16 日常へ
少しずつ、日常が戻ってきております。
身体もすっかり元通り、いよいよ我が家へ帰ることが出来るようになりました。
「モノカお母さんとカミスお兄さんは、一緒に暮らさないの?」
そうだね、マクラちゃん。
おうちは別々だけど、ちゃんと家族だから、これからもハルシャちゃんと仲良くしてね。
「大丈夫だよ、マクラお姉さん。 カミスパパがあんまりお嫁さんを増やさないように、ちゃんと見てるからね」
お嫁さん関係はしばらくこりごりですよ。 それはそうと、マクラちゃんがお姉さんで確定なんですね。
「モノカが寂しそうにしていたらすぐに拉致しに行きますので、お身体を大切に、ですよっ」
ありがとう、ノルシェさん。
出来れば拉致は勘弁してくださいね。
「お部屋はモノカの部屋で良いんだから、いつでも泊まりに来てねっ」
ありがとう、アイネさん。
出来れば別々のお部屋でお願いしますね。
「モノカのウェディングドレスは準備出来ちゃってるので、タキシードの注文はお早めに、なの」
ありがとう、シジミさん。
出来れば紋付き袴でお願いしますね。
「初めて会った頃と比べて、カミス君もずいぶんとたくましくなったよねぇ、ササエ」
「モノカさんみたいな素敵な女性とのアレコレが、男の子を輝かすのですわ、クロ」
クロ先生とササエさんのひとみも輝いちゃっていますよ、ちょっと怖いくらいに。
「良いんですよ。 どうせ私は孤独なひとりもん。 なんだってひとりでできるもん」
そんなことないですよ、ネルコさん。
あと、僕の前では絶対に眼鏡を外さないでくださいね。
「では、お気をつけて、カミス」
「モノカも、ね」
指輪うんぬんじゃなく、気持ちが伝わってくる。
これからも、よろしくね。
それでは、いざ、我が家へ!




