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ゼロの敵  作者: 春夏秋冬
第一章 冬の大陸 科学基地編
2/6

掃除屋と侍 二度の襲撃

吸血鬼と共に6期と呼ばれるものたちの基地へと入った。

しかしそこには....

 私と吸血鬼は基地の中を歩く。基地の中はトラップが多く設置され、私達はそれを避けながら歩いた。避けて避けて避け続けて、ついに吸血鬼が転んでしまった。すぐにトラップの警報音が鳴り響く。私はすぐに来た道を戻った。しかしそこには目元を隠した暗殺者がいた。吸血鬼をかばいながらの戦闘、圧倒的な不利だ。さらにここは敵地。すぐに逃げなければならない。でも負けるわけにはいかない。

 暗殺者の速度は名前相応だった。二本のナイフを持ち、私に同時に突きを飛ばす。回避するのに精一杯で吸血鬼のことなど考えてもいなかったが、暗殺者はそれに気づき吸血鬼へナイフを飛ばした。突然のことに驚いた吸血鬼は動くことができず、私が間一髪で防いだが左腕に刺さり痛みが伴う。油断したら殺される....傷を負うのを覚悟して私は短刀を抜いた。こちらは二本相手は予備もあるから二本でもたくさんあるようなものだ。すぐに私は吸血鬼へ攻撃がいかないように戦闘していた。金属音がひびくなかで、拮抗を破ったのは暗殺者だった。瞬時にナイフを取り出し、投げつけたのだ。速かったが私の動体視力には敵わないようだった。私はナイフを掴み、暗殺者の腕にめがけて投げつけた。それによって暗殺者の右腕は機能しなくなった。勝負はナイフと短刀の1対1だ。ここまでこれば私が有利になるのは簡単だった。暗殺者の体に生傷が目立ち始め、攻撃速度も鈍くなっていた。ただナイフのさばきは上手かった。私の体にも切り傷ができ始め、お互いダメージが蓄積していく耐久戦となった。このままでは時間が稼がれてしまうと危機感を感じ始めた私は暗殺者の左腕を狙って短刀をもち、左腕の手首のけんを切りつけた。予想通りに暗殺者は武器が持てなくなった。私は暗殺者を殺すことはせず、ナイフをもらってそのまま基地の外へとにげた。吸血鬼が私の肩を支えてくれて楽に脱出できた。

 私はそのとき暗殺者がまだ動けることを知らなかった。私たちは暗殺者に追跡され、居場所を掴まれていた。

 私が目を覚ますと傷は手当てされていた。吸血鬼は浮かない顔をしていた。元気付けるために私は会話していたが、彼女の返答はいいものではなかった。

私「浮かない顔をしてどうしたの。」

吸血鬼「また私のせいで怪我をして、私って足手まといでしかないのかなって。」

私「そんなことないよ。ただ私が弱いだけ。」

吸血鬼「弱い人に守られている私はもっと弱いんだよ。あなたが自分を弱いと思っているならなおさらそう。」

私「人の気持ちなんてそれぞれだから私にはわからない。けどひとつだけ言えることは....自分を弱いと思って人に迷惑がかかると思っているのは強くなれない人の証拠だよ。」

吸血鬼「...でも強くなんてなれないよ。」

私「別に誰も強くなれなんて言ってないよ。ただあなただけができることってのはきっとあると思うから。」

吸血鬼「うん...わかった」

今度は泣いてなかった。吸血鬼の心は強くなったようだ。二人は眠りについた。

 真夜中あたりが暗くなった頃に、人影が現れた。一人の侍が吸血鬼を捕まえに来たのだ。私は気配を感じ取って、短刀を抜いて侍に近づいた。

私「誰だ。」

侍「見つかってはしょうがないでござる。あなたも同じ目にあわせるでござる!」

侍は刀だった。剣士同士の戦い、侍は大きく刀を上げて、私に向かいながら降り下ろした。回避できずとっさに短刀で防御姿勢をとったものの、力強い一撃に短刀はヒビが入っていた。おそらくもう一撃くらえば折れるだろう。私はすぐにカウンターの姿勢に構えた。カウンターであれば短刀は折れず有効打を与えられる。しかしそう簡単にはいかず結局は斬りあう形となって戦い続けた。何時間もたって日が出始めた頃、吸血鬼は目を覚まし状況理解に時間がかかっていた。二人とも疲弊してなんとか戦えているようなものだった。私は最後の一撃をもって構えをとった。侍が刀を斜めに振り上げる。私は完璧な回避で侍の懐へと潜り込み、一撃を振り絞り短刀を突き刺した。

 短刀は限界だったのか折れてしまい短刀が深く突き刺さることはなかった。私は疲れで倒れ暗殺者との戦闘での傷が開いていた。侍も生傷や最後の一撃によるダメージで動けなくなり、戦闘は数時間かかり終わった。

私は立ち上がり侍の近くへ短刀をもって座った。

侍「死にたくないでござる....死にたくない...」

目の前には戦っていた相手、とどめを刺されると考えるのもおかしくない。しかし私は彼女を支え続けて座らせた。

侍「え?....殺さないんでござるか?....とどめをささないんでござるか?....」

私「戦闘はもう終わった。相手にとどめを指す必要なんてない。」

侍「ありがとう...で...ござる。」

私「ひとつだけ聞いておくけどあなたたち6期のリーダーはどこにいるの?」

侍「研究所の中でござる。非常に申し訳ないんでござるが、なんというか方向音痴で...研究所の中はわからないでござる。」

私「そう。ならいいか..」

侍「用済みってことでござるか....?」

私「そういう訳じゃない。とりあえず手当てしなきゃ。」

その後私は侍の手当てをして再び休んでいた。


戦いは終わらない...

第一章第二話です。実は第一編でもあるのですがそこは難しいのでやめておきます。

今回は暗殺者、侍の二人との戦闘が発生致しました。次回は...まあ察しが着くと思います。

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