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異世界便利屋タクヤの依頼帳 〜スライム配達から世界更新まで〜

「――あの、これ、ほんとに便利屋の仕事ですか?」

気がつくと俺、タクヤ(25歳・元フリーター)は異世界にいた。理由は不明、説明もなし、いきなり「転移先はこちらでーす」と放り出されて目が覚めたら、中世ファンタジーっぽい町の雑踏の中だった。

剣と魔法が飛び交い、モンスターがうろつく異世界。だが、俺が得たスキルは《万能補助(サポート)》なる、なんとも地味な能力だった。

攻撃? できません。
回復? ちょっとなら。
防御? 相手次第。

「え、じゃあ何ができるんだよ」と突っ込みたくなる俺に言い渡されたのは、ギルドの雑用係――つまり便利屋という職業だった。

魔導具の誤作動を止めたり、泣き叫ぶ銅像を黙らせたり、空を飛ぶ猫を捕まえたり……なんだこの仕事は。

そんな理不尽と戦いながらも、俺は出会っていく。

真面目で不器用な剣士リアナ。王国の出身で、しょーもない依頼に付き合いながらも、世界の行く末に一番敏感な奴。

毒舌ハーフエルフの魔導士フェリス。無表情なのに、意外と面倒見が良い。時々本気で怖い。

暴れん坊な鍛冶屋のドワーフバルド。誰よりもうるさくて、誰よりも仲間思い。

この3人と一緒に、俺は便利屋を続けることになる。

……だが、ただのコメディで済む話じゃなかった。

この世界、どうもおかしいのだ。

あるはずの魔力が循環しない。
遺跡は叫び、書物は嘘をつく。
王都には「観測者」なる謎の連中がいて、俺を試すように依頼を投げてくる。
ついには「お前は第7世代の調整者だ」なんて言い出す始末。

待て待て、俺はただの便利屋だぞ?

――だが俺は知ってしまった。この世界は、まるで管理されているかのように作られた仕組みで動いていることを。

いや、正確に言えば管理されていた『つもり』で、今はボロボロにガタがきてるんだ。
まるで、長年メンテされてないゲームサーバーみたいに。

……じゃあ、俺の『万能補助』ってのは、まさか――?

戦争は起こらない。世界は崩壊しない。だが、少しずつ壊れていく現実を、誰かが直さなきゃいけない。

その誰かが、どうやら俺らしい。

王の陰謀、観測者の策略、古代技術のバグと更新プロトコル――すべての糸が交差するとき、便利屋パーティーは、世界の中心でユルく戦う!
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