表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/18

07 勝負


 ストッパー役のセシエリアさんがいなくなって暴走しかけたヴァニシアさん。


 彼女を止めてくれたのは、クリスでした。



「ライクァおじさまとの手合わせの前に、ぜひ私と」


「望むところっ」



 クリスとヴァニシアさんの本気の手合わせは、それはもうスゴいものでした。


 剛腕で大剣を存分に振るうヴァニシアさん、


 劣らぬ剛腕で長槍を自在に操るクリス。


 凄まじいまでの気合いと打ち合い。


 お庭の空気がびりびりと震えました。


 思わずハルシャちゃんのお目目をふさいじゃいましたよ。


 隣にいたモノカさんも、マクラちゃんのお目目をふさいでおりました。



 勝負は、まさに五分と五分。


 明確な決着はつかないまま、夕飯のお知らせでお開きに。



「ライクァ殿はクリス殿よりも」


「一度も勝ててはおりません」


 ヴァニシアさん、天を仰いで嘆息。


「鍛錬の道に終わりは無し、か」



「ライクァおじさまとの勝負は」


「クリス殿と雌雄を決するまでは、浮気は失礼というものだろうな」


 夕陽を背に、がっしと握手するふたり。


 バトル乙女ふたりの熱き誓い、ですね。



「つまり、私もカミス殿と婚姻を結んで共に暮らせば、いつでもクリス殿と手合わせ出来る、と」


「いかにヴァニシアさんでも、カミスとの結婚を軽々しく考えてもらっては困ります」


 ありがとう、クリス。



「確かに、手合わせのダシに結婚などとは、カミス殿には失礼千万。 まずはしっかりと、契りを結ばねばな」


「いけません、ヴァニシアさん。 まずは心を落とすのが先と、リリシアさんから伺っております」


 ありがとう、リリシアさん、って、僕のためのアドバイスになっていないのですが。



「女であるということは、やはり難しいものなのだな」


 ため息をつく、ヴァニシアさん。


 クリスがヴァニシアさんの一部を、じっと見つめております。



「まずは、夕飯前に汗を落とそうか」


 困り顔のクリスが引っ張られていきました。



 隣にいたモノカさん、とても哀しそうなお顔、ですね。


「勝負は時の運、などでは、絶対に無い」


 大丈夫ですよ、愛らしさでの勝負なら、この家でもトップクラスですって。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ