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さっき一瞬死んだ話。  作者: おみがわ
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依存


15分ほどトンネルにうずくまっていたように思う。

女の子たちが私を探す声がして、ショックだとか悔しいだとかよりも申し訳なさが込み上げてきて、私はトンネルから出ることにした。


夫の顔を見ることができなくて無言でいたら、Kに「なにやっとるの全く」と呆れた声を投げられた。

心も体も冷えきっていて、女の子たちにお礼も謝罪も言えないまま夫に手を引かれて祖父母宅に帰った。


夫からは約束を破ってごめん、もうしないとその日のうちに謝罪を受けたように思う。

なんでこうなってしまったんだろう、なぜ私がこんな目に合わなければならないんだろう、それしか頭の中に浮かばなかった。

そのせいもあって私は祖父母宅では根暗で失礼な娘だったのだと思う、その晩、祖父母宅に居候(?)していたSさんが「おいAよ、あの彼女はよくねぇぞ。別れろ」というような話を夫にしているのを聞いてしまった。


私から夫を振ることをしなかったのは、完全に依存だったのだろうと思う。

付き合うことがゴールじゃない、付き合ってからが2人のスタートだということをわかっていなかった。

想いが通じたらもう2人は一心同体で、お互いを半身として幸せになれるのだと思っていた。

心を広く余裕をもって、彼のことをちゃんと許せたらもっと好きになって貰えるかもしれないなんて夢を見ていた。


若い頃の私は今よりもっともっと、どうしようもない世間知らずの甘ったれだった。

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