凄惨な記憶
その2つが思い出される
少年は1人街を歩いていた
露店や行商人達でごった返しになっていた道を抜け
住居地域を見て回る
そこに住んでいたのは親子が多かった
俺ね大人になったら騎士になって色んな人守るんだ!
その発言を聞いた母親は難しい顔をしながら子供に言った
あの騎士団は身寄りの無い人だけが入れる場所なの
だから騎士じゃなくて近衛兵で我慢しなさい
近衛兵だって凄いのよ
私は近衛兵で街や国を守ってくれる方が嬉しいよ
と伝えていた
うん!わかった!
元気に返事をする子供を見て少年は深く考える
この様な子供が沢山いれば怪物達を根絶やしに出来るのかと
しかし凄惨な光景がまた蘇る
きっと無理だと思う
あの怪物はどんなに束になっても倒せる気がしない
せいぜい遊ばれて終わる
子供が唄った
それは英雄の唄
過去にあった奇跡の唄
英雄は村をドラゴンに破壊され
1人森に籠り修行をした
力を蓄えた英雄は命を賭けドラゴンを討伐した
英雄はドラゴンの首を国に持ち帰り
凱旋をした
その日の晩にドラゴンとの戦いで出来た傷で死んでしまった
しかし今もなお英雄を讃える声は途切れることは無い
僕この唄凄い悲しいけど好きなんだ
そうね
私も好きよこの唄
そんな会話を聞いた少年はその場を後にした
英雄か…
俺が強かったら皆を守れたのかな…
皆ごめんな…
俺強くなる!
少年は幼馴染にプレゼントしたミサンガに誓いをした
でも今の俺は弱いからあの怪物は倒せない
いつになるかわからないけど村のみんなの仇俺が絶対取るから待っててくれ
頬に一筋の水を流しながら少年は前に進む事を決意した
少年は騎士団に向かった
どうやら覚悟が決まったようだな
はい
僕を強くしてください
あの怪物を倒せるように
ドラゴンスレイヤーの英雄のように
英雄か…
良いだろうお前の覚悟しかと受け取った
ここからはキツイ訓練と凄惨な現場を見る覚悟しておけ
凄惨な現場をみてお前がトラウマを乗り越えられたら俺直々に指導してやる
だから死ぬ気でついて来い
俺らは一度死んだも同然
命を賭けて強くならなければいけない身
お前の覚悟を騎士団に伝えなくてはいけない
だから皆に挨拶をしに行く
ついて来い少年
はい
皆のもの急な呼び出しすまない
我らの新しい仲間になる者から挨拶だ
少年は騎士団全員の前で言った
俺は村の皆を守れなかった
ただ怯えて隠れることしかできなかった
村の皆は目の前で怪物達に喰われた
だから後悔した
俺が強かったら…
きっと皆守れた
だから弱い自分は今日ここで死ぬ
今から俺は怪物を倒せる様に強くなる
英雄譚に出てくるドラゴンスレイヤーの様にひたすらに強くなる
だから皆俺を鍛えてくれ




