プロローグ
私がいる地球とは違う世界。魔法や力を持った者たちが生きる世界。
そんな世界で大きな戦争が始まる。
「目撃情報が出たようです。気をつけてね。」
リーダーと言うべきか黒幕というべきか。周りの者たちに呼びかける。
周りの者達は言葉を聞いた後すぐに元の場所へ戻った。
この言葉がこの世界を破壊するとは誰も想像できなかった。
私はいつの間にか追われる身となっていた。一般人に狙われているわけではない。一部の集団に狙われている。理由はもう覚えていない。昔、10人ほどに狙われ、大きな戦闘が起こった。運良く死人が出ることはなかったもののその時からその者たちに狙われている。今では敵は70人ほどに膨れ上がっていた。ただ山奥で暮らし始めてから狙われることはなくなった。70人ほどいる敵の中で原初の戦闘以外に私が倒したのはたったの5人ほどだろう。その程度しか来ないのだからしょうがない。このままいけばゆっくり暮らせると思っていたのに…そううまくはいかなかった。遠くに住む仲間から私を狙っている集団に大きな動きがあると知らされた。再び私を討ちにきたのだ。私は再び戦争へと足を踏み入れた。
まずは私がいる冬の大陸の敵を討つところから始まる。冬の大陸の由来は知らないが、この大陸の長がいる国家が最終到達点だ。手始めに私は影の廃墟へと向かった。ここは大昔に廃った館だ。ただし噂によると吸血鬼と悪魔が住んでいるとかいないとか。どちらにせよ敵の手中にある場所だ。先に狩っておいて損はない。
館の土地に入ると何やら怪しげな雰囲気を感じる。雰囲気を気にせず中に入るが気配はしない。すこしだけ落ち着こうと館の中をまわっている時、ほのかに殺気を感じた。しかしそれは私には向けられていない殺気だった。そこへ行くと、扉があった。敵を警戒し扉から中を除くと、悪魔と吸血鬼が戦っていた。話の内容を聞くに、吸血鬼と悪魔のどちらかが集団から離れたようで、それによって口封じをされているらしい。戦闘を見ていても明らかに悪魔のほうが強かったのでおそらく吸血鬼が離れた側だろう。少しずつ戦局が変わっていき、最終的に吸血鬼は敵の攻撃を防ぐのみで攻撃ができずにいた。そんな状況を見ていられず私はバレないように悪魔の腹に針を飛ばした。この針は魔法で制御できる麻酔のようなものだ。しかし針を刺したあとに魔法をかけるが少し悪魔の動きが鈍くなったもののすぐに気づかれてしまった。悪魔の魔法攻撃はとても強力で防御する前に魔法によって吹き飛ばされた。そして悪魔は吸血鬼を殺そうとしていた。情報を持った数少ない一人を殺させる訳にはいかないと、持ってきていた短刀を取り出し悪魔に斬り掛かった。なんとか悪魔はよけようと体をそらす。しかし私の神速の刺突に対応できなかった。短刀は腹部に突き刺さり、悪魔は出血で動きが鈍くなった。チャンスだと思ったものの目的は吸血鬼を助けることだったので私は意識を失った吸血鬼を連れて逃げた。悪魔もこれ以上は無理だと考えたのか遠くへと飛び立っていった。
近くの森で焚き火をして、吸血鬼が目を覚ますのを待った。何時間かたった時に吸血鬼は目を覚まし、私に攻撃をしようとしたものの、私に敵意がないことを知り、私の話を聞いてくれた。
私「なんで悪魔と戦っていたのか教えてほしい。」
吸血鬼「なんでって…ルールを破ったから。」
私「ルールっていうのは何のこと?」
吸血鬼「私達の集団にはルールが数多くあるの。私は情報を漏らしてしまったから、少し前に集団から離れたの。それで私を殺すために悪魔が…」
私「そう…わかった。なら提案なんだけど私と一緒に来ない?この先あなた一人でいたら絶対に殺される。色々教えてほしいこともあるし、私はあなたのいた集団を倒したい。」
吸血鬼「あなたもしかして…ゼロの敵?」
私「ゼロの敵…?どういう意味なの?」
吸血鬼「私達の集団はいわば組織なの。その組織には今は地方によって1〜6期まである。一番大きい大陸はここ。そんな組織の中でも0期と呼ばれる5人がいるの。その5人と激闘を繰り広げ、その中の一人の仲間を殺したと言われている。それがゼロの敵って呼ばれている人なの。」
私「…確かに原初の組織とは戦ったが、仲間を殺した…そんな記憶はない。」
吸血鬼「だけどさっきの強さや戦闘スタイルを見る感じあなたがそうだと思う。」
私「それが狙われている原因だったのか。」
私「ところであなたは何期?」
吸血鬼「1期」
私「1期!?2番目に強いってこと?」
吸血鬼「そういうわけじゃない。一期は昔からいる人達。だから私は強くない。昔からいるだけ。」
私「だからさっきあの悪魔にボコボコにされてたんだ。」
吸血鬼「あいつは2期。2期は精鋭揃い、5、6もそう。私以外の1期も強い。」
私「何にせよ敵が強いことだけはわかった。それでどうする?」
吸血鬼「どうするって?」
私「私についてくる?」
吸血鬼「…戦いたくはないけど…………死にたくはない…」
私「じゃあ行こう。一緒に。」
吸血鬼「うん。」
いろいろ話しているうちに吸血鬼の目には涙が溜まっていた。私はそっと吸血鬼を抱きしめた。吸血鬼は気が緩んだのか泣いていた。
翌朝、彼女が吸血鬼なのに日中も動けると知って、朝から旅を続けることにした。
私「朝だけど…吸血鬼って日光苦手だよな?」
吸血鬼「私は朝でも大丈夫だよ。ハーフだから。」
私「え…まじかよ(最強じゃん)…まあいいやじゃあ旅を続けよう。ところで近くにある敵地はわかる?」
吸血鬼「ここからだと6期が一番近い。あっちだよ。」
吸血鬼の先導で森の中を進んでいくと、研究所のようなアジトのような大きな場所が見えた。
吸血鬼「6期は新星だから強い。私は…行きたくないかも…」
私「でもここじゃ敵地だから危ないよ。行くよ!」
吸血鬼を引っ張って敵アジトへと乗り込む。
この度ファンタジー系の小説を書いています。
シリーズ設定又は内容でなんとなくわかりますが元ネタがあります。
軍団を抜けている人もいろいろと関係あるので是非探してみてくださいね。
プロローグはこの一話で終了し
これより第一章の6軍との戦争が始まります。